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278°のマジカルチャーチ_7フィートシングルフィンのグラッシング日_葛飾北斎_(1455文字)

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こんにちは、いかがお過ごしですか。

西から低気圧が通過中のようですね。

お気をつけて暖かくお過ごしください。

こちらはしっかりとした西うねりが届いている。

ブイを見ると、”3ft at 14s W (278°)”とあって、

278度はチャーチが良かったことを思いだし、

迷わず行ってみると、

軽くオーバーヘッドのセットが来ていた。

しかもたった8人。

チャーチはパワフルなブレイクではないので、

ショートボード(ボンザー)ではなく、

重たいシングルフィンを持っていったらこれが大正解。

岬の先端から8番ライフガードタワーまで、

しかもダブルアップする300m越えの夢波に乗ることができた。

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ここまでのパーフェクションは珍しい。

普段のチャーチ岬は、

やたらと混んでいるので寄りつかないのだが、

干潮ならばサーファーたちは散らばって、

スペースができるはずだという予想が当たった。

サーファーズ・ジャーナル誌のショーン・パーキンスと一緒だったので、

1本大セットを彼とシェアして、

忘れられない波壁の記憶が残るセッションとなった。

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今朝のアート”Eagle Peace”。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/60309

さて、先週ライアンがこのチャーチと、

トレッスルズ用に削ってくれた7フィートシングルフィン。

DSC_3540

いよいよグラッシング(ラミネート)です。

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デイブ・ネイラーがクロスを切ってくれた。

重たいボードとしたいので、

6オンスのボランクロスを選択。

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そのクロスに顔料でペリカンアートを描くというか、

にじませた。

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そこにデイブが『アクア』ティントを施していくと、

それはおいしそうな色となった。

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にじむことがティントの美しさです。

ジーンズのクラッシュ仕様と外見は似ている気がします。

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ボトム面が完成!

さすがデイブ、感動的な仕上がりです。

次はデッキ側。

明日もNATIONファクトリーに行こう。

Shichiri_beach_in_Sagami_province

今年になってからずっとアートに没頭している。

眠らずに描いているときもある。

で、昨夜、

葛飾北斎のいくつかの作品を発見して瞠目も瞑目もしてしまった。

天才の1000乗。

葛飾北斎=江戸時代の浮世絵師。

私が一番好きなのは、

10図からなる千絵の海シリーズの 『総州銚子』。

Hokusai_1760-1849_Ocean_waves

母親が銚子出身で、

私自身も幼稚園まで住んでいて、

父親と舟釣りに行ったときに荒波を受け転覆しそうになった。

その記憶とこの画のダイナミックさが一致して、

ずっと惹かれ続けているのがその理由であります。

北斎は『冨嶽三十六景(1831)』頃から改号していて、

読みづらいが落款は「前北斎為一筆」となっている。

この号を譲られた弟子の露木為一は、

「北斎先生に入門して長く画を書いているが、まだ自在に描けない」

と嘆くと、北斎の娘阿栄が笑って、

「父は子供の時から80幾つになるまで毎日描いているけれど、

この前なんか腕組みしたかと思うと、

猫一匹すら描けねえと、涙ながして嘆いてるんだ。

何事も自分が及ばないと自棄になる時が上達する時」

と北斎の横で為一に言ったという。

これには全く同感で、

波乗りも同じようなときがあり、

思いのままに乗れるときがあれば、

どうにもならずに涙を流したい日もある。

その時が上達の時期だと知って、

フィーリングの起伏は、

これからの人生の指針になるとわかった日。

Enoshima_in_the_Sagami_province

今から180年以上前の江ノ島。

橋が架かっていなかったのですね。

けれどこうして人々は渡島していたのですから、

干潮の時に砂利や小石を敷き詰めたのであろうか?