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【特別企画号】『ウナクネ仮面 ハッピー・グライダー』_(3000文字)

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Christian Wach “PRAY”

本作品は2016年10月に『ハッピーマンU』の企画書が第1案とされている。

この企画書では、

「サーフィンが世界一上手な仮面のヒーローが、

日本征服を企むレジェンド黒腹(くろはら)率いる組織・ウツボ族と戦う物語」

という大まかな筋書きが作られていた。

しかし、その内容は『仮面ライダー』に言及し、

「自分も仮面を被ればヒーローになれる」という児童願望を実現していること、

主人公・栗須 鱸(くりす・すずき)が、

LAフィットネスでの鍛錬と、

食品チェーン店カルディでの食生活によってヒーローの力を得ているなど、

当時流行していた世俗的な影響と、スポンサーへの配慮が強い内容であった。

この企画書は、鰻捻道(うなくねどー)広報部による「叩き台」的なもので、

一般メディアには提出されておらず、

共有したのはNAKISURF幹部、Blue誌とNALU誌編集長だけだった。

鰻捻道広報部は本作品の前に『妖術事典』で、

『謎の鰻仮面』という「仮面物」の設定を創案しており、

その際に鳥山明をアイディア協力者候補に挙げていたが、

あまりにも現実的ではないとされて実現しなかった。

このため、鰻捻道広報部にとっては、

「仮面物」であるこの『ハッピーマンU』は悲願の設定だった。

次に起草された『鰻捻天使(ウナクネ・エンジェル)』が、

一般メディアに提出された最初の企画書となる。

『ウナクネ道』の流れでタイラー・ウオーレンとブライアン・ミラーを招き、

鰻捻道広報部とコンビの長いクリスチャン・ワックとの3人体制で、

設定などの企画打ち合わせに入った。

ここで主人がクリスちゃん、そして主人公の名が”クリスちゃんと”決まり、

影のウナクネ皇帝であるタイラー・ウオーレンによって、

主人公は、

「ウナクネ創始者、伝説デューク・カハナモクを暗殺したという容疑をかけられた逃亡者」

という設定になった。

(ウナクネ、ウナギクネクネ、アナクネについてはこちらのリンクを参照ください)

さまざまなボードに乗っている日_最近のボード図鑑_【重要内報】ウナクネ党と、アナクネの周辺_ヤーネはやめてね_(2710文字)

この時点でサーフィン番組要素は薄められ、

主人公はサンオノフレにある原子力発電所事故の影響で特異体質となり、

さらには時間旅行ができるタイムトラベルを可能とし、

人間以上の力を得るというSF的な設定が加味されたが、

ヒーローのデザイン画などは起こされなかった。

ミラーの述懐によれば、

TV局はウルトラマンのようなヒーローを期待していたが、

ビジュアルに弱く(不人気キャラとなるであろう)、

ウナギをモチーフにすることを反対し、

双方の意見は平行線をたどってしまった。

ただハッピーサーフィンを妨げるアナクネ族の芽が多く、

その発展を妨げようという内容は、

サーフィン業界ならずともこの内容の番組の製作は急務でもあった。

鰻捻道広報部の援護を依頼されたTerraさんことNalu編集長が、

アイデアのすばらしさを力説し、TV局を説き伏せたことで企画は通った。

しかし、

Terraさんはその後見せられたウナクネライダーの絵に絶句したというエピソードが残っている。

2017年9月上旬ごろ、TV局次長の葉加瀬陽一から

「ミッドレングスに乗るスーパーヒーロー物」という注文が追加され、

『中階層仮面(マスクド・ミッドレングス)』の企画に到る。

ここで構想されたストーリーは、

クリスちゃんのことを父(デューク)の仇と疑う(最終話で事実でないことが解明される)ヒロインや、

殺人者容疑のクリスちゃんを追う刑事(トム・ハンクス)などの登場人物が配され、

冤罪者としての主人公の苦悩も付加された。

(真犯人は総帥とされるが、最終回となっても明かされない)

主人公が仮面をかぶることの意味については、

怒りの感情が高まると顔に原子力事故によるウナギ型の傷跡が浮かび上がるため、

それを隠すために被っているという設定が加えられている。

『ドラゴンボール』や『Drスランプ』などの

数多くのヒット作を送り出してきた鳥山が原作者として本格的に参加するのはこの段階からで、

彼の起用は鰻捻道広報部から鳥山へ熱心な売り込みがあったためだった。

10月上旬に、

タイラーによって執筆された検討台本「怪奇ローカル」と「謎の恐怖リーフ」がTV局側で検討され、

予算案とともに「題名を日本語にしてほしい」との要望が出された。

10月15日に鰻捻道広報部側が、

『ファイヤーウナクネー』『鰻仮面』『ウナクネウオッチ』『ウナクネゴー』などの題名案を提出している。

鳥山が参加した後、TV側は「雑誌で漫画連載をしてほしい」と放送開始の条件を出した。

漫画連載の実現には難航したが、

タイラー・ウオーレンとクリスチャン・ワック、

鰻捻道広報部が、

『週刊少年サーフィング』(オゴ・パプリシング)の編集長だった生越淳一に掛け合い、年末に了承を得た。

11月上旬には主人公ヒーローである「ファイヤーウナクネー」のデザイン画も鳥山によって起こされ、

鰻捻道広報部や

『週刊少年サーフィング』編集長の生越もファイヤーウナクネーのデザインに「カッコいい」と絶賛し、

題名は非公式ながら『鰻仮面』に決定。

11月になってTV局側は『鰻仮面ファイヤーウナクネー』の企画書を起稿した。

クリスちゃん役にクリスチャン・ワック、

ヒロインのプリンセス・カイウラニ役にテイラー・スウィフトが決定された。

(これは劇中で”ヒロインが歌うシーンが必ず存在する”というミュージカル風のドラマ時代がスタートされた)

ファイヤーウナクネーの検討用デザインには、鰻をモチーフとしたものとイーグルをモチーフとしたものが存在する。

(イーグルの登場に関しては、鰻捻道広報部のアート担当NAKIの影響があったとされる)

12月に入ると、企画書題名を『ウナクネ仮面 ハッピー・グライダー』に変更され、

これが正式名称となった。

その役への理不尽さから、

交渉が難航し、最後まで人選が決まらなかったのが、

ローカルサーファーで自称ボスの『レジェンド黒腹』。

当初から「あなたしかこの役をできる人がいません」と、

鰻捻道広報部になかば押し切られた形でジョニー・デップが契約を締結し、

撮影開始は2018年4月と決定された。

さらに番組開始日には、

『ウナクネ仮面 ハッピー・グライダー』

を題材としたトレーディングカードをおまけとするスナック菓子

『ウナカメ・スナック』がスポンサーであったカルディより発売され、

その翌月には社会現象になるほどの爆発的な人気を得た。

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(ウナカメ・スナック初版のパッケージ画像 鰻捻道博物館所蔵のもの)

これは幻のパッケージとされる初回生産分のパッケージ画像で、

メインとなるのはディレクターのひとりタイラー・ウオーレンのものである。

しかし本人が、

「影のジンブツが最初というのはヒネリすぎデス」

「タテヨコの縮尺が違うと思います。私が太って見えマス」

と指摘し、

印刷途中から主人公であるクリスちゃんの画像に刷り替えられた経緯があり、

このパッケージは、たった数百個しか存在していない。

ハッピーのなかの超ハッピースナックとして珍重されている。