今年の春の始まりは突然だった。
こうして色鮮やかな花が咲き、
季節がぐるりと変わっていった。
自分自身の波乗りを求めての旅が始まった。
伊豆南端の野良猫弓ヶ浜のメチャポンタ(♂)。
彼は今日もこうして花見をしているのでしょうね。
さて、
これは先日伊豆の大浜南で、
大雨の後に波が上がり、
南伊豆としては不本意な波の色だったが、
波質としては硬く、強いものだった。
ただ、そこまでのバレルではないが、
いくつか、時折まん丸なバレル波は来ていましたよ。
動画は撮れなかったのだが、
シークエンス写真を得たので、
こういった波でのテイクオフ詳細をここにおいておきます。
【テクニック編】
まずはパドリング。
乗る波を決めたら、
うねりを引きつけるだけ引きつけて、
ボードが波の前に押し出された瞬間に強く深く、
およそ3回から5回を全力で漕ぎきること。
きちんと漕ぎきれば、
波に押されてボードは斜面の中に滑り始めるので、
両手をレイルの上に付いて、上半身を起こしていく。
バックサイド波なので、
左側のレイルが支点になるように、
具体的には左を向くようにテイクオフする。
立ち上がって左手だけを離し、
右のレイルはいつでも押しつけたり、
弱めたりできるように軽く握ったまま。
左(背中)側のレイルが支点になると前出したが、
切り立った斜面がボードを滑らせ始める。
ほぼ加重はどこにもしていない。
滑りというか、
波や自身のボード挙動を探ったりするのがこの瞬間。
この波は*ハイラインで滑ることを選択した。
*ハイライン=波上部を使う滑走線’の
パイプラインではないが、
そんな波を仮定して、
一番波の上部のライン取りをしたく、
高い位置にレイルセット。
どんなにレイルを立てても、
右手でレイルを押しつけても切り立ってくる波斜面には抗えないので、
ここで下降というか滑り出していく。
体重負荷バランスは「滑らせる50%」、
「斜面に張り付く50%」としてみた。
波のパワーゾーンとなったので、
押しつけた分だけ速度となった。
そのまま波の上部にとどまるには、
レイルの押しつけ、
つまり右手を使って、
レイルを斜面に切れこむように入れていく。
レイルが入ると、
また波の上部に張り付ける。
バックサイドのバレル波は、
こうして丸くなっていく斜面を上下移動することによって、
メイクまでを任意的にコントロールしていくのが楽しい。
上に浮きすぎたら、
こうしてレイル加圧を弱めると、
斜面から押し出されて速度を増す。
レイルを押す、離す。
そんな単純な操作。
バレルにはならない波だけど、
リップのフックに引っかけてバレル気分を味わう。
こうすることによって、
「その日」「その時」が来たときには、
同様なことをするだけでバレルイン、
そしてバレルアウトができる。
この位置が最も高速となる。
オフショアにあおられてのスリルは、
波乗りの醍醐味を生で感じる瞬間です。
ジェイミー・オブライエンがバレルアウトしたことを想像したり、
またはジョンジョン・フローレンスになりきったり、
そんな自分が出現するのでありましょう。
緩くなった大きな斜面に安堵し、
そのままフィニッシュラインを探す。
もう一度ショアブレイクで掘れ上がりそうだったのか、
またレイルを引きつけているが、
波は終焉近くとなっている。
そのまま波の上に向けて、
ターンを放っていく。
こうすることによって、
次に来ているであろう波にも遭遇しなくなるので、
自身が持つ速度のまま波の裏側に向けてターンを始める。
はい、これで終了。
シンプルですが、
応用も効き、さらには大基本でもあるレイルターン。
バックサイドならではの、
外側から腕を使って内側にレイルを切れこませるというもの。
膝波でも練習可能ですので、ぜひお試しください。
ちなみに私はフィンレスサーフィングを開始してからというもの、
このレイルターンが拡がりました。
スリルたっぷり、しかも安定性抜群の基本をこの春ぜひ!
◎