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naki's blog

【テクニック編】『意味をなさないことに教理を振りかざさない』_(3438文字)

そろそろ台風シーズンですね。

White House, North Hawaii

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ニュージーランドで発生した嵐からのうねり。

体調も全ての準備をしないと乗れない波もあります。

Catch Surf Barry McGee Limited

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これが昨日の私。

一宮の午後はサイズが下がり、

潮位も増したので、

波がブレイクしているのはエックス周辺だけであった。

よって超混雑。

けれど、そのエックス北側のショアブレイクは無人で、

10m程度のパーフェクトレフトだったので、

そこで入っていた。

河合さん、ツナくん、杉本さん夫妻、

カワダさんたちと愉快な南風セッション。

水温が一度上がったが、

また今日下がってしまったという。

昨日ですらTシャツトランクスで震え上がってしまったので、

今日はウエットスーツが必要です。

(これがその無人ショアブレイク。駐車場の目の前だが、誰も見向きもしないエリアであった)

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人がタヒチで初めて波に乗って、

それがハワイに伝わったとされる。

日本にも波に乗る行為Surf+ INGが伝わって久しいが、

誤読されているもののひとつにローカリズムがある。

某日某所でサーフしていた。

そこはこの小川を挟んで向こうがショートボード、

こちらがロングボードと分けられていた。

だがその境界もあいまいで、

「この辺りから」

そんなゾーンが空いていたので、

そこで波を待っていると、

もうひとり楽しそうにミッドレングスで波に乗る氏がいた。

(私はフィッシュだった)

50〜60代だろうか、

波を待つうれしそうな日焼けした顔。

少し経つと向こう、

ショートボードエリアからわざわざパドリングしてくるものがあった。

その彼(40代だろうか)は、

「ロングはあっちに行け」

氏に突然そう言い放った。

言われた氏は憤慨した顔を一瞬見せたが、

瞬時に落ち着き、

「これ、ロングじゃないんで」

そう返答した。

「じゃ何なんだよ」

「7フィートのファンボードだよ」

ここで氏は怒り始めているように見えた。

彼は言葉に詰まると思われたが、

いつもの調子らしく、

「ロングに見えるんだよ。とにかく上がれ」

そうめちゃくちゃなことを言い始めた。

ここまで来て黙っていないのが氏である。

どうやら百戦錬磨の強者らしく、

彼のそばに行き、ボソボソと言ったと思うと、

彼の顔が青ざめるように白くなり、

逆に彼が上がっていってしまった。

楽しいはずの波乗りが台なしである。

当事者はもちろん、見た人も、

そしてもしも大喧嘩になったら….。

愚行である。

彼にそんな事をさせたのは、

制度としての仕組みと、

とりわけそんな発言のひきがねとなったのは、

自分たちの決めた規則への教理であろう。

地元民優越主義によるロマンチズムもあったのだろう。

観念が彼の内部から思考を追放したのである。

きっとこのルールの元々は、

ショートボードエリアで乗りまくるロングボード

(マルチフィンの、膝の上にリーシュをした、

細く、薄く、そして長さだけ9フィート)の、

あまりの他者を考えずに波取りをすることを抑制するために発せられたローカルルールであるので、

逆に考えると、そうでない時は誰も何も気にしないほうがいい。

あの日のように空いていて、私たちだけで楽しくサーフしているのだから、

それがロングであろうと、ショート、またはカヤックでもいい。

ここではリーシュも要着用らしいが、

膝波の日などはローカルは誰もしていない。

とにかくビジターはNGだという。

後日、このことについてローカルのひとりに聞いてみると、

「以前、ノーリーシュの人が大怪我させたことがあるんです」

私はサーフィンの大ファンである。

なので、

各地各所で膨大な数のサーファーたちを見てきたが、

危ないサーファーだらけである。

事実私も何度も幾度も顔面目がけてボードを蹴り出された。

ドキリとして身構えるのだが、

次の瞬間には加害者になる相手は、

リーシュを掴んで、ボードを引っ張る。

かくして無傷で済んだ一大事。

今これはリーシュを礼賛するために書いているわけではない。

大切なのは、

サーフボードを人に向かって蹴り出さないようにすること。

そうすると、

「初心者には難しいです」

と返ってくることになるのだが、

もし前方に人がいたら、

危険が前方にあったら事前に止められるような視界を持ちなさい。

あまりにも夢中になって、目の前しか見ていられないのなら、

落ち着いて波に乗れるようにしよう。

それがリーシュをしているからといって、

その近視界のまま危険が現れたといっては、

サーフボードが自分から遠ざかるように、

つまりは蹴り出して、

その後リーシュで引っぱっているサーファーたちの多いこと。

視界を広げるという要素のかけらすらない。

夏の海でそんなことを気にして見ていると、

ほぼ半数がそんなことをやっている。

きちんと自分がボードをコントロールする。

最後まで、いつまでも操作する。

これがサーフィンの基本。

事故にはさまざまなパターンがある。

それを怪我をしたからと禁止にするのは、

「交通事故が起きたから、この道を永年通行止めにしました」

そんなことと似ている。

話が逸れた。

この『教理』はどこにでも存在している。

原付(原動機自転車)は時速30kmが制限速度。

黄色い信号は「止まれ」。

(道交法。黄色信号=車は進入してはならない。 安全に止まれない場合のみ、そのまま進行することができる)

電車の中では通話禁止。

タトゥーが入っている人は入浴禁止。

そうあるが、

30キロ以上出さない原付を見たことはあるだろうか?

止まれる場合であっても黄信号できちんと止まる車はあまりいない。

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以前に、こんな事もあった。

ほぼ無人の車両。

つまりドアが4つくらいあって、

定員162名とかの車両で乗っているのは、

私ともう二人の三人だけだった。

ややすると、

「携帯で話すの止めろ!ルールを守れ」

もうひとりいた人が喰ってかかっていった。

そして、冒頭の話みたいなことになって、

結局揉めた二人は、

頭から湯気が上がるほど真っ赤な顔で怒りまくり、

次の無人駅で降りていった。

話していた人に肩を持つわけではないが、

彼は私の付近にいたが、その通話が気になるというわけではなく、

いたって静かに話していた。

これも「携帯電話の使用禁止」という教理のロマンチズムがもたらせた悲劇であろう。

JRだかどこかの調べだと、

昨年だけでも携帯電話のトラブルによる暴力事件が多く、

その十数件が重大事件になっているということ。

きっと大なれ小なれこんなことが発端となっているのだろう。

とにかく『教理』を振りかざす人は

その『遊び(隙間や緩み)』を理解すべきであろう。

この工学的な『遊び』という言葉を調べてみると、

「操作が実際の動作に影響しない範囲のこと」

とあった。

おわかりですね。

「意味をなさないことに教理を振りかざさない」

ということです。

遊びの遊びだな、

ここまでここに書いて携帯を見ると、

湘南の友人(グレイトサーファー)から着信があったのでかけ直した。

するとこんな内容の話となった。

今日は友だちたちとほぼフラットの海で、

しかも誰もいないで波に乗るマネごとをしていたら、

遠くからSUPの怖い人がやってきて、

「リーシュをしていなければサーフィンしちゃいけない」

そう言うので、みんなで「誰もいないじゃないか」

「波がないんだから流れないです」

とやりかえしたら、

その棒(オール)を上に持ってすごまれたので、

「やってみるならやってみろよ!」

そう顔を出すと、

SUPはあきらめて捨て台詞を残して去っていったそうだが、

そんなことで全員がせっかくの休日の友人たちとの時間を

とてもつまらない思いをしたのだそう。

その人は、そんなことでわざわざやってきて、

もし何かあったら大ごとになるのに、

下手をすると下手をするのに。

意味も何もわからない。

そんな話ですが、

きっとみなさんの周りにも起きていること。

ローカルの人たちも、もしヒロイズムとかそんなことで、

「お!俺が文句を言ってくる」となっても、

そのルールの本当の意味を考えてから、

理路整然と説明するように当事者と接することが大切です。

ここに書いてもどうにもならないかもしれませんが、

逆にローカルの人がこれを読んでくれますように。

分かっていない仲間がいたら

「意味をなさないことに教理を振りかざさない」

そう教えてあげてください。

みんなが遊びの意味を考えて、

人生もサーフも楽しくできますように。

HAPPY SURFING!!