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インディーの粋コール・シムラー2016_春分の日まで90日_(3001文字)

201611_wave2_3284

2017年のCOLEのフラッグシップとなるべくダブルラウンダー

「サンカラ(SANKARA)」をオーダーしたと、この日に書いた。

一コママンガ_ハロウィンサーフパーティ_サンカラボードbyコール_リック・グリフィン_(1732文字)

当初はカーボンストリップをストリンガーに沿わせるというアイディアだったが、

じつは先日、

大切なブラックアンドホワイトを激掘バレル波で折ってしまい、

そんなこともあって、

丈夫なショートボードがあれば良いと痛感したのであります。

で、サンディエゴの新進気鋭のグラスショップが、

真空硬化製のカーボンファイバーで製作することを始めたという。

1本コールがそのサンプルを作ってからは、

人気というか期待はウナギ上りで、海で会うサーファーたちにも

「あれは、どう?」

そう聞かれるので、そのことをコールに確かめると、

「あれは強い。軽い。そしてアビソよりも強いのではないかな?」

「本当ですか!?」

「アビソって、カーボン何層だったっけ?」

「テイルエリアの重なるところは8層までありました」

「ほぼ同等だね。このシステムのすごいのが、普通の強度を求めるとすると、

とっても軽量になり、それはプロモデル以下の重量をマークしている。

で、もし普通の重さが良いとなれば、超耐久性となることなんだ」

「私は少し重い方が良いのですが…」

「それならBullet proof(防弾)に近くなるね」

こんな話をしてからオフィスに戻り、

コールシェイプの6’4″シングルフィンを眺めていた。

ボードへのおまじない_コールミッドレングス!_楽曲の厚み、サーファーたち_(1737文字)

このボードには神性すら漂う。

知れば知るほどその先がある。

コールの作るミニボードにも抵抗できない。

4年前に作られたこのボードを今も乗り続けることは想像できなかった。

ミニボードに話を戻すと、

昔は奇抜だったこのサイズも、

そして妙な形だと言う人はいなくなったが、

見た目は素晴らしいが、乗ってみたら残念、

というようなカッコだけのミニボードとはまるで対極にあることはご存じの通り、

コールは今も骨太で逞(たくま)しいスポーツプレミアを作り続けている。

インディーの粋、もはや孤高とも言えるサーフボードメーカーである。

サーフィングを知れば知るほど、

深みに入るほど、その先にさらに道が伸びているのが分かってきた。

コールサーフボードに触れれば触れるほど、

造型の底知れぬ深さを感じざるを得ない。

今やかつてのようにネオクアッドをトライフィン全盛時代に提案し、

それがサーフボード大賞(ネイザン・フレッチャーのファイヤーフライ)を獲得し、

コールはアンディ・アイアンズを始めとし、マット・アーチボルド、

トム・カレンたちのカスタムオーダーで忙しく、

いくつかのオファーを蹴って、そのハンドシェイプを世界展開できなかったが、

今ではそれが良かったのだと思う。

なぜならメジャーブランドの全てが、

その大きな組織を維持するために多額の資金を必要としなくてはならず、

今ではそれらメジャーのほとんどが、

思ったような利益を上げられていないからだ。

ご存じだろうが、ボードにはこんな経費が潜んでいて、

これらの金額を全てそれぞれのサーフボードに課金しても経営難だというのだ。

1.高額なプロライダー

2.宣伝広告費

3.優秀なスタッフたち

4.高額な社屋

5.ブランドイメージのための経費

例えば、

あるブランドを思い浮かべて欲しい。

トッププロライダーに年間1億円。

世界中に散らばるサブライダーやその他大勢のチームライダーに総額1億。

広告宣伝費も裏表紙年4回で1000万円を超え、

Media Kit

1ページ広告をサーファー誌に年に8回も1000万円。

1誌だけのメジャー展開で広告費が2000万円。

もし二誌なら単純に二倍。

ということでこれは4000万円。

他にはソーシャルメディア部門も必要で、

こちらの広告、そして常駐スタッフへの賃金が年に500万円くらいだろうか。

スタッフへの賃金もやはり年に5000万円くらいだろうか?

もし従業員を10人ではなく、5人まで減らすのなら2500万円程度だろうか。

(国税、地域税も雇用保険等々といった金銭も含めて)

社屋は、沿岸にないとサーフ屋としての利便性もあるはずだから、

カリフォルニアの沿岸とすると、オフィスの家賃、費用が700万円程度。

とすると、どんなことをしても年間で3億円以上はかかるビジネスとなり、

その経費を捻出するための製品を高額にしても回収できないことがわかる。

もし年間にサーフボードが1万本(大成功であるといえる数)売れたとして、

ただこの経費だけをサーフボードに置きかえると、

1本につき3万円もの経費が載せられていて、

もし5000本しか売れなかった場合、

5000x3万円もメーカーが損失するという図式であります。

そんなメジャーブランドの闇と罠。

見た目はみんな乗っていて、持っていて、流行っていていいですね〜。

そう言いながらも、そんなことはない実例だろうか。

さて、話を戻すと、

ハンドシェイプにこだわり、

本人が削らないシャドウシェイプを撤廃した人で知られるメジャー級の匠工で、

今もなおマイナー経営を続けるコール。

ただ、30年以上も依然としてすばらしいスポーツプレミアムを“手づくり”のように少量生産し、

年間500本程度の規模でビジネスとして成立させている。

30年以上を生き延び、

最先端のサーフボードと伝統的なサーフボードづくりをきわめて意識的に活用しているのがコール・シムラー。

人気だけのメジャーとは、そもそも根っこのしたたかさが違う。

よく聞かれるのが、

「コールとアルメリック、どっちが速いの?」

「きっと多分同等であるでしょう」

そう答えるだろう。

だが、コールの凄みは、もしあなたが4年前のサーフボードを見て、

そして再び波に乗ったときにその大きく、明確な違いがわかる、

そんなことだ。

流行を作り、本心のおもむくままサーフボード造型を続けるコール。

一子相伝というが、

彼が後何本ボードを作ることができるかがわからないが、

これからも多くの夢板を誕生させ続けて欲しい。

昨日は店休日。

高気圧が沖を通っているので、

もしかしたらその吹き出しから南うねりがあるかもしれない。

そう思って御宿に行くもフラット。

それならば部原まで行って、

前日までの東うねりの残りが膝の高さくらいあったので、

北側のショアブレイクでサーフしてきた。

部原は勝浦湾内にあるので、

外海である九十九里よりも水温が2〜3度高く、

インナースーツは必要なかったのに着てしまった。

下手をするとノーブーツで入れるほどの温水だった。

昨日の寅さんではないが、

ナブスターを2枚装着したミニマルフィン仕様で、

掘れ上がる斜面でのテイクオフの練習をした。

とても暖かな日で、サーフ後は眠くなり、

「春眠暁を覚えず」

そんな言葉が浮かんだが、まだ盛冬にもなっておらず、

けれど冬至が明日なので、

明後日からは春の始まりに向けて気候が動いていくのだろう。

春分の日まであと90日。

夜明けの冷え込みの中、指を折っているのも悪くない。

魚がおいしい季節ですね。

それでは明日もまたここで!

Have a great day!!