新品・中古サーフボード販売、カスタムオーダー、ウェットスーツ、サーフィン用品など。NAKISURFは、プロサーファー、フォトグラファー、サーフライターで知られるNAKIのコンセプトサーフショップです。

naki's blog

コールボードの詳細_トレッスルズの行き方_80年前のサーフボード_私の波乗りの歴史_第17編_ロイ・ゴンザレス_(3388文字)

DSC_9370

映像作家のジョージ・トリムたちが、

フォードアーズにBBQグリルを持ち込み、

ビールと、

カーネアサダ(ビーフ)・タコスをふるまってくれた。

彼の新作『Forbidden Trim』がもうすぐ完成するようで、

現在日本での公開を考えているという。

IMG_2171

ここはコールのサブシェイプルーム。

光の当たり方が違うので、

チャンネルボトム等はここで削られているが、

長い間ラックに載っていたボードがあり、

私たちのあいだで話題となっているフルレングス・ボンザーボトムが搭載されている。

聞いてみると、彼の次男マイロのものであるという。

しかし、彼が育ちすぎたからもう小さすぎて乗れないという。

で、チェックしてみると、

どうやら私のサイズに当てはまるようで、

「乗ってみたい」とお願いして、調整シェイプが施された。

昨日のインタビューにもあったが、

このボンザーボトムは水流をコントロールすることによって、

速度をあげつつ、操作性を高めたという。

さらには通常のボンザーボトムはもたつくらしく、

瞬時の動きができるようにサイドパネルのロッカー等、

全てのフォルムをいじったのだそう。

ご存じでしょうが、

最初のモデルはマシンカットでは表現できないので、

厚め大きめのブランクスから思うデザインを削りだしていくのは、

昔からのやり方で、

こうなってくるとハンドシェイプの名匠というか、

もはや伝説になってきているコールの独壇場だろう。

IMG_2164

デッキ側にはバズーカにもあったコンケイブデッキ、

そしてボード全体の剛性を高めるレイルチャンネル、

テイルリフト、COLE独自のソフトレイル。

IMG_2166

エントリーロッカーの位置から入れられたフルボンザー。

「アンディ・アイアンズが生きていたら」

そんなことを反射的に思った。

私はこれからこれにアートを施します。

NATIONはサイエンスの粋。

COLEは、刺激的な感動。

こんな冠を付けてみたが、

言い得て妙だと、自分で感じた。

IMG_1807

西うねりなので、ミドルスに。

キャッチサーフのシングルフィンで遠き波を乗りに行く。

そんなこともドラマぽいなと思う。

ミドルスも教会岬もつまりトレッスルズは、

サンオノフレに駐車して歩いていく。

この行き方だと、

教会岬を過ぎると、全く人がいなくなるのがうれしい。

トレッスルズの駐車場から行くと、常に人がわらわらといる。

さらにはアッパーズ、ローワーズと、

競技志向のサーファーが多いこともあって、

混雑のイライラを反映してかギラギラしている人(睨んできたりされる)がいたり、

坂の上から自転車やスケートボードが高速で降りてくる人が怖いので、

今までストレスに感じていたが、この行き方だと、

ハイキングみたいに「ヤッホー!」と豊かな気持ちとなるのがいい。

IMG_2140

今日は戻ってくると、

ブライアン・ベント、つまりブラ師匠がいて、

IMG_2145

1930年代のサーフボード、

つまりボックスを手に入れたので、

その初乗り日だったとご満悦だった。

このボックスにはワックスがほとんど塗られておらず、

「滑らないの?」と聞いてみると、

「こういう風に乗るものなんだ」

「どういうこと?」

「この時代の波乗り箱はスタンスに負荷をかけて乗るものではないんだ」

「なるほど、テイクオフのときに角度を決めたら、そのまま乗っていくだけなんだね」

「その通り」

さすが80年も前のボードだけあって、会話もユニークなものとなった。

IMG_2144

これはブラ師匠がこのボードにインスピレーションを受けて描いたもの。

この作品が大好きになったのはここに書くまでもない。

IMG_2158

昨日お休みした回想編の続きです。

ボクはジョーとメキシコに行って、

ハービー・フレッチャーに会い、

コンテストに出て良い成績を収め、

サンクレメンテに帰ってきて、すぐに行った場所がありました。

私の波乗りの歴史_第16編_ウエイブ・ウオリアーズVHS_(1945文字)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

サンクレメンテ。

旅行者のボクにとっては帰国日が迫っていた。

メキシコ編で書かなかったが、

向こうで偶然出会って、意気投合したのがニーボーダーのロイ。

(COLEのカスタムだった)

「私はポップアートを描いていて、サンクレメンテに住んでいるから戻ったら遊びに来なさい」

というので、

サンクレメンテに戻ってきてからすぐに彼のスタジオに行くと、

ボクと話しながら下書きも何もない紙の上にすばらしい絵をすらすら描いていく。

げげ、これは鳥山明さんのサンクレメンテ版だと、

感動して立ち尽くしてしまった。

少しして、スタジオ内をうろうろしてわかったのが、

このロイこそが、

ウエイブ・ウオリアーズやサンクレメンテ・ローカルズの

カバーアートを描いていたロイ・ゴンザレスだった。

san_clemente_Locals

大好きを通り越しているほど、

愛していた映像作品のメインビジュアルのアーティストが目の前にいて、

それは恐れ多くもあり、飛び跳ねてしまうほどうれしいものだった。

l_8caecab94c0cd16e3de347b1f1a63630

1990年代のクリスチャン・フレッチャーとロイ。

マット・アーチボルドたちと同様、

サンクレメンテの濃いキャラクターなのは間違いない。

1efe9d11563dfff6b871de06d702005d

この画力。

ロイは現代のリック・グリフィンとされていて、

初めて会った頃が、(人気的には)その絶頂時だったと思う。

このときはサーフコミックスを出版したいんだと言うので、

「間違いなく少年ジャンプやマガジンなどに連載されると思うよ」

そう伝えると、

うれしいのか悲しいのかわからない顔をして笑った。

 

e74aa5729437e29555e24cd575a64c7e

ロイとは、ずっと交流が続いていたが、

彼がバハ・カリフォルニア(メキシコ)先端のリゾート地カボ・サンルーカスに引っ越してから音信がなくなった。

この時ロイは、ガスという現地人と知り合い、

かなりしてからその彼とFABというGnarly(この場合は危険という意)なブランドをスタートさせた。

そのブランドのアップアンドダウンがあったりもしながら、

ロイは初めて会ったときと何も変わらなかった。

Z-PAD_14184

(9年前のハービー・フレッチャーとロイ、私)

で、その18年後の2007年には、

私とロイが、ハービー・フレッチャーを巻き込んで、

NAKISURFオリジナルデッキパッドである『Zパッド』を制作し、完成した。

(正式名称は「Zライダー・ストンパッズ」)

d0632720jpeg

これらのパッケージアートのグラフィック全てをロイが担当し、

デッキパッドデザインは、

ハービー・フレッチャーという伝説の布陣である。

NEW-Z-PAD-2009-9

(Zパッドは、第二期まで生産されたが、ほぼ売り切れてしまった)

ロイはこの後、

2011年にサンクレメンテの中心に大きなアートストア

『ART SUB KULT』をオープンし、

全ては順調だと思っていたが、

このアートストアの出資者が、健康上の都合で閉店することとなり、

そのことに少なからずショックを受けたロイは、

インドネシアのどこかに隠匿した。

「食事はおいしく、波は温かくて、人はやさしくて笑顔で最高だぞ」

ロイはそんなことを言っていたとコールから聞いた。

ちなみにコールとロイの関係はとても深く、

コールの最初のサーフショップである

『サーフスポット』を引き継いだのがロイで、

彼らは、

少年時代も一緒に過ごし、

リトルリーグでも同チームだったという。

(アーチボルドも)

9441f3a8f7a9e18e16c3f537f9642481

『ラリー・バートルマン』

波の位置、ボードの角度、スタンス場所、

ラリーのシャカサインのポーズ、そして表情を見て欲しい。

グッドサーファー、怪波乗人たちから絶大な支持を得て、

さらにはハービー・フレッチャーが、

ありとあらゆる勝負機会にロイを起用していることでもわかるだろう。

cristian_fletcher_march_1989_3

b41c516f15ddb96a81140e2fe1cba174-1

クリスチャンの有名すぎるこのロゴデザインもロイの作品である。

そんな波と気候、人、建物、食べもの、

カルチャーに恋をするようにサンクレメンテの全てが好きになり、

その気持ちに浮かれたままボクは、

ロスアンジェルス空港から成田を目指すべく、

バリグ・ブラジル航空に乗り込んだ。

「さらばサンクレメンテ、また来るぜ」

願うような気持ちで、ボクは空の人となっていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(こちらのリンクに続きます)

【特大号】16秒の南うねりは伝説的なフォードアーズ_ブイ計測値のおさらい_私の波乗りの歴史_第18編_昭和64年の長沼サーフボード_(4784文字)

【友人のための広告】

冒頭のジョージ・トリムの”フォービデントリム”予告編です。

これだけ作りこまれたサーフムービーは珍しい。

 

 


Comments are closed.