UNK-SX7
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おはようございます。
台風5号ノルは、
関東地方にうねりを届け続けること14日目となりました。
こうなってくると、
「波がない」
「波が小さい」
そんなことを言われていた日本ではないようで、
オリンピックがこんなときに開催されたら盛り上がるだろう。
さて、タイラー・ウォーレンのフィッシュが完成し、
湘南まで納品と相成ったのと同時にサーファーズ岬の波高ブイが上がり始めた。
この波高ブイ情報だが、
これを調べることはハワイのときに身についたもので、
この表示する波高と、波と波の間隔、
そしてその入射角度で波のだいたいがわかるという優れもの。
一昨日、木曜日の朝6時が69.7cm/10.5秒/南という計測で、
それが朝8時になったら、突然115.2cm/11.4秒/南と跳ね上がった。
これはおよそ波の高さでいうと倍、そして間隔が長くなったので、
朝の2.5倍と予測を立てつつ、
西湘松風王国のU-SKEさんに連絡をすると、
やはりウルマチュの波が上がってきたという。
そしてCOLORS MAGAZINEのヨゲさん、
SURFERSの岸さん、
きんちゃんたちからも次々と連絡が入り、
それぞれ「上がってきた」という。
特にSURFERS岬を見ながらの波情報(きんちゃん)
に臨場感があったのと、
自分の好きな波で、
新作UNK-SX7が初乗りできるとあって、
逗子サーファーズ岬を目指すこととした朝。
今回のボード群。左から
Catch Surf Skipper Fish 6’6″
Catch Surf x DFW Pro (Side Bite) 7′
Catch Surf x Odysea Log 7′
UNK-S 6’1″
UNK-S II 7′
UNK-SX7
Tyler Warren’s Dream Fish 5’5″(ビラボンストアさん用)
そうです。
UNK SX7が完成しました。
前田博士が朝4時に起き、
そして夜も遅くまで、
この日のために行程を少しずつ進めて、得た日。
本当にありがとうございました!
今までウナクネボードシリーズ、
つまり元々は私の提案にライアン・イングル博士が賛同してくれて、
彼の長きに渡る研究結果である
『マジックボード数値』を与え、完成したのがUNK-Sだった。
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ウナクネ式ボードの詳しくはこちらに書きました↓
で、このUNK-Sに持つと、
なぜだか良い波に当たり、
自身の人生でも心に残る波群を得る縁と運をもたらせてくれた。
UNK-S 6’1″
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UNKはウナクネの略で、
それはすなわち自分デザインであり、
Sはシングルフィンの略語。
3号機を製作したい、ということになり、
しかも日本で作りたいとなって、
その門を叩いたのが、
エボルブ・フューチャー・シェイプの前田博士。
彼の世界的に名が高いモダンシェイプ技術と、
エゴが少なく、明晰、精確ということでの訪問だった。
そして彼は快諾してくれ、
UNK_S IIが完成したのでありました。
千葉一宮の良波。
これは早朝の海水浴場左。
今回は初の試みであるX、
非対称テイルのあしゅら男爵(©マジンガーZ)仕様となりました。
簡単に言うと、
「ボード左側半分が6’1″、
右側(デッキ側から見て)を6’11″とした非対称ボード。
描いた非対称のテイルデザインと、
左の短いボトムにはバレルコンケイブ、長い側にはチャンネル」
という本気かつ真剣なる魔力の概念を伝えると、
前田博士の目が爛々と輝き始めた。
いや燃えはじめたと書くべきか。
まるで星飛雄馬か、
いや焚火猫ボンの瞳を思い出すことになった。
その前田博士は瞳を煌々と燃やし続け、
それぞれのテンプレットを使い、
理想以上のものにしてくれた。
完成したときは、彼がダビンチに見えた。
で、SX。
Xは、「X=未知なるもの」という言葉なので、
1号機、2号機(EKさん所有)、3号機(S II)というSの系譜を受け継ぎ、
SXと相成ったのであります。
千葉を午後1時に出て、
アクアライン経由で逗子に着いたのが3時前。
いざいざとステッカーを貼り、
ワックスアップして、
フィンを左、つまり私のスタンスだとカカト側をナブスターとし、
右側、
つま先側をボンザーの後(小)フィンのミニマルスタイルとした。
奇天烈だが、100%機能する自信と裏付けはあった。
サーファーズ岬は、
まだまだ本物にはなっていなかったが、
セットで肩、たまのオバケサイズで頭くらいのがあり、
そこで滑るというか駈けるSX7の速さに驚いた。
折からの北東風(進行方向正面から来るサイドオフショア)のファクトもあり、
まるでモーターサイクルでの疾走と同じだった。
「ゴーグルがいるほど飛沫が痛いです」
挨拶代わりにブレイクを共有するサーファーにそう言うと、
「倍くらいスピード出てますよ」
私だけの感覚ではなかったのだ、
うれしくなり、波を待ちつづけることとなった。
4時になると正ちゃんと、
泰介さんがやってきて、さらにはナチくんが5時くらいにやってきた。
全員が私を10代の頃から知っているので、
お互いの順番も全てわかった最高のかけがえのないセッションとなった。
「何それ、フィン付いてないの?」
「こんなミニマル」
「すげえ」
そんな会話だった。
夕方頃は、他の人がみんな上がってしまい、
ナチくんとナッキー、他2人だけの
「セットで軽く頭はある」セッションとなって、
大マンライで上がってくると、
すでに4時間近くも経過していて、
ひさしぶりのマンライサーフ祭りとなった。
マンライ=満足ライディングの略(©オガマさん)
ナチくんも上がってきて、
「これめちゃくちゃ速いじゃん」
そんな文体でSX7の詳細に目を入れていってくれた。
最良なる日であります。
嗚呼、SX7。
ビラボンストアさんに到着すると、
こちらはキャッチサーフ祭りとなっていた。
すばらしい色合いに目が和む。
ビラボンさんでは、
タイラーフィッシュに目を入れるS部長。
ボードから発するオーラに
「自分が乗りたいです」と最高の言葉を残して、
肉離れケンジくんたちとスエバ前にパドルしていった。
これはタイラー・ウオーレンが、
長年スポンサードするビラボンさんへの、
恩返しのハンドシェイプシリーズです。
湘南サバリバでゆっくりと、
そんなことになったのだが、
あのSX7の衝撃に興奮してしまい、
何度も目を覚まし、
結局は朝2時に目が覚めてしまったのでありました。
(続く)