十円玉の思い出
それは自分がまだ三歳で東京の立川市に住んでいた時の話。
ある日、兄くろーどと家の近所をただ散歩していた。
兄は途中道端に落ちたテニスボールを見つけそれをバウンスさせながら歩いていた。
「いいなぁあれ、おれも欲しいな」なんて思いながらさらに歩いてると、、、
子供って結構いろいろ観察していてる。もちろん自分も近所のにいちゃん達が電話ボックスの中に入り小さなコインの返却口に手を入れカチャカチャやったりして遊んでいるのを良く見てた。
もちろん当時はその電話ボックスが何なのか、返却口が何かも分かってはいなかったけど興味深かった。
この日は他にだれも中に入ってカチャカチャやってない。
「チャンス!」
と思った俺はまねして中に入りとりあえず「かちゃかちゃ」とやってみる。
すると何か入ってるではないか!
「やったぁー!でも、なんじゃこりゃ?」
十円玉。
が当時の俺はそれが何だかまったく分からなかったが、何か凄いものを拾ったとおもった。
すかさず電話ボックスから出てボールで遊ぶ兄にアピール。
「くろーどー。みてぇ~!」
「うおぉっ!それどうしたんだよ」って、くろーど。
「ひろったんだ」っていったら。
「おい、それとおれのボール交換しようぜ」と凄く欲しそうに言う。
この時点でおれは相当いいもの拾ったと確信していたのでボールと交換はやだなぁと内心思った。
「なぁ、はやく、、、」
「とりあえず見してみ」
でも渡したら帰ってこないと思ったので取られないように手に隠すおれ。
「おい、右手にもってんだろ」
やばいと思い左手に変え、「ほらないよぉー」と右手を開いて見せた。
「じゃ、左手は?」
うぅやばいな、、、と思い後ろにくるりと回りながら口の中に隠し、
「ないよぉ~」って左手を広げてふる。
よし。これでばれないなと思った俺。
でも、「口に入ってんだろ」と、くろーど。
やばいと思いすかさず舌の上にあった十円玉を下にずらし口を開け、
「無いよ~、ほら、あ~ん、、、」とやった瞬間、
「ゴクン!」
飲んでしまった、、、。
「ぐがぁ~、、、」と、おれ。
「おい、はやと、どうしたんだ?」
「ぐ~、ぐろーどー、のんだった~」
「大丈夫か?」と、くろーど。
運良く気管には詰まってなかったので呼吸はできた。
くろーどが家まで担いでくれてオヤジに報告。
「やべーよオヤジ、はやとが十円玉飲み込んじゃったよ!」と、くろーど。
オヤジは冷静に「ほんとかよ?」
「マジだよ!」と、くろーど。
オヤジは、「ちょっと待ってろ」と、、、
するとオヤジがガレージから何か変なものを出してきた。
それはなんと金属探知機。(もちろんその時は何だか分からなかった)
そう、よくハワイのワイキキビーチとかで夕方おじさんがやってるやつ。
あれが家にあったんです。(笑)
「とりあえず横になってみろ」と言われ、
床に横になる俺の腹にオヤジが探知機をあてると。
「ピピピピー」と反応。
「本当に飲んじゃったんだな」と、オヤジ。(笑)
救急車で病院へ。
レントゲンにくっきり写った丸い影。
内視鏡でとってもらった十円玉はピカピカになってました、、、。












