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naki's blog

【naki’sコラム】vol.48 過ぎ去った光と風、波と精神の諦観

【諦観】 全体を見通して、事の本質を見きわめること。

この言葉を辞書で見つけ、使ってみたくなった。

「見きわめる」
ということは俺たちサーファーならいつも通過していることだ。

1)海に入るか入らないか見きわめる
2)使用ボードを見きわめる
3)入る場所を見きわめる
4)来た波に乗るか乗るか乗らないかを見きわめる
5)どちらの方向にどのくらいの速度で滑走するかを見きわめる
等々…。

見きわめてばかりの人生だが、これがないとつまらない。

さて、俺の心配と不安を乗せたUA069便は無事にノースハワイまでやってきました。
機は着陸し、滑走路をごろごろと進みながらこの旅を回想していた。
カリフォルニア、エルサルバドル、そしてカリフォルニアと動いた3週間は終わってみると一瞬の出来事で、さらにはそれが遠く昔に感じられるほど彼方に行ってしまったようだ。
放心するように空を見て、旅先で出会った様々な景色を想いだしては、こころに刻むように整理していった。

自宅に戻ると、ダブルレインボウのお出迎え。
ノースハワイもすばらしい、と改めて感動する。

エルサルバドルで出会った人たちに写真を整理し、eメールで送る。
早速何人からお礼が来て、その内の一人は
「一生の写真をありがとう!ワインを何本か送るので住所を教えて」
とていねいで、こちらまでうれしくなる。

↑このTJはフェラーリの国際広告部部長だが、かなり俺と意気投合し、
「NAKISURFコムとTシャツのコラボをしたいんだけど、可能かなあ」
なんてすごいことを言ってきた。

一日10時間サーフすることが自慢のウエインは、
「5-2のボードなんて乗れるとは思わなかったけど、こうして写真を見ると自分が誇らしいなあ」
という感想を送ってきて、
「今度はフロリダで会おうよ、おいでおいで」
とみんな元気そうだ。
あと一人、ビラボンの監視役のジョーシュはドッキーのニュートイ5-9をかなり気に入っていて、
「ドッキーの連絡先を教えて、いやジョンの方がいいかな」
と、どうやらAVISO購入を目論んでいるようです。

フレちゃんに波を聞くと
「南うねりが入りはじめた」
ということで波乗りに行きたいのだが、現在俺は原稿仕事x3、動画x5,広告デザインx2、そして契約関係等の仕事がたんまりと俺を睨んでいるので、観念して仕事をします。
オフィスに来て、メールを開くと、水中カメラハウジング制作の権威デール・コベテッチから
「I AM KOBETICH!」
とこんな画像が添えられていた。

この作品は
「狂気に近い、けれどすごい芸術だ」
と窓の外を見ながら想っていると、ピンクフロイドの『エコーズ』がラジオから流れてきた。
人生は深い。

(了、2009.04.13)

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