東にあるトロピカルストームはハリケーンに格上げされたが、うねりの向きが悪いのか、波高はさらに下がっている。
トレード(貿易風)が強く、晴れたり曇ったり、はたまた雨が降ってきたりと、長時間(60分以上)サーフするには上半身にウエットスーツがないと少し冷えてしまう。
ホワイトハウスは朝からすごい横風なので、あきらめて恒例の闘牛岬に行く。
腰から胸程度のサイズで、パワーのない波だった。
ここは西にあるので朝はオフショアなのだが、たまに無風となる。
そんな時は海面に浮かんだ無数の気泡に耳を近づけて、弾ける音を聞いていると、ありとあらゆる泡の割れる音があることに気づいた。
シュワー
パツパツ
パチパチ
ツツツ
タタッター。
泡が個人主義なのか、または複数、団体で協奏するのでは音が変わってくる。
今日初めて泡の主張を感じたような気がした。
「そらをを見て、雲の形から大きな世界を知り、気泡を見て、極小なる主張を感じる」
そんなことをぼんやり考えていられるのも屋外遊びの特権ですね。
ひさしぶりに波乗りの写真を撮ってもらう。
最近はサーフウオッシュに凝っていて、洗濯しなくていいので「小さなエコ」だと思っているのと、これはTシャツの型作りも兼ねている。
普段はアメリカ・メンズのS、日本サイズだとMを着ているのだけど、サーフウオッシュにはかなり小さめの(XSとか女性用のM)を着て、その襟や袖を波に巻かれたり、パドルの時に伸ばしまくり、潮をあまり洗い流さないで天日乾燥させていると、すごく良い風合いと、各部がヨレヨレして自分だけの型になるのでお試しあれ。
その内にケリー・スレーターとかドノヴァンが型付けしたストーンウオッシュならぬ、サーフウオッシュのTシャツが発売されるような気もしている。
現在小波での、大きなラウンドハウスカットバックを練習中。
これは結構思ったようにできました。
この辺りからさらにレイルを沈めて加速していく。
「沈めて加速」とは相反するのだが、波の位置がいいと速度がつくのです。
どうぞ波の中腹からのターボ加速を味わってください。
ここまではいいのだが、
このホワイトウオーターのリエントリーで、もうすこし切り返しの彩度を上げるべきだったと自省する。
レイバックで切り返す、または手前からパワーカービングでレイルを引き落とす等、選択の余地があったのだが、無難にいってしまったのは上に書いたように「泡の音を聞いていたりして、精神的にリラックスしていたからだろう」と分析してみた。
↓バレル手前の泡状部分からグラブレイルで、強引にバレルを狙っている瞬間ですね。
小さくてこのように体を縮めてようやく走れるバレルだったが、こんな日もこうして波に合わせていると、大きい波でも同じセオリーなので、『the Day』の時に効果を発揮するのでぜひ!
まだ俺が10代の時に鎌倉の裏道をD先輩と焼き鳥屋に歩いていたら、垣根に張り付いてグラブレイルの格好をしていた先輩を見て、何をやっているんですか!?と聞くと、
「練習でしょ~!明日はこの位(波が)上がるから、これもんで(チューブに)入るんだよ」
と言われ、俺も「では」と一緒に垣根に張り付いていたことを思いだした。(笑)
その何十年か後に先輩は滝の中に入りこみ、
「深えバレルだべ?」
とニコニコしながらアピールしていたことも思いだした。
イメージトレーニングも重要なので、垣根だけはどうぞ試してみてください。
(了、2009.08.06)