インスタグラムのフィーダーでこのエアを見て驚いた。
というのは、
この角度で入射されているのを見たことがなかったからだ。
簡単に言うと斜め回転のトラックが付いている。
Noah’s Tornado Air /Cole Loose Cannon
ノーグラブで、しかもノア。
そんな興奮と共にゆっくりと見ていた。
ノアは小さい頃から友だちと誘い合ってはコンテストには出ていたのだが、
大事なところでその友だちに波を譲ってしまって勝てなかったり、
スケートボードでも同じで、
あまり競うこととが好きではないというか、
そういう感覚を持ち合わせていないようだった。
勉強でもなんでも親や先生がけしかけるより、
自分が興味を持ったものは深いレベルで学習していた。
先日、「サーフ自由主義」というコラムをBlue誌に書いた。
要はオルタナティヴサーフの概要というか思想のことなんだけど、
それをまとめると、
「競争しないで協奏しよう」
そんな大切なことが表現できたと思う。
最近はこのヤタくんことYaan Pessinoの音楽に夢中で、
新しいアルバムのサンプル版を聴いたら、
その音に感動したということはここに書いている。
以来、車の中で、食事中、仕事中、
さらには寝ながらも聴いているので、
そろそろ体にメロディがしみこんできた。
ユルイ音とユルイ波乗りがマッチするように、
ユルイ生き方をしているヤーンは、
誰とも競争することなく生きている。
ずっと車中生活をしているので、
ヒッピーだと思っていたら大富豪の孫だとかそんな噂も聞いた。
彼はこの生活を選んでしているということで、さらに感銘を受けた。
音楽も自分流を貫き、
そのペソズサウンドは全曲につながるユル思想だと思っている。
波乗りもそう。
競争しなくなったら、
どんなボードでも楽しくなった。
人との競争のためにこのボードで、
この浮力でないとボードの返りが悪いとか、
または波との対峙で、
このボードでないとうまく乗ることができないとか、
そんな呪縛から逃れられつつある。
20代はコンテストに明け暮れ、
全ては競争で、
意味のないジャンケンでさえどうしても勝ちたかった。
でも人生をかけたような競争に負けるときも多々あって、
そんなときは3日間くらい力が抜けてしまって、
人生の大切な時間を失意に満たしていたこともある。
競争の表裏一体のしくみを知らなかったのか、
または本能的に好んでいたのかは今もわからない。
このピックアップトラックの良さは競わない、
ということに惹かれているのだろう。
photo by Yasuma Miura
キャッチサーフも同様な理由で大好きなのであります。
元世界ランカーのカラニ・ロブでさえこの通りの力の抜き方であります。
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今日になって突然メールが増えたと思ったら、
大きなウエブマガジン『theinertia』が私の特集をしているという。
その記事を書いたのはマックスだった。
http://www.theinertia.com/surf/spread-love-for-the-ocean-a-nakimentary/
NAKIMENTARY from Terasu on Vimeo.
彼の視点の私。
ここでも競争していない私がいた。
よし、競争社会から抜け出せたようで、
できたらこのままヤーンのように生きていたいと酔った頭は考えている。
のんびりといきましょう。
早すぎたら待っていますし、
こちらが遅かったら待っていてくださいね。
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