新品・中古サーフボード販売、カスタムオーダー、ウェットスーツ、サーフィン用品など。NAKISURFは、プロサーファー、フォトグラファー、サーフライターで知られるNAKIのコンセプトサーフショップです。

naki's blog

【テクニック編】初心者が波を待つ位置と意識_その具体的な実践法_(3215文字)

NAKIさん_0011

©photo by Yasuma Miura

DCIM100GOPROG0359279.

【テクニック編】

今日は短い期間で波乗りが上手になりたい初心者ー中級者が波を待つ場所、

そしてその意識について書いてみます。

まずは月曜日のポスト『波を待つ場所の徹底解説』をご覧になってください。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/61734

2014_sanOReef_2217

次に上の画像で色が付いていない、

海の青色の場所を確認してください。

そこは深い海底で、波が崩れづらい場所となっています。

今日はここをブルーゾーンと呼ぶことにします。

簡単に言いますと、

初心者の人はこのブルーゾーンで波を待てば、

波を喰らったり、

または他のサーファーと接触しずらい割と安全な場所であります。

そういう理由からもわかるように波に乗ることはむずかしい場所。

けれど、

このブルーゾーンで波を待っている初心者の人が多いということです。

ここで前置きしておきますが、

これからの内容は、

もしあなたが余暇のサーフィングを楽しまれていて、

海に浮いているのが楽しい、

沖の雰囲気が好きなので、

別に波に乗らないでもいいという方のためではありません。

しん(真、芯、進、深)の波乗りをされたい方、

そして自分のための上達時間を遠回りしたくない、

そして、

波乗りの深さとすばらしさを早く知りたい方に向けたレクチャーとなっております。

ここで話を海に戻します。

初心者の人はパドリング能力、

そして体力的にも上級者には劣っています。

なので、

「波待ちの位置は、それぞれのレベルに合わせた場所がある」

そう考えました。

波のブレイクスタイルひとつをとってみても千差万別の波があります。

例えば、速くブレイクし、さらにはトップボトムといって、

波先が海面に直接炸裂するパワフルな波は、

初心者には必要ないと思います。

できたら波先が波の中腹くらいで崩れ、

それが長く続く波が最良だと思います。

ここサンオノフレがまさしくその波質です。

なので、ここには初心者の方がたくさんいるのですが、

本来ならそれぞれの目的のために波に乗るゾーンを分けたら良いと思うのです。

上級者はこのエリア、中級者はここ、

そして初心者はここで、そんな基本線です。

もしそれが実現したら波乗り世界は飛躍的進化を遂げると思うのです。

ただ、ご存じにように現在は全てのレベルの人たちが混在している状況で、

私たち上級者は、

初心者の人たちをうまく避けながら

次のセクションにどのようにつなげられるかを考え、実践しています。

初心者の人が上級者の位置で波を待っていても、

1.パドル力がないので、そのラインから波に乗れない

2.ピーク位置がわからないので波に乗れない

3.上手な人が横から乗っていくので波に乗れない

4.深いので波数が少ない。よって波に乗れない

5.みんなが集まっているので波に乗れない

ざっと挙げただけでも5つの「波に乗れない」が存在してしまうのです。

逆にここの利点は、

イ.波が来ないので体が楽

ロ.人が周りにいるので安心

ハ.疲れないのでサーフィンしている時間が増える

(=満足度は消費時間に比例すると考えている)

でもこのイロハは本当に利点なのでしょうか?

サーフィングは本来とてもフィジカルなもので、

二日酔いで、そしてタバコを吸いながらできるものでしょうか?

全身運動で、10分もしたらヘトヘトになるものでした。

その鍛錬を続けることによって強い肉体と体力を得て、

精神的にもたくましくなるものではなかったのではないでしょうか。

逆にこのブルーゾーンを使う、

または知ったことによって、

体を動かさない時間が増え、

それによって体は休まり、

波乗り時間が増やすことができ、

それを経験値だと信じているサーファーが多い気がします。

「3時間やったから満足」

そんな満足度です。

波が小さい日に沖にさえ出てしまえば、

ブルーゾーンで休んでいられるから体力はそこまで必要はない。

もし、自分にとって少しでもきつい波ならば、

場所を移動して、

普段やっているような小波スポットを探す。

ここでは小波がいけないと言っているわけではなく、

体力的に攻めずに沖に逃げてしまうサーファーに向けての話です。

インサイドにいたら波はバンバンくるし、

ボードはあっちに向いたりこっちに向いたりと大変なことです。

波から外れたら、一漕ぎ一漕ぎ真剣に深く強くパドルして、

挙動も体幹をも引き締めて、

真剣に沖を目指さないと立ち向かえない。

そんな試練が待っています。

けれど、それを乗り越えたら良い波がありますし、

終わった後は体力的、

精神的にも強靱になっているはずです。

なので、普段の小波、

そしてこういう初心者スポットでもその挑戦系の波乗りをしてみましょう。

というのが今日のレクチャーの主旨であります。

201410_SanO_3400

[基本]

ブルーゾーンには15分に一度、それも時間を決めて3分程度しかいないようにする。

その他は常にリーフや浅瀬の中にいて、

ほぼ全ての波が乗れるように波を待つ。

30−45分したらとても疲れるはずです。

その時は浜に一度上がってください。

上がる際にもショアブレイク越え等の試練がありますので、

ここでサーフボードの取り回しや流れに対しての修練ができます。

何よりも一度上がって自分が乗っていた波を見てみるということはとても重要で、

これによって、

入る前の自分とその後の自分とのすり合わせができます。

海に入る前にあそこでああいう風に波を待って、

できていたかそうでなかったか、

または普段からこういうことを復習(もちろん予習というか、作戦も必要)

するようにすると波乗り術は飛躍的に高まります。

上がって確認を終えて休んだらまた入って同様なことをします。

とにかく来た波に乗りましょう。

乗ったら乗っていけるだけ行きます。

距離が重要です。

目標としてはフィンが砂に付く寸前、

浅いリーフだったらその手前まで乗って行きましょう。

そこからすぐに自分がいた位置まで戻っていきます。

じつはこれ、はっきり言って猛烈に大変です。

オーバーヘッド波があるときと同じような頻度で波がバリバリやってきて、

それが過ぎてまた波群が来る中をしっかりと体幹を使って、

グラリともしないようにしっかりと力強く、

重いトルクでパドリングして波を越える、

または波の下に潜って、

沖に出るために何本何十本の波に肉体的にも、

もちろん精神的にはくじけることなく向かいます。

それでブルーゾーン手前まで戻って来たら、

泡波でもどんな波でも間髪を入れずにまた波に乗るのです。

その繰り返しを実行してみましょう。

30分もしたら、

いつもの1日分以上の波距離が乗れているはずです。

そして何よりも周りに誰もいないはず(そんなことをしている人は少ない)ですし、

たくさん波に乗ることができるだけではなく、

あなたのパドリング、取り回し、テイクオフの正確性、

そしてゲッティングアウト能力が段違いで上達していきます。

短距離走みたいに息を切らしてもかまいません。

そんな波乗りを始めてみてください。

基本的なサーフィング力が一気に上がるはずです。

でもこれはやってみるとわかるのですが、

簡単にできません。

普段から体のコンディション作りをして、

それで意識を持ってしっかりとやれば、

少しずつ変化が起きてきます。

これを10回(一日2、3回)やるだけで、

つまり週一回の波乗りでも1ヶ月経てば、

ご自身最大の波の日に迷わず向かえる能力が身についています。

そうしてさらに自分のリミットを徐々に上げていけば、

数年するとすばらしい波に乗ることができるでしょう。

サーフトリップに行ったときに、

グレイトウエイブが来ているときにも尻込みせずに済み、

本当の意味でのグッドサーファーに近づいていきます。

今日は膝波でも弱波でもできる真剣トレーニングと、

メンタルトレーニングの実践方法でした。

それではまた明日ここでお会いしましょう!

Keep on Surfing!!