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naki's blog

サーフィンがつなぐ縁_本間龍一くんの創った大きな鳥_(1260文字)

Ryuichi Honma

Amami Oshima

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今日はいろいろ書こうと思っていたけど、

昨日のサンセット前に

ーーこの鳥雲を見て、

何かほとばしるようなエネルギーを受けた。

それはなんというか、

うーん、

私は宗教者ではないから、

ここで使う単語を選ばなくてはならず、

とすると、

いまは上手く言葉にできないけど、

『やはり冥界と現世の隔てがなかったんだ」』と実感してしまった。

これを全て説明しようとすると話が長くなるので割愛するが、

奄美大島に本間龍一くんというグレイトサーファーがいて、

2011年、

彼がひとりで岬波でサーフしているとき、

ボトムに頭を打ち付け、

さらにはそのまま漂ってしまったようで、

翌日以降の捜索もむなしく、

帰らぬ人となってしまった。

彼はーー短命の人の特徴なのかーー善人で、

男前で波乗りが大好きで、

島に行くとよく一緒にサーフしていた。

本間龍一くんと波に乗った日_(456文字)

彼が亡くなった岬の上に小さな慰霊碑があり、

そこに行って、彼が見た風景を焼き付けたりしていた。

その龍一くんの眠る奄美大島に今年もやってきた。

今回はSeeaの撮影とコーディネイト等々で、

朝から1日中かけて島の北側を廻っていき、

白砂のビーチまでバン2台を走らせていたら、

ルーキーとアマンダが「ここきれいよ!」となって、

展望台に停車すると、

ふたりは階段を降りて玉砂利のビーチに行ってしまった。

私は手すりに乗りだし、彼女たちを目で追いかけて、

ふと前を見ると、その本間龍一くんの最期の岬が真正面に見えた。

これも不思議な縁だなぁと感じ、目を閉じて彼を想い返していった。

やがて彼がまだ生きていて、

電話をして波乗りに誘いたいような気持ちとなっていると、

「ここ最高よ!」そう言いながら興奮して戻ってきた二人が、

「ここで撮影しましょう!」「シマショウ」ということとなり、

何枚かのスイムスーツ撮影を終えると陽が落ちてきた。

ふと海の方に目を移すと、

そらには大きな鳥雲が浮かんでいて、

その下というか、

鳥が飛び立ってきたであろう岬は本間龍一くんの眠る場所だった。

なるほど、

冥界の彼はこうして鳥好きの俺のために、

雲を使って、

「NAKIさん、ぼくはハピネスですよ〜!」

とサインを送ってきたのだと直感した。

『時空を超える』とは聞く言葉だが、

冥界と現界をつなぐものがあるのかもしれないと感じたら、

なんだかうれしくなってしまった。

カメラを戻しに車に行くと、

大瀧詠一さんの名曲

『夢で逢えたら』がシャッフルしていたiPhoneから流れていた。

これがそのとき流れてきたオリジナル。

すてきだな、と感じたのが、

大瀧詠一さんチルドレンのひとりである鈴木雅之さんのVer。

私の場合は眠らずに、

あなたに逢えるまで走り続けたい。

そんな歌詞としました。

本間龍一くん、また逢おう。

すてきな鳥をありがとう!

さぁ、美しい波に乗るぞ〜!

Seeaベイブたちも「ホーオー」だか、

「ヤー」という声を上げて盛り上がっています。

サーフィンがつなぐ縁は永遠ですね。

Happy Surfing!!