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naki's blog

ショートボード論2014_(1777文字)

201401_RockyShore_2448

「ショートボードに乗らないのですか?」

そんなことを最近良く聞かれる。

しっかりと乗っています。

ただ職業柄さまざまなボードを持っているのと、

どんなボードでもどんな波でも楽しくサーフしたい、

というのがテーマとなってきた。

私の10代、20代、

そして30代とショートボード命だったので、

サンオノフレの膝波でもショートボードに乗ることはできる。

ただあの波質にレイルを入れると、

抵抗を受けて強制プルアウトさせられてしまうほどか弱い波壁。

ということで、

ふわりと乗るだけのショートボードはちょっぴりつまらない。

ささやかな斜面は、

大きめのボードで駆け下った方が楽しい。

カリフォルニアはそんな波質が多い。

波が出る予想を聞くと、

「ショートボード」に乗る自分を想い描く。

硬い斜面にノーズを落として加速していく。

ショートボードはその加速性能、

動力性能、操作性能といった“サーフボード”の機能において、

世界中で主流となっているデザインであります。

その浮力とレイルの薄さから簡単にターンすることができ、

しかも中級者からプロまでは、

このカテゴリーのマジックボードが欲しいのだろう。

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Cole Fire Blade 5’7″ Channel Bottom

ショートボードの欠点はボード浮力がないことで、

前出したように波が小さいときや、

初心者に乗るのは厳しいことだろうか。

そこで浮力を増やしたりするのだが、

あまり増やすとショートボードの機敏さが失われる。

ダックダイブ(ドルフィンスルー)もしづらくなる。

テイクオフには浮力が足りないが、

ひとたび乗ると、「余分な浮き」がないので、

操作性が高いというのも人気の原因なのだろう。

そこで「浮き」を最大限、

しかも浮きすぎないようにと調整することは可能だ。

201308_Naki_Pier_3570

私の仕事は、

サーフボードのプロデューサーでもあるので、

COLEをはじめとする各シェイパーにこういうボードが欲しい、

と伝えてきて、今年でちょうど20年となる。

じつは今前出したCOLEにカーブボール、

そしてライトニングキッカーに次ぐ、

ショートボードの新作をお願いしている。

これは、

シングルコンケイブモデルを基調として、

ボトムをVEEやインナーコンケイブでいじり、

常時波の中にあるテイルブロックを少し大きく、

そして厚みを出して、

ダブルウイングというところまで青写真はやってきている。

カスタムオーダーみたいなものだが、

カスタムモデルオーダーであります。

ただ、製品とするには実績がない。

その起伏やフォルムの組み合わせで最適を求めているが、

それが表現できているかどうかは見た目だけではわからない。

そこでファクトリーライダーやシェイパー自身、

または私のようなサーファーが乗ってテストするわけです。

201401_RockyShore_2491

もしも一本目からGoが出たとしても、

マイナーなる些細な変更は随時行われていて、

そこにはサーフボードシェイパーたちの長い間培ってきた感覚、

乗り手であるサーファーたちのフィードバックや、

ユーザーからの要望もサーフボードに入れこんでいく。

http://youtu.be/lkebfn42ZLY?list=UUL7_8TwMYxjd1Pc72u8iS7w

Cole Lightning Kicker 5’7″【動画】

ライアン・イングルのニューモデルはもっとすごい。

彼は世界中のマジックボードのアウトラインを持っているのだが、

それだけを組み合わせて、

「サーフボードのフォルムではないサーフボードを作る」

という無心の、新型モデルを作ろうとしているのが、

新進気鋭シェイパーのあるべき姿ではなかろうか。

Lamborghini Ferruccio_

もしかするとこんなフォルムになるのでしょうか?

2006_Costa rica_naki

Cole HPS 5’10”

ショートボードにはフィット感がある。

というのは、

波のサイズが上がって、

際どい場所で限界近いターンをしているのに

操作できていると錯覚してしまうところだろう。

解き放ったときの波への密着性、

特に精密な方向感覚を持つ、

スーパーサーフボードに乗れる日も近い。

スーパーサーフボードというのは、

乗り手に畏敬と欲望、

憧憬と野心を抱かせるフォルムも重要で、

そんなサーフボードに乗る日も近くなってきた夏の週末。

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これぞまさにショートボードに乗りたい波質であります。

スリルなる納涼サーフができる季節に乾杯。

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グビグビー!

 


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