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naki's blog

波楽乗(nami-raku-nori)について_(1260文字)

私は自称コラムニストでもあるが、

依頼がないのに勝手にコラムを書くということをたまにする。

今日はそんな日だった。

さらに言うと、

今日はちょうど謹賀新年(半年で分けてちょうど半分)なので、

すっかりめでたいことだと感じ、

私たちの愛する波乗りのことを書いてみた。

ちなみに私は競争世界で生きてきて、

その後、波楽乗主義者になったという経緯があります。

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波楽乗(nami-raku-nori)という語は、

21世紀になってようやく『NAKISURF』で初めて見られ、

それをHappy Surf(ハッピーサーフ)と音写されるに至った。

一般に波楽乗運動は、『楽しさと幸せ』

を編纂護持(へんさんごじ)するサーファーたちが中心となって興起したものと考えられている。

この内容は、

近代サーフィングを広めたのはハワイの金メダリスト&天才サーファー、

デューク・カハナモクが世界中を回って布教した

「人が楽しく幸せに波に乗ること」ことであり、

波乗教の中では、

これを最も重要な教典として今も伝えられている。

波に乗ることが一般的になって100年。

デュークの教えを忠実に実行し、

サーファーとしての涅槃(競争からの解脱)に到ることを旨としたこの波楽乗に対し、

「技術こそを究極し、デュークの教えは信奉するというにととどまる」

という流派(WSL等)がデュークの死後48年を経て定着した。

そう見ると、波乗り界は大きく分けて二つになる。

「心身を錬磨し 確固不抜の心技を極めること」という流儀と、

「人が楽しく幸せに波に乗ること」という思想派たち。

その心身錬磨確固不心抜流儀は、技を極めれば、

「マスター」(如来)として真理を認識できる境地に到達できる、

そんな考えもあり、今日(こんにち)も世界各地で競技が行われているが、

波楽乗者たちは、それら競争には加わらないので、

論争はおろか、全く違う次元で行動しているように見受けられる。

こちら南カリフォルニアでは、ゲレンデの違いがその両者を分け隔てている。

例えばトレッスルズなどは、

競争主義サーファーの本拠地で常に対決が繰り返されているため、

見学者や競技者の訪問が後を絶たない。

そしてサンオノフレは波楽乗人たちの聖地となっている。

こちらの達人たちは、対決とか怒りという概念を捨て去るという、

瞑想にも似た行為が常に行われている。

乗るボードも何でも良いらしい。

彼、彼女らは心を静めて祈るように波に乗り、

波斜面に心を集中させること、

心を静めて無心になること、

目を閉じて深く静かに思いをめぐらして今日も波に乗る。

こう書いていくと、幸せへの第一歩は、競争しないことであり、

これは現代社会から逸脱しているように見えるが、

じつのところこれもまた真理のひとつであるように思えてならない。

(了、謹賀半新年)


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