新品・中古サーフボード販売、カスタムオーダー、ウェットスーツ、サーフィン用品など。NAKISURFは、プロサーファー、フォトグラファー、サーフライターで知られるNAKIのコンセプトサーフショップです。

naki's blog

1500kgのコールとサーフし、MTオフィスでアートを学び、麺道の稽古とキャンディーズ(4218文字、写真58枚の中編です)

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こんにちは、

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いまだインスピレーション展の興奮から冷めやらぬ船木です。

先週後半から西北西うねりが続いていて、

コールが「一緒にサーフしようよ」

というので、トレッスルズ北部に行ってきました。

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コールバンから出てきたのはMPツインで、

「新しいのを作りたいんだけど、自分のボードをシェイプする時間もないんだよ」

と、古いボードにカメラを向けると少し恥ずかしそうにしていた。

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偶然、AVISO王子ニックもファイヤーブレード5’9″を持って現れた。

ニックは偶然が多いが、尾行されているのか?

と思うほどの出会う精度と確率に柳瀬と驚く。

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駐車場からトレッスルズ北部には徒歩で30分の距離だが、

俺たちは人があまり通らない裏道を使う。

結果5分増しだが、

のんびりと行けて、自然も多く、

俺はこの道しか使いたくない。

「これも逆真流だなあ」と思いながら歩いていく。

けど、体重1500kgのコールと一緒に撮られると俺は小人みたいだ。(笑)

(なぜこんなに大きいのかは下のリンクを参照してください)

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/3271

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到着すると、コールのマネジャー兼ライダーのロボが先着していた。

潮が干きすぎなのか、

思ったよりも波は小さく、がっかりする俺たち。

「ソルトクリークはクローズアウト気味でもトレッスルズは小さい」

こんなことってありますよね。

「うねりの向きがもっと西にならないと、

ここはどこよりも小さいんだよ」

とコールがこぼしていた。

遠方からの方はどうぞお気を付けください。

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俺がルースキャノンに乗り、

ロボがグラスホッパー。

じつはというか、知っている方も多いが、

この2モデルは兄弟デザインなのであります。

というか、グラスホッパーのテイル形状をスカッシュにし、

VEEとコンケイブを少し調整しただけのモデルです。

流れるようなサーフを求めるのならグラスホッパー。

ガッチリとしたタイトターンを求めるのならルースキャノン、

というデザイン説明です。

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MPツインのコールは46才と思えないほど、

活きが良い動きをしていた。

「まるで水揚げ後の黒マグロみたいだ。

1500kgなら築地市場で高値取引されるだろうな」

と思ったが、そんなことを言うのは失礼なので黙っていた。

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ファイヤーブレードのフィンセッティングを変えたら

「速いのです。本当にハヤイノデス」

とにこやかにスラッシュしていた王子ニック。

なるほど速い。

セッティングの妙はサイドフィンとバックフィンをくっつけるということで、

わずかながら位置を動かせる『ZXフィンボックス』の利点をまた知った。

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要は俺やニックのような脚力が非力なサーファーは、

前側(サイド)をテイルよりに1cm程度装着し、

後のフィンをノーズ側に1cm程度と前後を近づけるセッティングとすると、

「跳ね馬的な走りが高まる」ようだ。

重量級コールは、

その体重を活かすかのようなラウンドハウスカットバックを披露してくれた。

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ディノ・アンディーノ風のレイルの切り出しでスタートさせ、

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そのままテイル重心に移行し、

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さらに踏み、レイルを傾け、

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向きが変わったら、肩を入れて、さらに波側のレイルをかけていく。

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ここからは戻っていく位置を見据え、

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この辺りで、体がしんどくなってくるので、

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テイル加重を抜いていくと、

ボードは加重からの反発でセクションの中に戻っていく。

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今度は進行方向(前方)に向きを変えるのだが、

重量計のコールはテイルをピボットに踏み、

「見かけよりも実」という簡素化されたリエントリーをしていた。

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「ホイ、ホーイ」

と言ったかどうかはわからぬが、

こんな感じの年季入りの簡単リエントリーで、

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こうして向きを変えて進行方向に戻っていった。

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「無駄がなく、すばらしいなあ」

とこのシークエンスを見て思っていた。

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カットバックでお悩みの方は、

これを参考にしてみるといいでしょう。

省エネ系ですが、確かです。

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お次はロボ。

彼のターンのすごさは

「コンビネーション」にある。

つまり、ターンが終わることなく、

次のターンにつながっていて、

これは上級者のさらに上の

「玄人(くろうと)」に属する侍、

じゃなかったサーファーに値するので、

その「玄人か素人の見分けかた」

を彼のターンを使って説明してみます。

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カットバックに入り、

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戻していくのはどのプロも一緒だが、

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彼は「その次」を見据えているのだ。

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「リエントリーは打点を高く」し、

次のセクションへの初速を得る。

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すごいのが、

この不安定なカールでレイルを傾けていることだ。

トム・カレンがよくやる「フルカービング』

をロボは習得しているのが、彼の凄さなのだろう。

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ライディング・セクションが奥、

つまり後になったが、

そのままボードをフルに傾けて、

グラスホッパーの滑らかなラインで次を狙う。

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そのままボトムターンに持ち込み、

これが「コンビネーション」

略して、「コンボ」と評されるポイントだ。

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そのまま自分の走ってきた、

崩れているカールに当て込み、

さらに加速しながら、コンテストでは常套となった

「技の数を増やす」ということをごく自然に行っていた。

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これでまた前に出て、カットバック&オフザリップを1ラインで実行して、

「ドシラソドシラソドーミーレー」の鐘三つ(NHKのど自慢)

の拍手パチパチ?♪

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最近写真ばかり撮っている柳瀬にサーフしていただこうと、

「短時間集中型」の俺は、

ルースキャノンでグラスホッパーのような柔らかいラインを描いて大満足。

これはスタイルなので仕方がない。

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走って上がってきたところを柳瀬に撮られていた。

波乗りって、こういうところも楽しいものだ。

(実は歩幅の先にウニがいたので回避のジャンプでした)

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「クリス・ワード本舗」

を襲名できるような王子のスラッシュ。

彼が発した言葉を

「ファイヤーブレード絶好調」と訳したら、

巨人の中畑選手を思い出した。

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BD3-bに乗る柳瀬。

「なんだか粘るというよりも速いです、これ」

という彼の言葉通りのターンの抜けだった。

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速いニックはまだボードに体がついてこないようで、

けれども速いボードというのは楽しく、

この日は最後まで上がってこなかったのが印象的だった。

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グラスホッパーなのに、こんなワイルドなターンをして、

なんだかケリースレーターみたいなスプレイと体の開きがうらやましく、

浜で真似をしながらストレッチをした。

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そうこうしていたらコール社の出勤時間となり、

「さよならー」とハングルーズのポーズ。

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俺は愛しいルースキャノンを望遠で撮って、

ボトムに映った空にカリフォルニアを感じていた。

このボードはここで生まれ、

ここで使われているのですね。

リーシュもそうです。

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ニックは懲りずにスピードをつけて、

「エイヤ!」とスラッシュを繰り返していた。

「スラッシュ中毒」と名付けようと思ったが、

ドラッグの俗語みたいだったら品がないのでやめておいた。

彼は貴族ですからね。

コール社出社50分前ですね。

「いい日にね?!」

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アップサイドダウン社も出社の時刻になったのか、

柳瀬が感慨深い顔をして、

BD3-bを眺めながら上がってきた。

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「鳥には出社の厳しさがないが、自然の厳しさがある」

と禅問答のように空を見上げた。

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なんだか、ものすごく気に入ってしまったルースキャノン。

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グラスホッパーの完成度がこのモデルを産み、

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それはさらにこういった亜種を作っていくのだろう。

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そんなデザインが誕生していく不思議と魅力を感じていた。

カリフォルニアの新月過ぎの太陽は大きく、

派手で強烈で、今が2月ということを忘れてしまうようだ。

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メキシコ大ちゃんからのプレゼントで、

ソーラーケイタイ充電地『iCharge lite』というのをいただき、

これさえあれば、

停電や電気の取れない旅先でもiPhoneやiPodが充電できることとなった。

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早速試す俺。

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その後、ラグーナのMTオフィスに行き、

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アートの勉強をさせていただいた。

MTについてはこちらをご覧くださいね。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/6915

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彼は昔からこうして俺にアートの色々を教えてくれる。

先日登場したショーン(・ステューシー)

はMTの愛弟子だということは

あまり知られていない事実だ。

(STUSSYのロゴで彼を知った人も多いのでしょう)

1980年代のガッチャデザインが斬新で、

2010年の今見ても新鮮なことにオドロキ、

その創始者兼デザイナーというMTを見て、

また深く感動してしまった。

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俺はいつも師範に恵まれています。

と長沼サーフボードの下田コウジさんを思いだし、

彼の言葉を何度も思いだしていました。

「人生楽しく、幸せに」

母親も同じことを言っていたなあ。

とMTオフィスから戻り、遅いランチは

「自称麺道八段平安その三冷やし中華ゴマ・コスタリカ風」

という長い名前のものだった。

ほうれん草、にんじん、ブロッコリー、

コーン、そしてゆで卵を載せ、辛みと胡麻だれで味をつけたのです。

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食べてみるとこれがおいしく、

自分でも驚いてしまい、それに居あわせた柳瀬もこんな笑顔で、

「他薦ですが、ふなきさんを麺道九段昇格に強く薦します」

と誉められ、

「いやまだまだだよ」

と謙遜するが、何に謙遜しているかわからないのが、

麺道の良さだと思う。(笑)

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外はまだ明るく、

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ややあって、メール仕事や荷支度をして、

約束ディナー時刻となった。

コールたちとダナポイントでおいしくいただきました。

じつはロボと柳瀬には待ち合わせ時間を後にして、

コールにサーフボードの勉強をたっぷりとさせていただきました。

これは録音したので、

近日中にインタビューとして掲載しますね。

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一日の時間が全く足りずに、夜は昏睡しています。

いつノースハワイに帰るのかも不確かになってきました。

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今日も長くなってしまって申し訳ありません。

ここまで読んでくださった方にありがとうございます。

スペードのエースの意味を調べていたら

「イタリア語で『剣』を意味する spada の複数形」

とあって、イタリア語だったことに驚く。

「ハートのAが出てこない」とはキャンディーズだが、

トランプなので、それは52枚、

つまり1/52という確率で、

トランプ世界もなかなか厳しいと知った。

いい波に乗れる確率というのはどのくらいだろうか?

どうぞ暖かくしてお過ごし下さい。

後12回寝たら3月ですよ?。

「もうすぐ春ですね」

これもキャンディーズの歌詞でした。

Have a beautiful day!