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naki's blog

『無であり、波である』禅思考と膝波エックス_奄美王子ダイチとの再会_(2187文字)

自身のUNK-Sを仕上げようと、

海岸線(千葉県道30号線)から国道128号線に出ようとして、

東浪見の裏道を見つけた。

そこは人生で初めて走る小径だった。

新しい家、昔からありそうな家。

海岸線から500mくらいその住宅地が続き、

田園に変わる最後がアパートで、

その駐車場でいつかどこかで見た顔が微笑んでいた。

「ダイチだ!」

こうして俺たちは不思議な場所で再会した。

「試合で、来ました」

いつものように奥ゆかしく、静かにそう言ったダイチは、

晴れた日の駐車場で縄跳びトレーニングしていたようだ。

奄美大島の次期皇帝とされていて、

グリーンヒルの緑くんの甥。

前回最後に会った日からおよそ一年が経って、

すっかり男らしくなっているようでもあった。

Canvas Bliss Fish

5’4″ x 20-1/4″ x 2-1/2″

.

そしてその日の夕方、

一宮に行くと、なぜか大混雑で、

コシムネサイズのショアブレイクに人が殺到していた。

「波情報が良い点数を付けたからだろう」

そうやって見当を付けて、

テトラ群の内側なので混雑とは無縁の『エックス』に行くと、

波のサイズはメインの半分程度の

膝、たまにモモ程度だったけど、

いつものように少人数のサーファーが楽しそうにやっていた。

そこに見たのは、

ウナクネ式のノーズライドをするグリーンとオレンジのウエットを着たダイチ。

「うわ、また会えた!」

そう不思議な気持ちとなった。

なんといっても、

自分が選び出した混雑の裏側というか、

ウナクネ式のブレイクで、

しかも『エックス』でダイチと会うのがうれしく、

しかも同日ということに驚かされた。

私はそのブリスフィッシュで、

ひさしぶりのフィン付きサーフィング。

マンデーヤザワとの座談会で、

「フィンレスはカリン塔に登るような修行で、フィンを付けたら羽根が生える」

そんなことを言ったこと思いだしていた。

ちょっと前にJPSA戦でウルワツでサーフしていたダイチと話していたのは、

「奄美の波で、ウルワツに似ているところはどこだろう?」

という話題。

するとダイチは、

「東シナ海にあるプレジテントビーチが似ています」

そう答えた。

あちらはウルワツとは逆方向のライト波。

私も同意見であり、その波に乗りたく、

グリーンヒルに電話して宿泊予約をした。

波に当たるかな?

膝モモサイズだけど、

ダブルくらいの斜面を想像して、

全てのターンをやってみた。

フルボトムターンを適正位置でし、

フェイスに張り付いたらバックドアのバレルパンプのようにクネクネと。

あ、これは動画にあります。

(開始37秒後)

そしてこのキャンバス・フィッシュの驚異的なことは、

膝以下の弱い波でトップアクションができること。

フィンレスのときはできない切り返しのキレがあり、

上記したようにフィンレス修行が功を奏しているようだ。

このフラットなセクションで、

ここまでボードが傾き、そしてそれが速度となる。

ちょっとした飛翔感覚。

ささやかな泡だけど、

とても不安定でちょっぴりのスリルが楽しいスモールちゃん。

私は波乗りが好きなので、

こういう小波日も分け隔てなく好きである。

しかも浅いので、

こういったアクションは危険でもある。

そういえば、先日D師範ことシェーン・ドリアンと一緒に観戦した

”BILLABONG Super Kids Challenge Shonan”の決勝で、

ジンくんが「完全な」フロントサイドリバースをメイクした。

D師範と「これは何点出るのだろうか?」

アナウンスを気にしていたら、6点とちょいだった。

(終了後、ジンくんに直接確認してもそうだった)

これが10点だったら彼が優勝し、

6点だったから三位となったので、

ジャッジの基準というのはとても大切だと思う。

きっと鵠沼波、南東風強くというコンディションだったから、

長い距離を滑ること、

マニューバーの連続ということが最高得点の基準だったのだろうが、

ターン的にはピカイチだったので、

興行的に(WCTもそうしているのだろう)もその超越的なるものに高得点を出した方が、

観客にもわかりやすいのではないだろうか。

とにかく、私はその弱い膝波でのエアリバースに強い記憶を持った。

話が逸れたが、

フィン付きの、しかもフィッシュというのは、

それはそれは楽しいボードなのだと再確認できたエックスでありました。

ほぼゼロ速度という泡の上で、

自分の表現する体勢でサーフボードの上に立っていることは、

禅に通じるようだ。

『無であり、波である」

そんなことを感じていた。

このアウトラインが官能的であり、

そのフィン位置も含めて、いつまでも眺めていた。

ちょうど週末にウナクネ三部作を書きました。

[ウナクネ三部作・序編]ネオ・フィンレスに最敬礼_炎のなかのサヴァーダ思想 バラボン論的タキビネコ論_(2088文字)

[ウナクネ三部作・中編]最近乗った波動画_サバちゃんが主役!?_(404文字)

[ウナクネ三部作完結編]スーパー・タキビーシヤスについてのまとめ_(2628文字)

お時間のある方はぜひ読んでみてください。

私たちの掲げるウナクネ思想のかけらがわかると思います。

タキビネコトリオがいて、焚火師ヤスがいて、

そしてサバちゃんがいるのは、

まるでちょっとした神話みたいだと思いながら、

シェーン・ドリアンの原稿8枚を書き上げた朝。