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【特大号】天使系!?キャッチサーフ_テイクオフとセバスチャン・ジーツ_(3803文字)

 

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昨日も少し書いたけど、キャッチサーフの人気がすごい。

こちら本国本社では、

まずあの巨大な倉庫がサーフボードであふれる。

天変地異かと思うほどのキャッチサーフの量が、

貨物コンテナ群から降ろされる。

けれど、この大量のサーフボードも翌週には空っぽになってしまう。

これは何を意味しているかというと、

ベテランサーファーたちがスペアボードや、

練習用ボードとして同時に複数本を購入しているということと、

同時に少年少女を始めとして、

サーフィングに入門したての人たちのメインボードとして。

さらにはシェイプボードの予算内で、

キャッチサーフ各サイズを数本購入しているからだと推察されている。

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Jamie O’Brien at Pipeline

サーフィングは新時代である。

波に乗る浮力体を「メディア」としてみると、

それにはフィンレスからワンパー、科学派ボード、熟練匠系、

スポーツ系、激烈系、不良系、悪魔系、天使系があって、

そうなるとこのキャッチサーフは天使系ということがわかった。

天使系のボード(メディア)で、

激烈系のビッグウェイブに乗ることが、

爽快なのであって、

それを実行しているジェイミーたちはじつに楽しそうだ。

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https://www.instagram.com/tylerstanaland/

私は今まで、

シェイプボードの正確さを波乗りの柱、

そして信念とし、

バレル内や斜面のファインラインを求道してきたが、

キャッチサーフに乗ると、

それまでの考えが覆されていくことを感じていた。

例えば、

1.ユルイ

2.柔らかい

3.少し不確か

4.(反応が)少し遅い

5.ちょろい

6.寛大(乗りにも、そしてサーファー側の扱いにも)

7.マイルド

8.甘い

9.穏便

10.マイペースの

11.かわいい

そんな11項目を受け入れるようになる。

これらはサーフボードの世界には存在していなかった項目だろう。

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ようやくわかってきたことがあって、

それは、「善悪」「昼夜」「運」というのは、

半々、つまり50%ずつが存在しているということ。

上記したように、いま話しているキャッチサーフは、

サーフボードの説明には不的確な言葉が並ぶが、

逆に言うと、それこそがキャッチサーフの特性でもあり、

性格、キャラクターなのだと思う。

なので、反応が少し遅いのであれば、

初動を「少し」早めればいいのである。

それができるサーファーだからこれに乗っているのだ。

そんな意思表示でもありましょう。

「不確か」これは例えば、

トップアクションのことを言っている。

ボトムターンかミドルターンで波のトップ(上)まで上がって、

そこの波先にひっかけたり、

またはボトムヒットさせて波の下に降りてこようと、

その直近の切り返し地点に向けて視線を固定させていく。

これがシェイプボードならミリ単位で波際の一点の目標に向けるのだが、

私くらいの技量だと、

どうやらキャッチサーフは5cm−30cmくらい打点がぶれる。

カラちゃんとタイラーに聞いてみると、

「ぶれることは最初に乗ったときに存じていたぞよ」

そんな殿下口調で知らされた。

要は私がそんなトイボードに乗ったり、

ボディボードをスキムボードのようにして遊ぶという少年時代がなかったからに他ならず、

そうして考えると日本人の多くは、

「波乗り=(イコール)きちんとしたサーフボードの体裁」

そんな基本というか、理想によっての波乗り履歴を開始しているため、

そのブレ、

車のハンドルやギアで言うところの「遊び」の幅が狭いことを思い知った。

でもこのブレが重要だとわかったら、

まずはそれを寛容することが重要で、

これによって、切り返しは思い切りできる。

その結果、奇跡のオフザトップができたり、

またはグヤジーと波の下に沈んでいくのかとなるのだが、

グヤジグないと栄光はないわけで、

これも良くできていることだとまた知ることになる。

お、寛容とあったが、これまた良い単語がキャッチサーフにやってきた。

こうなったらこの12番に加えたい言葉となったが、

文字数が多くなるので止めておく。

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Kalani Robb

このカラちゃん(カラニ・ロブ)たちですら語らなかった

「キャッチサーフ詳細実践論」を書きたいと直感がやってきた。

というか、サーファーはこういう技術論をなぜ語らないのか?

そんなことを思ったが、

きっと私が探していないだけで、

もしかしたらメディアにはあふれているのかもしれない。

良く見るのは、

「トッププロの動きを勉強」

そんなくくりで、

トッププロが魅せたモノスゴターンを詳しく解説してあるものばかり。

逆に言うと、

サーファーとして鍛え上げられたアスリートが、

理想でもある波に乗って、

さらには大量の中から選び抜かれたマジックボードに乗って、

そして晴れやかに決めたであろう「必勝の一打」に対しての技術論であって、

それを一般サーファーが夢想するのは良いが、

全くと言っていいほどHow Toにはならないと思っている。

私が解説したいのは、

そんなドリームターンではなく、

キャッチサーフのようなユルボードに乗って、

「まっすぐ滑ることからたった5度だけ右側に曲がる」

「まっすぐ滑ることから15度だけ左に曲がる」

「左に曲がった後、まっすぐのポジションに戻す姿勢」

「泡が迫ってきたときに対処法」

「腰高になる要因その10」

「正しく、クールなワックスの塗り方」

そんな見出しのこんなこと、そんなこと。

とにかく、

「ボトムターンの仕方について40枚(16000字)書きなさい」

そんな依頼が来たらいいな、とまで考えていた脱線状態が今。

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ジュリアン・ウイルソンたちは、

なぜキャッチサーフに乗っているのか?

よく聞くのが、

「契約金でしょ?」

そんなことだが、前出したジェイミー・オブライエンも、

カラニ・ロブ、タイラー・スタナランズ、

さらにはこのジュリアン・ウイルソンもトッププロ全員が、

最初はキャッチサーフを購入して使用していたという事実。

なので、金銭でどうのこうのという話ではない。

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それで、

さまざまなキャッチボードでそれぞれのアプローチを本人たちがしたくなり、

このキャッチサーフ門が彼らによって叩かれたというわけです。

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2KOOKS @Chiba

カラニとタイラーによる2クークス@千葉北一ノ宮。

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すばらしいストアフロント。

バリー(マッギー)のボード3種が見えますが、

彼のファンがこぞって探して集めていると聞いた。

アートファンとして、気持ちはよくわかります。

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12月の紅葉。

こちらサンクレメンテ。

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今年の1月から売り切れ御免となっていたスキッパーフィッシュ6’6″

これは前出のジェイミー・オブライエンモデルであるが、

ようやく私の手元に支給されてきた。

予約分の供給終了に11か月かかったのは、

私のようにジェイミーへの敬愛と人気を示しているのだと思う。

バリーの7フィート・プランクを待つ身だが、

上記したようにレアアイテムなので、

もしかすると手元には来ない気もしている。

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さて、その科学のボードだが、

コンピューターシェイプとなって、

一気にその数値を引きよせたと思える。

体積がわかっただけでも大きな功績だが、

逆にその体積が足を縛るという功罪にもなっている。

というのは、

サーフボードとはロッカーやコンケイブ、レイルフォルム、

そしてほぼ使わないノーズエリアまでがあるので、

その「体積」だけでは、サーフボードの性能はわからない。

長さによっても揚力(浮き)が増加し、

レイルラインによっては波の中にどのように入るのかによって、

その滑走は変化するという。

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カスタムオーダーのお手伝いをしていて、

「渦浮力気味でお願いします」

最近はそんなことが増えてきたように思える。

私もそうだったのだが、

適正浮力にこだわり続け、

本当の良い波、

人生に一度だけという波を逃したことが多々ある。

自分の判断力もあるのだろうが、

乗ってからどうこうと言わずに、

まずは乗る、テイクオフをしっかりする、

そんなことが最も重要だということがわかってきた。

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Photo by Brian Miller / GoPro

Nation Champagne 6’11” Single fin

さて、

夏の南うねりを余すところなく表現するサンオノフレのフォードアーズは、

今年の部を終了したようで、代わりにソルトクリークというスポットが現れた。

左からストランズ岬、一番右がモナークベイまで3kmに渡る、

ビーチブレイク、岬波x3という布陣の、

オレンジカウンティでは冬最強のサーフスポットが並ぶ。

この一帯は、

沖が崖状に深いようで波斜面は硬くなる。

つまりそれは自分が激速で滑走できるということを示しているのだが、

ときにはジョンジョンになった気がして、今日はセバスチャン・ジーツ気分であった。

セバスチャンはノースハワイ島のサーファーで、私たちはシーバスと彼を呼ぶが、

人格も良く、そして故アンディ・アイアンズの再来だとされる。

そんな彼のJベイ、

南アフリカが世界に誇る銘波、ジェフリーズベイでの映像です。

これはコンテストからの映像なので、

ステューの奇天烈系、

タヒチの怪人ミッシェル・ボレーズたちとの対戦というコントラストもよろしき哉。

それでは、12月最初の週末が目の前にやってきています。

どうぞすてきな金曜日としてください。

こちらはまたグラブルズに行ってきます。

Keep On Happy Surfing!!


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