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naki's blog

【テクニック、マナー編】問題を解決するのはサーフィン・オリエンテーション_(3122文字)

サーフィンの場合でのオリエンテーションの意味

【orientation】 《「方向づけ」の意》

新しい環境などに人を順応させるための教育指導。

特に、サーフスポットやコミュニティで新しく入った者に対し、

波に乗る仕組み・ルール、

楽しみ方やブレイク周辺の仕組みなどについて説明すること。

【奄美大島】

今回のトリップは大きな波には当たらなかったが、

ありあまるほどすてきなことがあった。

波があったに越したことはないけど、

膝、腰サイズでもすばらしい日になる。

特に

「適正サイズのショートボードに乗りたい」

ということに決別してからは、

波が崩れていれば楽しくできるようになった。

そんな達観を得た。

これは自分の人生にとってすばらしいことだと思う。

今回の旅は、

Seeaベイブと島の仲間。

島人のひとりである緑くん。

彼とはかれこれ15年くらいのお付き合いとなろうか。

彼の名前が義人だから名字と合わせて、

グリーン・グッドマンとも言う。

さまざまなローカリズムを見てきたが、

彼は、

「波、きちんと乗れる人なら大歓迎よ」

と言い切る。

それは次世代の牧野大智くんも同じ潮流であり、

ノースハワイ(カウアイ島)のローカリズムと似ていることに気づいた。

ありがたい。

そんな奄美大島だけど、

ビラリーフという由緒正しいブレイクに行くと、

ボードの上でパドリングすらできないサーファーたちが、

サーフボードの形をした浮力体に乗っていた。

ただ、他にサーファーがいないので、

彼らは見たことのない私に対しては、

ローカルサーファーの真似をしていた。

そして、来る波全てを追いかける。

私が乗ろうが、

彼の仲間が乗ろうが乗るまいがおかまいもしない。

競走馬のように前しか見ないで、

波のリップだろうが、

スープだろうがテイクオフしようとしていた。

けれど乗ることは20回に一回程度だろうか。

乗った瞬間にワイプアウトするという初心者ムーブ。

この状態でも私は、

「波の順番」ということも気にしていたので、

彼らが乗れるであろう波をスルーし、

「できたら乗っていただきたい」というマナーでいたのだが、

その波ですら乗ることができない。

仕方ないので自分の番に乗るのだが、

その乗れないパドリングで、

深いーー明日になってもブレイクすることのないであろうショルダーで、

一生懸命にノーズを浮かしてパドリングして、

こちらを見ることは一切せずに邪魔だけをする。

悪意があるというわけではないが、

あまりにも幼稚で、

サーファーだとすら思えなかったサーファーたち。

きっとこの日が初めてとか、

2回目だと思えるほど初級なんだけど、

見た目はベテランという気概があふれていた。

(実際はサーフ歴何年というベテランらしい)

沖で待っているときには、

乗れないのは私のせいとばかりに恨みのこもった顔をこちらに向けてくる。

後で、地元のサーファーたち(およそ5人)にこのことについて話を聞くと、

どうやらそれは移住者のサーファーたちで、

彼らのマナーの悪さが聞こえてきているともいう。

ただ、島の人がいると、

途端に善良なビジターサーファーを装うので、

証拠をつかめないでいたとも。

万年初級者なのに、

そういうことだけはできると、

島の人に知られているとも聞いた。

島人が優しいからと、

ビジターが何も言わないからと、

そこにつけ込むようなニセサーファーたち。

善悪はイコールとあるが、

今回のすばらしかった、すばらしすぎる旅の闇というか、

ネガティブなことはここに凝縮されていた。

サーフィンは楽しむことであるが、

酒の席や映画鑑賞ではないので、

海や波にしっかりと向きあうことができることが最前提だと思う。

これはローカルとか移住者とか、その以前の問題でもある。

なので、しっかりと1から波乗りを見直してやり直すべき。

けれど、彼らは奄美に移住以前にどこかでサーフをしていたわけだろうけど、

あれほど何も学ばないで、サーフボードを持ち、

潮を読んで波乗りに来ていることも奇跡だと思える。

情報が発達し、それに沿えば形ができる典型か。

Yusei Ikariyama, Omami Oshima 2011

.

その後、

キャンネン・サーフの碇山勇生くんとこのことについて話すことになり、

これからはそういう人には

「イエローカードやレッドカードを出して、

当該者には講習、つまりオリエンテーションを開くべきではないか」

という建設的な意見が出た。

これはローカルサーファーはもちろん、旅行者であっても同様だ。

また、旅行者は到着してすぐにサーフするわけだけど、

基本的なマナーとしては、

「そのブレイクはどのように波に乗られていくか」

をしっかりと見てからパドルアウトするべきだろう。

今回も多くの旅行者がその千葉だかの

「少しでも早く立ったら自分に優先権」

「サーファーに対して進行方向の後ろになれば全権限が与えられる」

というルール&マナーで、

美しい波をかき散らしていたのを見た。

私たちがサーフ撮影をするときには、

無人のところを探してサーフすることが多かったのだが、

そうやって3〜4人入ると、

今まで無人だったのに

わざわざそこにやってきて波に乗ろうとするサーファーたちの多いこと。

きっと「あそこに人がいるから良いに違いない」

そう思ってそこにやってくるのだろうが、

どこでも波はブレイクしているので、

仕方なく私たちが他のピークに移動すると、案の定くっついてくる。

しかも女の子がせっかくやってきた波のピークに入って、

スーッとボードが滑りだしている状態でも後ろから威嚇するように

真剣な顔でバタバタとパドリングし、

(ピークの女の子に)その波をあきらめさせたのに、

いざ波が崩れそうになると、怖いのか、

気に入らないのか、責任感もないまま乗るのを止めてしまう。

そしてこちらを見ることもしないで無視している。

嗚呼。

越間さん、奄美大島観光協会会長

.

Seeaベイブは、

「奄美のサーファーって、案外アグレッシブね」

そう言ったが、夕食の際にあれは地のサーファーではなく、

旅行者だったんだよと教えると、

「あら、そうなの」と目を丸くしていた。

やはりオリエンテーションが必要なときが近づいている。

奄美だけではなく、どこも同様な気もする。

サーフィンって、

みんな始めるときはスクールとかで教わるけど、

少しすると、

誰も学ばなくなってします。

特に最近は、他のサーファーがどうやって波に乗っているのか、

またはどういうマナーが最良なのかを知ろうとしないし、

友人同士であってもマナーとかそういうことは言わないと思う。

ただ、それが『誰かからの文句』という形となって聞こえてきたときに

「ローカルに文句を言われた」

そうやって、

大切なメッセージをひとくくりにして通り過ぎてしまうのではないだろうか。

Daichi Makino, Amami Castle

.

車の交通もそうだが、

ルールとマナーがあって、

初めて円滑になるもので、それは波乗りでも重要だと思う。

一緒に入るブレイクなら、

もっと一体感を持ってサーフすればいいのだと思う。

そうすれば「良い波だったね!」

とか、「あれは危ないよ」とやっていけば、

サーファーのレベルも、楽しさも上昇するはず。

なので、オリエンテーションは最重要かと思います。

その指針となるものは、

地域で違うだろうし、みんなで創り合えばいいと思います。

Tebiro Beach, Amami Oshima

.

まとめると、各地でルール&マナーを教える、

おさらいするオリエンテーションの会を開きましょう。

ちなみに候補地は、

藤沢8ホテルラウンジ(ヘアカリフォルニア)、

NAKISURF千葉一宮を挙げています。

奄美は、手広のBBQ場はいかがでしょうか?