新品・中古サーフボード販売、カスタムオーダー、ウェットスーツ、サーフィン用品など。NAKISURFは、プロサーファー、フォトグラファー、サーフライターで知られるNAKIのコンセプトサーフショップです。

naki's blog

バックサイドという魔物_(1837文字)

こんにちは、

いかがお過ごしですか。

8月が終わってしまいました。

こちらも夏の終わりを告げる

『レイバーデー・ウイークエンド」でして、

この週末をもって夏の特別はなくなるようだ。

サーフボード工場も落ち着きをみせてくれるだろう。

さて、波。

ハリケーン・マリーからのうねりは遠のいたのだが、

季節波というか南西うねりが残っている。

201408_naki_5964

Catchsurf “STUMP” 5’0″ Quad

これはロスアンジェルスのシークレット。

シークレットと言っても秘密にする気がないので、

場所を教えますと、ヴェニスビーチ・ピア。

なぜか無人で、すばらしい波でした。

201408_naki_6607

Cole Curveball 5’3″

マリーのほとんどが南東うねりだったので、

毎日毎日バックサイドづくし。

三崎港では「まぐろ」が有名で、

「まぐろづくし」というものも登場している。

このマリーうねりのサンクレメンテは、

「バックサイドづくし」で町おこしができそう。

ゆるきゃら「バックサイドくん」というのはいかがだろう。

あ、

グーフィースタンスの人はフロントサイドくんですね。(笑)

スクリーンショット 2014-08-27 17.09.31

私はバックサイドに特別な苦手意識はないのだが、

多くの人がバックサイドは苦手だと言う。

バックサイドとは、

波に向かって背中側のレイルをつかって進んでいく状態のことで、

レギュラーフッターならレフト波、

グーフィーフッターならライト波がそれにあたり。

その昔ジョン・ペック大先生が、

パイプラインでレイルをつかんだことが始まりで、

その愛好者を増やしているが、

いまだにフロントサイド至上主義者は多い。

1990年代になって、

バートン・リンチが

「ホームブレイクがライト波なのでバックサイドが好きだ」

と言い放ち、

ツアーのライト波で輝いた。

そしてオッキーがJベイで見せたパワーバックサイドを機に

バックサイドは脚光を浴びたのだった。

けれど、

なぜかそれから何年経ってもバックサイドはまだまだ嫌われている。

スクリーンショット 2014-08-25 10.52.44

Surf RX “THANG” 6’3″

そこで、バックサイドについてこんなコラムを書いてみた。

本当は週刊朝日にこの原稿を持ち込みするはずだったのだが、

それまで待てそうもないので、ここに初期投稿してみます。

バックサイドはかわいそうだ

 

サーファー同士の会話で、

「バックサイドはちょっと」とか、

「バックサイドじゃなければやるんだけどね」

ということを1000回くらいは聞いてきた。

バックサイドがなくなると困るのはサーファーではないのか?

バックサイドとは何ものか?

まるで魔物か邪悪なるもののようだ。

バックサイド自身はここまで嫌われて悩んだりしなかったのだろうか?

「自分探しの旅に出る」

と荷物をまとめなかったのだろうかと考えてみた。

バックサイドは夜になると、

「なぜ自分はサーフィング世界にやってきてしまったのか」

と悩んでいるに違いない。

フロントサイドとは陰と陽、昼と夜と同じように

半々の役目を担っているはずだ。

人はみなフロントサイドばかりちやほやしているので、

たまにというかいつも腹が立っているだろう。

でもたまに必要になるものなので、

「あ、バックサイドはそのへんにいてね」

というような扱いで今に至っている。

今回は高貴マコさんとトニー大谷さんに

「いやぁ、バックサイドですかぁ」

と乗る前から嫌われた。

マコさんにいたっては、

こちらが200mもの完璧なバックサイド波をご用意して

「ドーゾ!」とやっているのに、

フロントサイドに行ってしまった。

悲しい。

トニー大谷さんはいつもバックサイドというだけで、

他の場所に行ってしまう。

差別もはなはだしいのだが、

自分では何もできないのがくやしい。

けど、このマリー波は、

レギュラーフッターにとってバックサイド100%というか、

レフト波オンリーの日々だったので、

ぼくもようやく認めてもらう日が来たようだ。

マコさんは

「人生最長のバックサイドに乗りました。

やはり挑戦するというのは大事ですね」

と少し親密になり、

トニーさんに至っては

「バックサイド、思ったよりむずかしくなくなりました」

と打ち解ける方向になってきた。

ぼくは魔物でも悪霊でもなんでもなく、

普通の波なんです。

これからもバックサイドをよろしく。

おしまい。

201408_Tony_Backside_8066

そのトニー大谷さんが乗る波の上にバックサイドくんが現れていました。

backside

やはり笑顔でいい人に見えます。

私からもバックサイドくんをどうぞよろしく。

201408_SanO_1953

こちらの三連休はいつものことだが、

多くの人が浮かれているように見えます。