最近のハイパフォーマンスボードは、
クアッドかトライフィンが標準設定だろうか。
このNationドリームクラッシャーは、
そんな風潮をせせら笑うようにツイン+1。
ラージツインフィンの蹴り出しは、
テイル側のレイルを蹴り出すように沈めるだけで、
渦浮力ボードを強烈に抑え込む。
軽く踏んでクルーズすると、五感をうっとりとさせるような官能性がある。
もっと刺激的なサーフボードも多々あるが、
スポーティーという尺度で見れば、ドリーム・クラッシャーは最高級に値する。
NATION、つまりライアンはフィンシステムの妙だけを突出させず、
その回転性能と柔らかさを組み合わせた総合芸術を目指したという。
ドリーム・クラッシャーは、
ハイパフォーマンス・フィッシュという新しいカテゴリーを発掘した。
フィッシュデザインは1979年にマーク・リチャーズが、
ハワイに代表されるパワフルな波で乗り、
そして同時に弱い波の反応も最大限に良く、
その時に完成したものだとされている。
しかしこのフィッシュボードは、
加速の途切れというか、ピークレンジが明確に存在したので、
オンショア等でのバンピーフェイスでの挙動がスムースだとは言いがたかった。
クリエーターであり、シェイパーであるライアン・イングルは、
クリスチャン・ワックの弟であるカーソンに難題を持ちかけられていた。
それは「最新版のフィッシュボードをデザインすること」
で、ライアンは、
「往来のMRツインのVeeを基調とし、
前足のアクセル部にはシングルコンケイブを施した複雑なボトム」
レトロをニュージェネレーションへと融合させるというデザインを完成させた。
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/66277
カーソン、私、ライアンがそれぞれの浮力で試乗ボードを作り、
ドリーム・クラッシャーは、
ほぼ完全無欠のフィッシュだと断言するに至った。
ステップバックに対する反応も速く、
波ポケット斜度の変動の連続にもまったく不安を感じなかった。
「(コンテストで勝つ)という夢を壊す」
そのコンセプトと違わぬものとなった。
これは「コンテストをあきらめる」というのではなく、
「優勝とかスコアという世界から解脱するほどの電撃的なサーフィングを楽しむ」
そんなコンセプトからのボディコピーがしたためられている。
さらには『Beyond Podium』。
これは「表彰台の向こうに」という意味で、
「競争での優越は空しい」
まるで山頭火の哀しい詩のような言葉が浮き上がるほど圧倒的な性能となっている。
さて、ボードのオプションだが、いわゆるツインフィンが基調であります。
バックフィンを立ててツインスタビライザーにするというのが、デフォルトセッティング。
波が弱く小さいときは、バックフィンを外し、回転性からの前進トルクを感じていただきたい。
波のサイズ、またはパワーが出てくれば、
スタビライザーフィンか、ナブスターに代表される極小トレーラーフィンを装着すれば、
どんなターンでも常に波の前に浮き上がってくるターンが可能となっている。
噂のシングルコンケイブからVeeのボトム仕立ては万能性能。
とにかく乗り心地がよろしい。
まとめると、
ドリーム・クラッシャーは素性の良さと歴史、
そして最先端ということを感じさせるリアルスポーツフィシュであります。
ハンセンズのピアサイドサンドイッチのランチをHさんと。
カイラに削った6’5″ノーズライダー。
「アートが欲しい」
彼女の要望通り、鉛筆でアートを施しました。
キャッチサーフ倉庫に寄ると、
ランチ後の休憩をみんなでしていた。
左から
スティービー(マーケティング)
AJ(倉庫番)
コルトン(受注担当)
クリス(マーケティング部長)
ネイト・ヴァンダガスト(倉庫長)
タイラー・ストランザント(マーケティング)
本日は新型『ドリーム・クラッシャー』のインプレッションと、
自分の気持ちをしっかりと書いてみました。
現代版フィッシュの最高峰であり、
クラシック・フィッシュのように重くなく、
簡単な取り回し、伸び続けるターン、
そして激しいレイルの切り返し(スケーティング)、
世界一の、素直でそして柔らかい操作性。
これから日本に行くのですが、
千葉まで試乗用ボードをお持ちします。
CL値28.5というサイズにフィットされる方、ぜひお乗りください。(要予約)
フィッシュというコンセプトの新規格です。
それでは、どうぞよろしくお願いします。
Have a wonderful Monday!!
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