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naki's blog

波乗りとは、魂に閃くような炎を得る狩り_(812文字)

波がある。

波がない。

風がいい。

風が悪い。

晴れている。

雨が降っている。

朝だ。

夜だ。

満潮干潮。

うねりの角度。

波が強い。

波が弱い。

うまく乗れた。

うまく乗れなかった。

波に対しての評価を俺たちはしている。

あそこがいい、

ここはだめだ、とも。

満月と新月。

おいしいかまずいか。

高いか安いか。

温度湿度。

そんなことを考えていると、

あるとき、全てがどうでもいいことに思えてきた。

夜明け前のハイウエイを西に走らせていくと、

雨が降ってきて、そして止んで、そらは星をちらつかせていた。

雲の薄いところがオレンジに色づき、

それは加速度的に視界に色を付けた。

見渡す限り誰もいない海で、

自分だけの波を見つけ、

波の切っ先をかいくぐり、

朝陽に向かってレイルをセットすると、

一瞬だけこんな世界が拡がった。

またはこんな世界だった。

俺はこの一瞬のために全てを投げ出しているのか。

愛も、闇も、憂いや悲しみ。

極も核も、季も年も。

たった一瞬の、決してつかむことのできない獲物のために。

さまよい、惑い、探り出すように海に向かう。

哲学なのか宗教なのか。

波乗りとは、

魂に閃くような炎を得る狩り。

そう思うと、時間も車も、

食も痛みもどうでもいいことに思えてきた。

季節が変わるときには、

いつもこんなことを考える自分が出現することも知っている。

ただ違うのは、この想いをここに書いたこと。

大きな洋にひっそりと浮かぶ小さな島で、

ちっぽけな男が一瞬だけ感じたことである。

一瞬は永遠のときもあるし、

蒸気のように霧散してしまうこともある。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/26706

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みなさんのお手元に波乗り=SURFSURFSURFな気持ちが届きますように。