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naki's blog

COLORS MAGAZINEに捧げるウナクネ曼荼羅_(3303文字)

COLORS MAGAZINEに捧げるウナクネ曼荼羅

(出版時のものより加筆されています)

201605_Greenroom_Yoge_5970

yogeこと、

ヨゲとの出会いは、

この時間をずっとさかのぼっていかなくてはならない。

彼は茅ヶ崎チサンからパークのあいだに生息する中学生だった。

それから波乗りに没頭した高校生時代をチラチラと拝見させていただき、

そして彼とその仲間たちが1年以上も滞在したUSAサンクレメンテでは、

しっかりとサーフし、その成長ぶりに感心したことを思いだした。

その彼は、

いつの日からかCOLORS MAGAZINEというウェブマガジンの運営を開始した。

yoge独自の視点と方法でサーフィンを捉えて表現し続けているので、

愛読者として胸を張っている。

そんな媒体が印刷物となるということで、

さらにはここに書かせていただけるということで、

気合いを入れてMacBookエアの、ワードをタイプしております。

ということでこの号は記念すべき紙媒体での創刊号。

おめでとうございます。

私はサーフ誌が大好きで、

世界を見渡して一番好きなものは『サーファーズ・ジャーナル』誌。

「波景色、ドラマ、色彩と文学、サーフ世界へのドアとなる一冊」

というサーファーズ・ジャーナル誌のためのキャッチコピーを書いたが、

これをそのままこの誌に差し上げたい。

これこそがサーフメディアの新しい波です。

いや、

時代が産んだ新しい色がこのCOLORS MAGAZINEでしょうか。

http://www.colors-magazine.com/?p=162385

閑話休題。

「ウナクネ」という言葉をご存じだろうか。

語感の通り

「ウナギがクネクネ泳ぐさま」を擬音省略したもの。

もちろん私の造語です。

この言葉&ムーブメントの発生を伝えるには、

時をさかのぼらならねばならない。

まずは私の所有ボード群に深紅のミッドレングスボンザーがあって、

直感的にそのセンターフィンをあえて外してみた。

すると、直進するための接点部がなくなり、

テイクオフから足を乗せた途端にボードはクネりはじめた。

しかし変な向きにクネクネっと行ってしまう気まぐれターン。

そのときは、反対側のレイルを適度にセットすることによって、

そのクネ左キックを右に、

また右クネリを左にという連続の繰り返しが楽しく、

マンライ、

つまりマンゾクライディング (©オガマさん)を得た。

これがウナギクネクネのはじまり。

それからその言葉はずっと私の胸の中にあった。

80cm_CW_6583

歳の離れた親友クリスチャン・ワックとロングボードするときは、

フォードアーズに行く。

ここはサンオノフレの二軍ピークで、

サンオノフレ・ポイントと、

オールドマンズというメジャーピークの中間にあり、

そのブレイクにはさまれた幸運で、

ここは誕生したときからのマイナーブレイク。

フォードアーズという名前もつい最近になって無理やり付けられたもの。

その由来は、

ブレイク正面の用具小屋の扉が4枚だったことから、

ペットのシロとか、

コロという命名と同じ流れのユルさ。

私は、

メジャーなものは、

「追いかけずにそっと横に、静かに騒がず」

というスタイルを貫いている。

「みんな気づいてしまったら離れる」

そんなスローガンでメジャーなものとお付き合いしている。

サーフボードも、

サーフブレイクもメジャーには乗らないし、行かないようにしている。

そんな私にとってそのフォードアーズこそが、

「2軍、マイナー、知られていない」

という完璧な三拍子のトリプルクラウン、

三冠王でありました。

そんな風にフォードアーズ通いを始めると、

ここにはタイラー・ウォーレンやジャスティン・アダムス、

そしてアンディ・ニエブレスたちがいて、

アレックス・ノスト一派(いっぱ)も週に二回くらい来ることがわかった。

その日はちょうどアレックスとパーキングロットで隣合わせとなった。

2014年の夏のことである。

彼に「そのボードすごいね」と声をかけると、

「スリフトストアで見つけたんだよ。

正真正銘のキャンベルブラザーのボンザーなんだぜ」

とうれしそうに言いながら、

そのオレンジのセンターフィンを小さくするためにガリガリとずっと削っていた。

あ、またもボンザーだ。

2014_Alex_Bonzer_1737

そのアレックスが波に乗ると目を惹かれた。

やたらと独特なのである。

クイっと変な向きになりながらターンが絞られて、

サーフボードという矢が放たれる。

しかも、

どこを切り取っても写真作品となるワイルド&オリジナルスタイルで波を滑走していった。

そのアレックスが波のトップでボンザーを切り返すとき、

クネクネっと見えた。

そしてインサイドに入ってくると、

クネリながらノーズに乗って、

しかもそのまま泡から滑り降りてくる。

それはまるで、

ウナギクネクネ世界の集大成だった。

彼はすでに永劫の彼方まで解脱していて、

全てを俯瞰し、ものごとを達観していた。

そして彼の周りを光が包んでいた。

ウナクネ教祖さまの降臨だと崇めた瞬間がウネクネ教の発生、

そのときでありました。

DCIM101GOPROG0629997.

それからというもの、

ウナクネ世界が自分を包み始めた。

今まで一生懸命やってきたサーフィングが、

この世界のたった一部だったことに気づき、

その真理は、

「ハッピーサーフ」だと悟った。

この「ウナクネの悟り」の出現からは、

いい波に乗りたい、とか、あの技をしたい、

というありとあらゆる欲と煩悩から解放されたのです。

良くない波であっても

「ちょっとクネリますか」と着替えてパドルアウトできる至福は、

涅槃に通ずるものがある。

密教の呪文のように「ウナクネウナクネ・・」と唱えていると、

グライドスタンスがどんどん狭まってきて、

それこそが印契(いんげい)なのだと気づいた。

[印契の意味] ブリタニカ国際大百科事典の解説

印契 いんげい mudrā

手ぶりや手指の組合せによって仏菩薩の種類や特徴を示したもの。

もとは釈尊のある特定の行為の説明的身ぶりから生れたものであったが、

宗教の発展に伴って定型化した。

諸尊の悟り、誓願、功徳の象徴的な表現と解する。

20090819_Whitehouse_naki_V6246

naki @Whitehouse (North Hawaii)

2009 Surf Prescriptions Bonzer(BWT) 5’4″

その印契スタンスで輪廻転生と呼ばれるラウンドハウスカットバックを結んだとき、

空が宇宙的となり、

日中見えないはずの月の位置や星々が自分に降り注がれた。

これこそがコスモロジー(宇宙観)と呼ばれるものだそうで、

私は解脱に近づいているのかもしれない、

と曼荼羅(まんだら)を探す毎日が始まりました。

先週サーフ雑誌の編集者とクリエイティブディレクター、

さらには営業部隊がサンクレメンテにやって来た。

そのときに彼らは、

「僕らはウナクネが好きです。いや大好きです!」

迷いなく言うので、

元祖由来のウナクネ聖地フォードアーズにお連れした。

その聖地巡礼を二回ほど繰り返し、

影のウナクネ皇帝(タイラー・ウオーレン)が登場し、

その聖地滞在累積時間が20時間に達したとき、

彼らの現在における人生問題

「サーフブレイク、

またはサーフボードへの執着によって苦悩が起きる」

ということが示され、

そして瞬時に解明したのだ。

そして私も含めた彼らは、

正しいウナクネを実践することによって解決に至る、

という極めて実践的な教えを得たのです。

201309_Tyler_0798

ウナクネ全ての活動は、

「ウナクネ秘密の教え」だと感じる。

さらに言語では表現できない悟りと、

奇跡的な感動を伝えるものなので、

一般の理解を超えているという点で考えるのなら、

「ウナクネ密教」としたほうがよいのかもしれない。

ちなみにウナクネは、

後のドラグラとなるもので、

タキビ神とラカ法王の1神&1王の二本立てのハッピーサーフ教だ。

これで衆生の救済に取り組むべきだという教えを、

サンエーハイツまたは、

タキビパレスといった聖地からメッセージとしてしたため、

すばらしい門出を迎えたCOLORS MAGAZINE誌に鋭意記録して、

この項を閉じさせていただく。

(了、ウナクネ皇政元年)

【初出誌カラーズマガジン創刊号】

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著者:

naki /ウナクネ実現党広報本部長

1983年ウナクネ密教奉職開始。

ウナクネ実現党に入党後、

そのハッピーサーフというマーケティングを担っている。