COLEボードに描いた鳥があって、
その絵を見ながら新しい鳥の絵を描こうとしていた。
が、しかしそのボードはどこにもなく、
ずっと探していると、
弊社スタッフの萩生田(はぎうだ)とナガガワが登場し、
「あれは、このあいだの、移転セールで、売ってしまいました」
そんなことになっていた。
けれど、そのボードの色は単色で、
たしかあのボードはマーブルになっていたぞと感じ、
言葉がこんなに途切れるのが変だぞ、
ブンタイがない文体が、そんなことも含めて、
なんとなく変だなと思ったらそれは夢だった。
で、すぐにボードラックを見ると、
夢の中で売れてしまっていたボードはそこにちゃんと立てかけてあり、
「ああ、夢で良かった」と感じ、
そしてこのボードで波に乗りたくなった。
波を見に行くのだが、
折からの嵐が過ぎ去った翌日なので、
北風も強く、いわゆるクローズアウト状態。
サーファーたちは勝浦方面に行ってしまっていた。
仕事時間なので、
勝浦まで往復2時間は現実的ではない、
けれど波乗りはしたいので、
NAKISURFから一番近い(車で4分)一宮でサーフしようと、
スタッフたちを誘って向かった。
普段からクローズアウトに慣れている萩生田は、
「ちょっとワイドですね」というコメント。
ーーオーバーヘッド以上あるとなる現象のーー
ほぼ無人(2人他にいたが、違うピークでサーフしていた)で、
これはすばらしいコンディションだよと前向きに思想をスタッフに植え付けて、
いざいざと、でもふわりと堤防そばまで歩いていってパドルアウトを開始した。
左からナカガワ、萩生田、私。
そしてこれが夢の中で失ってしまっていたCOLE。
うれしやうれし。
パドルアウトするやいなや、
鳥と一緒に羽ばたくようにテイクオフした萩生田。
タイラー・ウォーレンのドリームフィッシュ5’3″
右手を波面に差し入れ、
それを軸にするほど押し出しのパワーが強く、
下手なレイルワークをすると、
一瞬で吹き飛ばされる波でのフルボトムターン。
すばらしい。
インサイドセクションは、
堤防にぶち当たったウエッジがやってきたり、
突然深く、
そして浅くなるとてもトリッキーな壁。
絶妙な前後バランス、
テイルのインサイドレイルを踏むことで加速させるトップターンで、
どのくらいのアドレナリンを得たのだろうか。
「ラウンドハウス・カットバックの印を結ぶ」
というありがたき言葉がウナクネ界にはあるが、
まさにそんなインフィニティな8の字レイルターン。
□
さて、
次はタイラー・ウォーレンのバーオブソープに乗るナカガワ。
身長177cm/体重72kgで5’2″のミニボードに乗るのは、
凝縮した滑走感を味わいたいからだと言う。
今回目に付いたのが、ナカガワのこのトップターン。
体を小さくして、
ターンのトップモーメントでそのスタンスを絶妙に押し出して、
波先に張り付き、最適な角度を探り、
横に、または斜め下に押し出す完璧な加重術を会得していた。
おのれ士郎めやるな。(©美味しんぼ)
フロントサイドのトップも同様で、
こうして這わせるように、
なめるように切り立つ斜面を滑る気分はどのようなものだろうか?
これがナカガワシグネチャーの、
『ペリカン・バックサイドトップターン』。
美しい。
波の斜面を良く知っている。
ボードの角度も絶妙で、スタイルも良いので、
この写真をタイラー・ウォーレンに送ると、
「もうすぐオーストラリアからモドリマス」
そんな返事が戻ってきた。
タイちゃん、日本の下にいるのですね。
さて、
私の番がやってきた。
ひさしぶりのショートボード。
しかもコンケイブデッキは、
パドリング時に体が沈んでいると思えるほど、
低い位置でのパドリングでゲッティングアウトした。
普段から「どんなサーフボードでも乗りたい」と公言しているので、
「ひさしぶりだから調子悪い」
「沈む」
そんなことは言わないし、感じないようにしている。
Cole Da Creature 5’7″
横にある堤防に北東からのうねりがぶち当たるので、
波が揺れたり、持ち上がったり、
失速したり、跳ねたりするのでむずかしいセクションだったが、
フィンレスをしてきて会得したのは、『体勢を低くすること』。
なので、この荒れたセクションも無事に降りることができたし、
加速セクションでは、
このようにフルレイルとし、
最近会得した『1/fゆらぎターン』をマックス出力として、
グラブレイルで手なずけることができた。
よーしよし。
マンライ。(満足ライディング©オガマさん)
しばらくぶりに乗ったショートボードでも、
新しい波乗り表現することができた。
大きなセットもやってきて、
その甚大なる嵐のパワーをたっぷり受けた波を滑るのは、
大海原を進む海賊気分で誇らしいものであります。
うまくいくと、
というか良い波に乗ると、
セカンドセクションを超えて、
さらにはショアブレイクまで来られるほど長く、
100mは軽く乗れるほどでありました。
良く考えると、
しっかり良い波を見切る波選択ができるのであれば、
クローズアウトではないということに気づいた。
先週親睦会をしたトロピカル松村さんのレトロ趣味に合わせて、
なつかしのローラーコースターをしようとしたのだが、
大好きなオフザカーブを選択し、
その揺れる波先を滑ってフィニッシュとした。
夢に見たCOLEボード。
そしてこのすばらしい波を滑ることができたのは、
日本昔話ではないが、「何かのお告げ」だったのだろう。
そして仕事の合間にスタッフたちとサーフするのは、
今までのNAKISURFには不可能だったことで、
それもこれもアポイント制方式の成せる技だろう。
これによってNAKISURFファミリーやユーザーさま、
そしてチームには迷惑をかけてしまうときがありますが、
波の良い時間、または波乗りしたいときにさっと出ていって、
インプレッションを書けるとか、
気分晴れ晴れで仕事ができる環境を作ってみました。
けれど、波乗り後の仕事がかなり辛いほど疲れてしまう。
私はこういうペースを何十年とやってきているけど、
スタッフたちにも時間をうまく使ってやっていただきたい。
私がよくやる技は「朝4時」というキーワード。
これを始業時間とすると、驚くほど波乗りが仕事日にできます。
逆に夜に残してしまうと、
自分が朝方ということもあって、
かなり効率悪いので仕事は早朝するスタイルとしています。
Time is moneyというが、
Time is lifeでもありますね。
それではHappy Surfingしましょう。
実際の世界でも、そして想像世界でも。
今日もありがとう、今日にありがとうございます。
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