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[テクニック編]テイクオフするときに左右の人は見なくていい?_(3090文字)

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Corey Colapint and Christian Wach @San Clemente South

お待たせしました、テクニック編です。

本日のお題は、

「テイクオフするときに左右の人は見なくていいのですか?」

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Tyler Warren’s Bonzer 5’5″

結論を先に言いますと、

全てテイクオフする前に把握しておきます。

詳しく書くと、

まずは波待ちのときに周りのサーファーのパドリング力、

つまりテイクオフ力、そして波取りの傾向を見ましょう。

例えば、

グラグラしたパドリングをしている人→白

波が来てもあまりピークに寄ったりせずにそのまま岸に向かってパドリングする人→白

波待ちの姿勢よく、パドリングも上手で、波の良い位置を知っているが、順番も考えているグレイトサーファー→青

とにかく波が来ると真っ先に乗ろうとする。または乗っていく人→黄色

自分のボードよりもあきらかに浮力があるボードで波に対しての反応が多い人→黄色

波に対してどん欲な人→黄色

権威、または位が高いようで、やけに威圧感がある人→レッド

怒っている人→レッド

.

こうして周りのサーファーを色分けしていきます。

黄色が多いときは気をつけたり、またはピークを移ったりします。

レッドは危険ですし、楽しくなくなる怖れがあるので、

すぐにその場所から移動された方がいいと思います。

またはその赤の人のラインから外れる、インサイドに行く等です。

ご自分がきちんとテイクオフできるのでしたら

白と同じタイミングで波に乗ることはないので問題ありませんが、

逆に進行方向に白の人がいたら接触することもあるので、距離を取ることも大切です。

例えば白の人がスープに飛ばされて、

ボードを離したりすれば波の中からボードが飛んできます。

または波が崩れるときに一緒に滑下してくるときもあります。

そんなときはすかさず逆方向にターンしていきます。

自分が優先だとかルールに沿って圧力をかけても、

そういうことができないから白なわけですから、

飛んできたボードで大けがをするかもしれません。

「君人危うきに近寄らず」です。

(教養がある人は、危険なところには近づかない、という意 )

危険を避けて、逆方向に行ったときにも人がいるような場所もありますが、

そんなときは混みすぎでライディングに対してのプレッシャーが高いので、

一度上がり、少し歩いてでも人の少ないところを探しましょう。

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まとめますと、

テイクオフする前に波の詳細を見て、

波のピークだったり、セクションの際(きわ)に移動していくわけですが、

それと同時に白はどこか、

青の人はどう動いたのか、

黄はどこにいるのかを見ていきます。

青の人が同じ波に、同じ方向に来るようでしたら、

すぐにやめることです。

青の人はあなたが止めてくれたことは覚えているので、逆になったときは同様に止めてくれます。

これが競争でなく協奏とされるしん(真、心、芯、信、神、深)のサーフィング術のはじまりです。

これは青同士でないとわからないことですが、

フィッシュゴッドや私たちは、

この色違いの人のことを「他宗教なので仕方がない(笑)」と思っています。

とするとブルーの人はフィッシュゴッド教、

またはウナクネ教かもしれません。

さてさて、

今度はテイクオフする付近の位置を見て、

他のサーファーと重ならないように、

そして進行方向も見て、

ラインはクリアーしているのか、そうでないかを確認していきます。

黄色が同方向に来る、

または障害となるものがライディングラインに重なっているときはイエロー。

複数となれば赤信号。

最後は、立ち上がる前に横に、

同じ波に何色が乗ってくるかを知っておきます。

白は同じテイクオフラインから乗れないから気にされないで大丈夫です。

黄色がどうなっているのかが重要です。

黄色の人がいなければ、

ライディングラインを決定し、そしてテイクオフに集中しましょう。

もしいたら、

その黄色の人がどうするかを視界の中に入れておきましょう。

やめるのは後半でいいです。

なぜなら、その黄色の人が

1.波の形が気に入らない

2.ライディングラインに誰か、または障害物がある

3.パドリングに数度失敗した

4.奧に他の黄色がいた(または白が気になった)

そんな理由で止めるかもしれません。

やめなければ、さっとテイル重心にして、

COOLにストールして、次にやってくる波に目を移すのです。

もし次に乗れそうな波がきて、

あなたと同様の人がいたらこれもあきらめます。

理由は「波に追いかけた」というのは順番を一度失っているので、

これで次の波に誰もいなければ良いのですが、

他に人がいるのにそこからボードを返して波を得てしまうのは、

品がない行為(イエロー)とされています。

お気をつけください。

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ラインナップに戻ったら、色分けを繰り返すのです。

そうしていくと、人はいるけど乗り放題のときもあります。

そんなときは青の定義を知りながらわきまえて、

どん欲にならずに良い波を良い場所から乗っていけば青初段ですね。

すでに初段の人は二段、そしてさらなるレベルを目指してください。

最後に、これら総合的なことをふまえて、

『テイクオフするときに左右の人は見なくていい』と書いたのです。

逆に言うと、波に乗るまでは、

周りの詳細をこのように把握しておくべきで、実際に私たちはそうしています。

私の場合は色でなくて10点満点のスコアで把握しています。

赤は10点であの人は6点黄色等々。

白はクリアーとしてあまり気にしないようにして、

青は「マスター」と思って、心の中で尊敬しています。

青の人は話す機会があれば話したいですし、

マスターたちがピークを分かち合うセッションが大好きです。

(おまけ)

こちらではものすごい混んでいるピークもあります。

例えばこのローワー・トレッスルズ。

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ここは南西うねりの有名ブレイクで、

さらにはブランド品みたいなブレイクなので、

闇鍋みたいになっています。

私もこういうときにここでサーフしたことがありますが、

ピークの芯(30cmくらい)に入ったら、

前方の人たちをかき分けて、

そしてテイクオフしていきます。

人が乗ってくるのは当たり前で、

その人のラインをさけながらマニューバー(=ライディングラインのこと)を描いていきます。

けれど、こういう場所はほぼ全員がストレスを感じていますし、

このようなサーフィングを例えるのなら、

それは「満員電車に押し込まれて、先端車両から最後尾まで人をかき分けて進んでいく」

(実際そんなことはできないのを知っていますが)

のようなものでしょうか。

とにかく精神的にかなりめげます。

そんなこともあり、私の最近は、

そういうブレイクには行かずに、幸せで、

緩いサーフを愛するようになったという経緯もあります。

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これはダナポイントのドヒニー。

とにもかくにも、こうなってしまったら、

色分けとかそういうことではなく、

さらに言うと普通にサーフできる環境ではないので、

他の場所を探した方がいいです。

食べもの屋さんと違って、

混んでいるから=良い波ということではありません。

混むのはたいてい

イ. 波情報が高評価を付けている

ロ. 前でイベントをやっている。または駐車場等の利便性が良い

ハ. そこでしか波がない

二. 季節と曜日、そして時間がいい。

そんなことでしょう。

「ハ、二」の場合で上の写真のようなときは、

その時間はサーフしないで、横でパドリングの練習をしたりするといいですよ。

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Noah Funaki

Cole Loose Cannon

それではこれでみなさんが少しでもハッピーサーフィングの時間が多くなりますように!