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[ちょっぴり特大号]初心者はソフトボードではなく、 良いサーフボードを使うべきなのでしょうか?_(3277文字)

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こんにちは、土曜日をいかがお過ごしですか。

こちらはまたオーバーヘッドクラスの南南西うねりが届き始めました。

3ft at 18s SSW (196°)

スクリーンショット 2014-09-05 18.24.42

これは今朝の満潮4.3ft波。

速度が付きすぎて、

飛んでいるような感覚になったのはひさしぶりで、

1984年だったかな、

千葉の部原というところに行って、

オーバーヘッド波に乗って、

こうなったときのことを思いだしていた。

部原スティーマーズ、みおや、

武道大学前の黒帯まで思いだしていた。

スクリーンショット 2014-09-05 18.23.12

COLE 2015 DBS 5’7″

乗り始めてちょうど波が出るとは、

運気が良いボードであります。

さてさて、本題です。

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photo by: 49film co.ltd /Yasuma Miura

何人かのお客さまから、

「サーフィンに詳しい知り合いから、

初心者のうちは変な癖がつくからソフトボードではなく、

最初はきちんとした板が良いと言われました」

「良いサーフボードを使わないと上達しない、と聞きましたがどう思いますか?」

という内容のメールをいただきました。

で、友人Sさんがシェイプボード至上主義なので、

ソフトボードについて、

彼はどう思っているのか聞いてみることにしました。

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photo by: 49film co.ltd /Yasuma Miura

「Sさん、初心者のうちは変な癖がつくからソフトボードではなく、

良いサーフボードを使わないと上達しないのですか?」

「そうは思いませんけど、

ソフトボードはシェイプボードのようなきちんとしたターンができないです」

「じゃあカラニ・ロブとかジェイミー・オブライエンはどうなるのでしょうか?」

「あの人たちは別格ですよ。なんでも乗れるんじゃないですか?」

「では、なんでも乗れるのに、なぜキャッチサーフばかり乗っているのでしょうか」

「うーん、なんででしょうね。スポンサーだからでしょうか?」

「違うんですよ。二人とも自発的に乗っていて、

それを意気に感じたキャッチサーフがスポンサーすることになりましたが、

それまではふたりとも自分で乗っていました」

「それではなんでかはわかりません」

「私が思うのはキャッチサーフの”ユルさ”が魅力だと思うのです」

「ユルさですか?」

「そうです。柔らかかったり、色が付いていたり、フィンがなかったりする点でしょうか」

「何も良いことないじゃないですか」

「あはは、そうなんですけど、あ、Sさんは野球好きでしたね」

「はい大好きです」

「これは野球のことと似ていると思うのです。普通の硬いサーフボードを硬球としたら?」

「キャッチサーフはゴムボールですね」

「そうです。ゴムボールでメジャーリーグの試合はできませんが、

子どもや初心者に野球を楽しんでもらおうとしたときに

”ゴムボールはだめだ、硬球じゃないといけない”と経験者が言うでしょうか?」

「自分は甲子園出場を目指して野球をしていたのですが、反発とかは硬球と木製バットが正しいです。

だから松井秀喜さんは高校時代から練習には木製バットを使っていたという話を聞いたことがあります」

「それです!それが硬いボードを初心者に勧める元凶なのです」

「どうしてですか?」

「確かに野球で一流になるには、子どものときから硬球で木製バットとされていますが、

野球人口のいったい何人がその一流を目指しているのですか?」

「うーん、そう言われてしまうと…」

「でしょ。カラニに”なぜキャッチサーフシリーズに乗っているの?”

と聞いたときにさすがだなと思ったことがあるのです」

「それは?」

「カラニは言うには、今サーフィングは佳境を迎えている。

存在しているのは”プロのように上手になりたい派”と、

”サーフをしているふりをしている派”のふたつだろうと」

「極端ですね」

「極端ではないと思います。私も同意見ですから」

「それで?」

「そうです。カラニは、

”その他に『自分の時間を海で楽しく安全に正しく遊びたい派』も多くいるはずだろう。

でも現在のサーフィン業界はその門派がなかったのに、

その大きな門を作ったキャッチサーフ社はたいしたものだよ。

思うまま乗れるし、ソフトボードではダントツに調子良いよね。

でね、このすばらしいムーブメントを広めるのが、

コンテストを終えた自分の役目だと感じたんだ”と言うのです」

「すごいですね。さすがだなぁ」

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photo by: 49film co.ltd /Yasuma Miura

「そうなのです。硬球の本気野球もいいのですが、

あんな硬いのが顔にぶつかれば鼻を骨折とかしますよね」

「自分の前歯は全部ボールで折れてしまったのでサシバです」

「でしょ、そこまで本気ではない野球好きな人もいるでしょ。

サーフィングも同じです。覚悟を決めて大波に挑戦するサーファーもいますし、

コンテストやメディアで注目されたいという人もいます。

しかし、家族で楽しみたい、友だちと一緒に乗りたいとか、

ターンを決めなくても海で遊びたい、

しかも安全に楽しく、という派が隠れて存在していたのです。

今までは彼らも表に出られなかったのです」

「なるほど、自分などは本気タイプなので、

ちゃんとターンできないボードでサーフしてはいけないと思っていました」

「そうではない人もたくさんいます。

自分もちゃんとターンができるに越したことがありませんが、

それよりも柔らかかったり、ユルイこともいいなと思い始めています」

「ターンの始まりが遅れたりしませんか?」

「もちろんします。でもそれがディレイターンと言ってまたいいのですよ。

でもキャッチサーフはトリプルストリンガーとか、

あえて重量を出していたり、バランスが良いので慣れるとかなりのものですよ。

今度はサーフボードを車に例えてもいいですか?」

「はい」

「プレミアムシェイプのサーフボードをフェラーリとかレクサスだとするじゃないですか、

キャッチサーフシリーズを車に例えるとなんでしょうか?」

「オモチャの車、あとゴーカートとかでしょうか」

「そうです。ひとまずゴーカートとしてみましょう。

キャッチサーフでも車でいうとことろのブレーキやアクセルは揃っていますよね、

車社会と違うところは、サーフボードの加速性能とかターンの斬れ味がなくても、

それはみんなで一列で波に乗るわけではありませんし、

サーフィンですから他人に迷惑をかけなければ良いのではないでしょうか?

何度も言っていますが、柔らかいので当たっても大けがしませんし」

「そういえば、このあいだジョー兒玉さんが、

あの日(*注)、カミソリアッパーカットを喰らって、

レイルが股のあいだに直撃したそうで、

もしキャッチサーフでなくシェイプボードだったら○○無しになったかもと言っていました」

「そうです。それです。痛い思いや怪我をして止めてしまったサーファーは多いです。

もしキャッチサーフがサーフボードの主流になったらサーフブレイクは安全になると思いませんか?」

「そうですね」

「実際私もバレルの中でボードが当たったことが何度もあるのですが、

あれは怖いです。巻かれている泡の中から突然ぶち当たってくるのです。

キャッチサーフでも何度もぶつかっていますが、ボテ、ドカ、という程度です」

「そうなんです。やっとわかりました。

要は楽しくサーフしたい人のムーブメントだから、違う派の人は容認すべきだということですね」

「はい、しかもやさしく楽しく、サーフ業界にとってもすばらしいムーブメントだと思います。

だからこそ私も楽しみながらそちら側のサーファーたちを応援しているのです」

「なるほど、ぼくもこれからは応援組です。今日は話してみてよかったです」

めでたしめでたし、と話は終わりました。

話を聞いてくれてありがとうございます。

(*注:ジョー兒玉さんのカミソリアッパーカット波はこちらです↓)

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/55725

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写真を撮る人も安全、周りも安全の楽しきキャッチサーフ流。

十分普及しているけど、もっと普及するといいなあ。

 

 


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