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0.9ft @ 20s from SSW(193°)のシンジツ_「波乗りの科学」ブイ計測値編_ノースハワイの子供たちの遊び方_大好きな芋焼酎『海童』の広告出演中_(3202文字)

おはようございます。

昨日は七夕でしたね。

織女星と牽牛星は見えましたか?

中国は『双七』と言ったそうで、この日に降る雨を「催涙雨」と、

なんだか全てがブンガクぽいセットアップの日した。

0.9ft @ 20s from SSW(193°)

ホワイトハウスが見たこともないほど混んでいて、

ピークには30人ほどが群がっていた。

この島にはここまでサーファーが多かったのか!

と改めて感じた。

テイクオフしょうとして、

人が下にいて、それが直線でつながらないとしても、

波先に吹っ飛ばされるかもしれない状況下では、

なかなかその上からテイクオフはできません。

誰もいなかった日がなつかしい。

今日のブイ計測値がこの下の表です。

海洋ブイ計測は、日本のサーファーの間では一般的ではないのですが、

知っていると、とても役立つのできちんと紹介します。

サーファーにとってのブイ計測値は、

まずはうねりの高さを見ます。

これは「ft」、または「m」で表示されています。

今日の場合だと、

2.4ft @ 14 s

なので、「2.4ft」というのがそれにあてはまります。

さらにこれが本日一番主要なうねりとして第一列に挙げられています。

(このブイ計測値はただ単純に高さで順位が決まっているようです)

この「2.4ft」をメートル(m)換算とすると、

0.73m@14秒

となり、日本ではこう表示されているでしょう。

次が「うねりの間隔」でして、

「s」、「Sec.」、または「Second」と表示され、

日本語だと上にも書いたように「秒」です。

これが10秒を越えると、強いうねりと断定できます。

それ以下ですと、それはきっと風波(チョッピー、途切れた)なので、

まとまったうねりではないのです。

こうして、秒間隔で波の強さがわかります。

この「高さ」と「うねり間隔」のコンビネーションから

(サーファーたちは)やってくる波について推測をができるのです。

ブイの位置はそれぞれで、

そして計測値は、1時間毎に公開されている。

通常では、ブイはかなり沖合いにあるため、うねりはブイを通り過ぎてから、

およそ8?12時間後にノースハワイの沿岸にやってくるのです。

なので、夕方頃にこの数値が上がり、

さらにはその数値が継続していれば、

朝方にうねりはやってくるのです。

ただ、1回だけ大きな数値を計測したとしても、

それはきっとうねりではなく、

なにかの拍子(船?)で計測値が動いた場合なので、

これは波がやってきません。

あとはうねりの進む角度で、

これは最後の三桁の数字で表されています。

今日のは190°というのがそれで、

180°が真南、270°が真西なので、

ほんのちょっと西に向いた南うねりとわかります。

ちなみにホワイトハウスの理想角度が225°、

闘牛岬は140?150°と言われていますから、

同じ「南系」でも全くといっていいほど違いますね。

各ブレイクのうねりの向きを知って、

混雑度も考えながら

(ノースハワイでは熟練サーファーばかりなのでブイ計測によってブレイクが混雑する)

自分の目指す波を決めています。

この本日の計測表だと、

4つの違ったうねりが計測されていて、

これはそれぞれ別の波なので、これもじつに興味深いのです。

ですが、これを説明するとなると、

少なくても2000字くらいの文字量が必要なので、

それはまた後日書かせていただきます。

次の表は同じものなのですが、

「有効波」と、「風波(乱暴ですが)」と書き込ませていただきました。

10秒以下の「8s」、「 7s」という計測値が見えますが、

サイズも小さいので、

このふたつのうねり群はほとんど乗られることはないと思われます。

それ以外の、表にある有効波だけに焦点を合わせると、

次に(三番目)、

0.9ft @ 20s from SSW(193°)

というのが見えます。

これは昨日やってきたうねりですね。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/23319

2ft@17sec. 197°(SSW)

うねりの高さを下げながらも強烈なうねり(昨日17秒、今日20秒)だったので、

その残波がここに残っているのでしょう。

さらには上の2枚の波写真がこの

0.9ft @ 20s」でして、

たった27cmのうねりが4mを越える波となるのは、

信じられませんが本当の話です。

それほどまでに「15秒超え」というのはモンスターなるうねりなんですね。

風が遠くで、強く、長く吹き続けないとこうはなりません。

今夏一番の間隔計測でしょうか。

冬の話ですが、

高さ17ft@17秒のうねりについて書いたコラムがあるので、

ここにリンクしておきます。

うねり高5.2mという自然の驚異波です。

それが17秒間隔…。

『vol.32 コードネーム「セブンティーン、セブンティーン」の怪物波を撮ること』

https://www.nakisurf.com/column/column-32.html

長くなりましたが、

ブイ計測についての初歩をお伝えしました。

大事なのはブイ計測をグラフで見て、

大きくなってくるのか、それとも小さくなるのか、という予想をしてください。

ずいぶん前の話ですが、ノースショアでサーフしていたときに、

セット毎に波が、しかも急激に大きくなってきました。

最初は普通に沖に逃げていたのですが、

巨大化してきて、

それでもーー幸運なことにーー喰らわないようにパドルアウトしていたら、

遙か彼方の沖にまで出てしまい、

波は怪獣クラスとなって、岸側を見ても全て泡だらけ。

どんどんと大きくなるうねりのあいだで一人取り残されていました。

最後はセットの合間に全力で岸にパドルして、

それでもやってきた波に沈められて、溺れそうになりながら戻りました。

あれは怖かったです。

なので、それからは

「上がってくるのか」

「下がってくるのか」

ということをグラフ計測で確認するようにしています。

この表は、横軸右が新しい計測、左が古いもの。

縦軸上が波のサイズで、高さと同じように上が大きく、下が小さいです。

黒がうねりの想定値

そしてそれぞれの違ううねりは別色で色分けされています。

これで波のエネルギーのピークがいつなのかがわかりますね。

風が作るものなので、

うねりは時間をかけてゆるやかに高く(大きく)なって、

そしてその頂点があって、

そこから緩やかな曲線を描いて下がっていくはずです。

以上です。

「波乗りの科学」の授業を終わります。

長い文章を読んでくださってありがとうございます。

昨日の写真から。

ノアたちのスナップ。

上は夏休みに帰省中のドミンゴで、下はクイオ・ヤング。

この2週間でクイオは急にうまくなって、

子供グループではダントツという様相を見せている。

こうして波遊びを極めながら育っていくのですね。

アフターサーフの写真で、

それぞれがどんなセッションだったかがわかります。(笑)

(お知らせ)

発売されたばかりのサーフィンライフの8月号内の

『海童』さんの”Ocean Children”広告に出演しています。

波への想い、

波乗りを通じた仕事への想いを載せて、

大好きな芋焼酎『海童』。

そのロゴをまとって掲載されるのはとっても晴れがましいので、

ここにご報告させていただきました。

このまろやか焼酎を試飲されたい方は、

千葉一ノ宮ニコリン寨に常備しておきますので、

スタッフに声をかけてくださいね。

(波乗り後、車の運転をされない方ですよ?)

https://www.nakisurf.com/showroom/

「波の上のインスピレーション」

と題してくださって、

今読みますと、

「そうです!海の上で、俺は色々なことを感じて、育ってきました」

と明言できるのです。

もしよろしければ目を通してください。

それでは今日もすばらしい日に。

もう週末ですね。

ゆっくりとニッコリと。