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本当にびっくり!!小波専用モデル『NEW Tomorrow』5’4″ x 19-1/2″ x 2-1/4″_2013年NAKIPHOTOカレンダーデザインがもうすぐ完成です_(2744文字)

NATION主宰CANVASシェイパーのライアンから

「遂に完成したよ!ボクの叡智の結集がこれ。

でも、それって自分で言ってはいけないんだよな。ハッハー」

とうれしそうなライアンから受け取ったのが、

「頭以下サイズの小波専用で、

ロングボードのブレイクでも乗れるショートボードを」

というテーマでボードデザインをしてもらったコンセプトモデル。

9月のことでした。

http://blog.nakisurf.com/naki/archives/37690

開発当時は、”The Crystal Ship”

というドアーズばりのコードネームが付けられていたが、

完成すると、

ライアンによって『NEW Tomorrow』という名がついた。

直訳すると「新しい明日」ということで、

じつに前向きな朝陽を浴びるようないい名前であります。

『ビッグトゥモロー』という雑誌があったが、

あのコンセプトは、

「キーワードはビジネスや株式、起業やライフスタイル。

成功をめざす若者を応援するマガジン」

だったのだが、

このボードコンセプトは

「膝、弱波、オンショア、子ども波で、

成功(クヌヤロ)を目指す波乗人を応援するサーフボード」

となるのだろうか。

俺の、つまり体重58kgでサーフ歴29年のスペックは、

5’4″ x 19-1/2″ x 2-1/4″

74.2本のビール缶という体積。

これをリッター換算すると、26.34CLとなり、

俺にとって少し大きめサイズとなりました。

これもライアンに”大きめに大きめに”

と耳元で囁いての”ささやきサイジング”だったのだが、

「渦浮力で」という意図がここに表れた。

でないと、

スネサイズの超小波には、

テイクオフはできないのですから当然ですね。

適正浮力を求めるのは、

ショートボーダーの性だろう。

浮力というか、

デザインにサーファーが創意工夫をしようとすると、

波乗りするたびに、

「もう少しここを厚く、いやこのあたりを薄く」

ということになるのだが、

全体的なフォルムをして良いサーフボードなのだから、

自分の気に入らないところを取り去ればいいわけでもなく、

ベテランシェイパーになると、

「ライダーのそんな意見を聞いているふりをして、

自然に他の会話に持っていく」

という技術が身につくものらしい。

さてさて、新しい朝が来たので、

「小波でも乗れる」

ことを確かめにサンオノフレに向かった。

ここはロングボード専用だと思われがちだが、

“ショートもご自由に”

という風潮の誰にでもやさしきブレイク。

逆を言うと、ショートだと波が大きくなければ、

ほとんど乗ることができないということである。

波のサイズは膝。

このニュートゥモローくんを試すには、

絶好、完璧なコンディションであります。

ご存じの人ならおわかりですが、

ここは、緩すぎるくらい切り立たないのにパシャリとブレイクする波質。

人間で言うところのこらえ性のない人みたいで、

や、パシャリとすぐにブレイクしてしまう。

スープになっても、押しも跳ねも何もなく、

割と静かでザババと泡状化して岸に寄せてくる。

きっと関西の人が見たら

“静かな波ちゃん”と名付けるに違いない。

お目当てのセット波が来た。

膝サイズ。

見たところ乗れるわけない波だが、

テイクオフに向けてしっかりと漕いでいくと、

ボードが揚力によって浮き始めた。

“よしいける!”

とばかりにテイクオフして、

“うりゃうりゃ”とクネクネ波の上を滑っていき、

ホワイトウオーター地区を2発のフローターで抜け、

そこからまた椎名誠さんではないが、

「うりゃうりゃ化」した俺は、

南隣のフォードアを越えて、

海藻チャンネル前まで乗っていってしまった。

サンオノフレ岬のピークからテイクオフしているので、

その距離は軽く200m(およそ600フィート)はあって、

膝波でここまで乗っていけるとは自分でも信じがたく、

何も言われていないのに

「もう一回言ってくれぃ!」

と叫びそうになってしまった。

波斜面がないところでもこのように走っていくのはなぜだ?

無論ジェットスキーなどは使っていない。

「クヌヤロ!」

とばかりに切り返すと、このような大量スプレイ。

見た目は激しいが、本人は至福系。

上がってきてカメラ係を交代して、

冷凍パイナップルピザを焼いた後、

「おいしいおいしい」

と一同で食べてからライアン工場に嬉しい報告に向かった。

彼を見たらうれしくなって泡を喰ってしまい、

「すごいよ!ジェットスキーがフォードアで、

600フィートでニュートゥモロー」

とわけのわからないことが口から出てきそうになったほどで、

「なぜそこまで緩斜面を走るのか?」

ということが知りたくなり、

彼に聞きながら真剣に探ってきました。

すると、このボードには、

Sデッキ、インバートヒップス、

トリプルコンケイブ内に施された隠しコンケイブ、

つまりシックスコンケイブ、

なぜか設置されていた旧式FCSプラグ、

複雑なテイルエリアを貫く、

フロウレイルロッカーなどなど、

さまざまな仕掛けが施されていて、

俺はうなった後、絶句してしまった。

「だから言ったでしょ、

ボクの叡智がこのボードに詰まっているのです」

というボクこと、ライアン・イングル。

彼はコンピュータオペレーターを

シェイプ理論と同じくらい理解し、

実践できる珍しいタイプのヤングシェイパー。

彼の奥さんのリンジーは、

『昨年のASPロングボード世界チャンピオン』

ということはあまり知られていないが事実である。

道具論はあまり好まないが、

こうして論に裏付けされている高性能を感じたからこそ、

全ての事項に対してなるほどと、

純粋にそして敬意を払って受け止めてきた。

上下の画像は、ボードの輪切りイメージで、

そのトリプルコンケイブ内にある

「内部コンケイブ」がここに表現されていた。

通常はレイル側のコンケイブを付けずに、

VEEとするのがレイルの切り替えにとってグッドニュースらしいのだが、

「相手が小波なので、か弱いパワーを受けて、

いかに速度と転化するかに着目しての結果デス!」

と胸を張って言った。

このニュートゥモローの細かい詳細図をこれから作成するので、

明日にはここでお見せいたします。

かなり驚きの詳細図となるでしょう。

先日からお伝えしているカレンダー、

もうすぐ完成です。

今回は70枚以上の作品を使って、

365日の鑑賞に耐えられるものとしました。

数字も大きく、より見やすくしたのですよ。

完成したらまたお知らせします。

お楽しみに!

そして、すばらしい週末をお迎えください。


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