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naki's blog

サーフ愛の果てにある波に乗ることについて_ノースタイガー&南東うねり_(1892文字)

 

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North Tiger, Chiba

波に乗ることが猛烈に好きなのだが、

こうして波がずっとあると、とっくに四十九歳の体力が尽きてしまっているのがわかる。

夕食を食べ終わるころになると、重力が10倍くらいに感じ、

よたよたとベッドまでたどりつくと、この世界の幕は閉じ、そして一瞬で朝になっている。

熟睡しているはずだが、この数十年は疲れなどは取れたことはなく、

朝になってもずしりと重い身体があり、背中は鉄板を入れたように硬くなり、

なんとか立ち上がって水を飲んで、空を見ると夜明けが近い色になっている。

また波はあるのだろうから海に向かう。

波に乗ることを毎日するというのは、

「好き」とか「愛」を超越した何かが存在しているのだと思う。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/64347

2ラウンド合計の9時間強サーフを湘南でし、

それから千葉に来て、夜明けと日没時間の2ラウンド。

翌日も夜明けからサーフし、今日も明日も波に乗る。

こうして私は32年間ほぼ毎日波に乗ってきた。

それは執念でもあり、気合いも根性も必要で、

何が自分をここまで波乗りに駆り立てるのかがわからぬが、

海に向かい、いつものように「怪我をしませんように」

「海に波に、全てのことにありがとう」そんな祈りの中パドルアウトする。

どんなものでも長く続けると見えてくるものがある。

「石の上にも3年」

「10年で一人前」

「武術一万日」

そんなことで語れる世界。

最初は好きで、そして憧れとなり、それが病みつきとなり、

さらには執念や根性を通り越して愛となり、今では人生そのものになったとすら思える。

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さて、千葉ノースタイガー。

ここは北東浪見。

昨日蛸操さんのご長男とセンドーでお会いしたが、

蛸さんは東浪見にいらっしゃるレジェンドプロサーファーである。

夷隅にサーフボード工場を構えられていて、

私がサーフィングを始めた当初は、この工場員になるのは、

プロサーファーの一歩手前であり、千葉サーファーのあこがれであった。

蛸さんというお名前を聞くだけで、

サーフィンクラッシック誌の松部編を今でも思い出す。

ビッグウエイバーであり、真のローカル、つまり心の大きな人であります。

ーー業界のならわしなのだがーー

通常は良い波のブレイクやスポット(アメリカではポイントとは言わない)の名前を公表しないので、

私はここを勝手にノースタイガーと呼ぶようになった。

その太東側の小堤防をノースジェッティとし、

サンライズとを隔てる大堤防をサウスジェッティと勝手に命名し、

ここの波の良さをマーケティングとし、それが広まりつつあることがうれしい日々。

(良い波はみんなで楽しく乗りましょう)

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Nation Ryan Engle’s Sonic Boom 5’7″

そのノースタイガーの波を愛するはぎうだ。

彼はNAKISURFでボードの検品、オーダー受理、

発送やその他を担当しているいわゆる守備側の人であります。

彼のニコリンサーフ愛は、あふれるものがあり、

明るく、清潔で真面目な好青年だから、誰からも好かれるというのもよくわかる。

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彼は健康なのと、

波乗りに対しての想いが彼を海に駆り立てているのだろう。

波乗り人生ストーリーだと、彼の今はどの章にいるのだろうか。

そう考えると、彼もまた私たちと同じ路を歩んでいるのだろう。

いつまでも楽しく波に乗り続けて欲しい。

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寝ているときに汗を受けたTシャツとトランクスで海に入ることを「サーフウオッシュ」と呼んでいる。

濡れたものを潮のまま絞って、夏の天日に干して、また着ると、

塩の粉がそこに浮いていて、そんなこともうれしい。

もっと言うと、どこかについた砂も好きだし、ワックスのついた裾とか袖までもにニヤリとする。

それは「サーフ愛」の一部なのだろう。

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この南東うねりでノースジェッティからセンターに乗っていくというのは、

斜めに波が来るということ。

こうして波のショルダーがどんどん開いていって、

岸に近づくというより、真横に乗っていけるので、

永遠に波に乗っていけるような感覚となる。

実際には岸に近づいているのと、巨大なサウスジェッティが迫ってくるので、

堤防から堤防までが限界だが、

Jベイとか、イナリーズのようなラップ(うねりが回り込む)系の波質なのがよくわかる。

実際にはショルダーがたっぷりとあって、

ピークというよりコーナーからテイクオフするため、

慣れない人にはクローズアウトにも見えるほどのフェイスの開き具合だろう。

そんな波質の2015年の台風9号だったことをここに記しておく。