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The Pesos at Dana Point_11年前のフォード・アーチボルド_フィルム時代の波作品「 遙か遠くまで行って乗る波」_(2552文字)

私は音楽が好きだが、演奏者ではない。

ただ縁あって、ペソズのライブに2日間同行して、

彼らの発している、伝えようとしているメッセージを受け取ろうとしていた。

これは今回のツアーで一番気に入った作品である。

前置きしたいのが、メンバー全員がとても疲れていた。

前日ダナポイントでの長いライブを終え、

コスタメサ経由でロスアンジェルスにやってきたメンバーたち。

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彼らは決して有名ではないが夢がある。

「音楽を続けていたい」

「自分たちの音楽を多くの人に聴いてもらいたい」

それだけの夢。

けれどその夢はある意味で壮大である。

なぜなら仕事にしようというのだから、この道は険しい。

この夜は報酬があったのだが、

それはほんの些細なもので、

例えばここまで来るガソリン代にしか満たない額だった。

ただ、そのおかげで自分たちが創った音を奏でられる。

集まってくれた人に演奏できる。

それぞれの人生の、夢が詰まった晴れ舞台。

しかしこの待ち時間の写真は、

そのメンバーたちの持つわびしさと、現実を切り取っていた。

しかし彼らは夢という燃料が尽きるまで、

荒れようが落ちぶれようが這っていくのだろう。

そのライブ日、初日のダナポイントの様子の画像を見てみよう。

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2015.4.22 / 21:32

Dana Point, Califonia

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The Rib Joint Live

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Joey Bonano

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Tayler and Tarek Wegener

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”リブジョイント”という名前の通り、

ドライスタイルスペアリブの店で、それはおいしそうだった。

かぶりついているのは、

翌日LAで女装してペソズの前座を務めるDMティナ。

ライブに出演するということは、

こうして他の人のライブにも来るというのが慣習なのだろう。

ここダナポイントはサンクレメンテの隣にあり、

ソルトクリークやドヒニー、グラブルズという名ブレイクを擁する街。

なのでこのライブには、名サーファーたちが多く集まっていた。

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サム・シェイファーとブレーク(右)

このブレークは先日、私に大切なマジックフィッシュを貸してくれた青年で、

訳あって無名だが、その波乗りはタイラーやクリスチャンクラスと誰もが認める腕前。

彼の母がサーフィング歴史館で働いていることもあり、

「それら歴史あるボードのテンプレートは全て所有している」

というサーフィングマニア。

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左からダニエル、ジョー、ノアのダナポイントサーファーズ。

彼らとはソルトクリーク、グラブルズ、

そしてサンオノフレで一緒にサーフしている。

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総帥とトゥモローズ・チューリップス(TOMORROW TULIPS)を組む

フォーちゃんことフォード・アーチボルドも来ていた。

彼は”勝手にMC”をしたりと、ペソズライブを盛り上げていた。

驚いたのが、彼の追っかけが多かったこと。

聞いてみると、

トゥモローズ・チューリップスはヨーロッパ等でブレイクしていて、

チケットはすぐにソールドアウトして買えないのだという。

とすると、フォードは夢をつかみかけているのですね。

フォードのことは小学生のときから知っていて、

彼のお父さん(マット)と一緒に種子島やコスタリカに行っている。

2004_Ford_ARCHBOLD

これは種子島のホテルの前ですね。

もうこのホテルも営業していないと聞いた。

matt+ford escn wave6663

これはコスタリカのカリチェ岬。

満潮なので釣りをしようということで竿を持っているのですね。

フォードは身長2mくらいになっているものだから、

私の最近はいつものことだけど、時の移ろいを感じてしまう。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/column/column-17

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そのトゥモローズ・チューリップスとよく一緒にいるテレック・ウエグナーが、

このツアーでのオープニング(前座)。

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ものすごいギタリストだが、

全くと言っていいほど売れていない。

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曲目を伝票に書き出すヤーン。

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ヤーンのギター、いいです。

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音楽人生ブラッドフォードの年代もののギター各種。

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ジョーイのベース。

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カリスマであり、その音楽性は全員が認めるヤーン(ヤタくん)。

音楽に詳しいブラッドフォードをして、

「ヤーンは唯一無二の音楽天才」と言う。

先日は、ヤーンがスラスラと20曲連続で作詞作曲したそうで、

しかも全てが良い曲でさらにはオリジナル。

それらは全くの思いつきと勢いだという冗談みたいな本当の話。

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“The Pesos”

Brenda Seapea, Joey Bonano, Bradford Walters,Yaan Pessino.

先日のサンディエゴライブで、

オリジナルメンバーのウエスが仮脱退しているので、

その代役ベースをするシーピー。

アンコール曲は無名過ぎる名曲『CUMDOWN』。

夢から覚めていく我が人生をヤーンが地で唄うからこその、

響きと重み、そして輝きがあると思う。

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ライブが終わった後は、

ヤーンがDJをしていたのだが、

聴いたことのない名曲がずらりとかかっていたので、

多くの人がそれを楽しみにずっといたのが印象的だった。

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天才ヤーンの笑顔に癒され、そして楽しかった夜。

翌日のLAライブの模様はこちらにポストしてあります。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/62723

フォードの写真を探していたら、

12年前の作品が出てきた。

しかもマミヤ67というミディアムフォーマット、

富士フイルムの試作フィルムフォーティアで撮ったものだった。

大きなカメラは大きなフィルムを使う。

確か220(長さだと思う)を使っても、15枚くらいしか撮れなかった記憶がある。

光度計を使って光を知り、絞りからシャッタースピード、

そしてフォーカスリングを回して、ガシャリと一枚だけ撮る愉楽。

今はデジタルなので、撮ろうと思えば一万枚だって撮れるのだから、

これまたすごい時代であります。

2003_Deepers

この波はフィジーに浮かぶマトゥク島。

しかもまだ誰もサーフしたことがないという未踏波。

ほぼトンガの横にあり、

不思議なのが、

この島にある全てのブレイクが一癖も二癖もあり、

一番素直な波質だったのがこのディーパーズ。

「 遙か遠くまで行って乗る波」

私はそんな夢を見ていた時代でした。

どうぞすばらしいGWをお過ごしください。


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