「サーフボードはなぜ水の上を滑走できるのか?」
ぼくらサーファーにとって当たり前のことですが、
サーフィンをしない人からすれば大きな疑問のようです。
何の動力もない板きれのサーフボード、
「パドル」と「波の力」、
それだけを頼りにしてぼくらは波面を滑走します。
・・・しかし!
そこにはサーフボードの魔法があるのです。
波待ちしているときは、
ほぼ沈んでいるサーフボード。
波待ちの際にサーフボードに立ってみると、
ボード全体が沈んでしまうのが分かります。
(ロングボードなどの高浮力ボードは別です)
バランス感覚を鍛えるのにもいいので、
ぜひ試してみてくださいね。
パドルをしてスピードをつけると、
ボードの半面以上が海面上に浮き上がります。
さらに波のパワーを得た瞬間にボードはフワリと走り出し、
波の斜面を滑走するときには、
まるでサーフボードが宙を走るように、
海面(波面)からボード全面が浮いて走っています。
ダウン ザ ラインでは、
レイルを入れずに波面とボトム面が接する状態、
(スキーでいう直滑降の状態)
これで滑走するのがもっともスピードが付きますね。
ある程度スピードをつけて、
高速状態でボトムターンに入れば、
テイルと波側のレイル部分のみ、
点で接するようにサーフボードは海面から浮き上がります。
同じボードなのに、
静止しているときと滑走状態では、
なぜここまで浮力が変わるのでしょうか?
サーフボードの魔法、
それは「スピード」と「コンケイブ」にあるようです。
平面で水に接してるサーフボードには、
もともと浮力がありますが、
パドル中にボード全面が浮き上がるには、
「ボトムコンケイブ(凹み)」がカギを握っています。
ボトムの凹みを通る水の流れが、
水面への反発(浮力)を生み出します。
その水流の反発により、
ボードは海面に押し上げられるのです。
さらにサーフボードが斜面を滑走するとき、
サーフボードは加速して「スピード」を得ます。
このスピードがサーフボードに揚力を与えます。
「水流+スピード=揚力」
スピードが上がれば上がるほど、
サーフボードは海面から押し上げられます。
トップスピードで波を滑っているとき、
まるで宙に浮いてるのではと思うほど、
気持ちのよいグライドを味わえるのです。
ショートボードなら、
そのスピードを活かして波を駆け上がり、
派手なトップアクションやフルレイルターン。
ロングボードなら、
揚力を活かしてノーズライディング。
サーフボードの原理を意識することで、
スピードを楽しむトリムグライドやクルーズ、
高速カービングターンなどが可能になってきます。
ボードの特性を知ることは、
自分のサーフィンを変化させて、
楽しさの幅を持たせることにも繋がります。
また波質をイメージして、
サーフボードを選ぶ楽しさも生まれますね。
サイズのある波でのダウン ザ ラインで、
波面とボトム面のスムーズな接地を意識し、
トリムポジション(ボード中央付近、もっとも速度が出る位置)に立ち
レイルを軽くセットするだけ。
ただただ高速浮遊する感覚を味わうのも、
最高に楽しいサーフィンのあり方だと思います。
来週はコンケイブ形状について書いてみたいと思います。
(じゅん)
為になりました!
次回、コンケーブ、楽しみです。
フィンについてもお願いします。
疑問点は、フィンは、抵抗なのか、揚力なのか、です?
クアッドは、4枚なのに(センターフィンが無いだけで)、何故、3枚のトライフィンより速いのでしょうか?
抜けが良いのは理解していますが、、、 センターフィンって、そんなに「抵抗大」なのか?が、疑問です。
BGさま
コメントありがとうございます!
水流を凹面に通すことで反発浮力を働かせるコンケイブ、
やはりシェイパーのデザイン技術はすばらしいですよね。
波待ちのときに静止しているボードの上に立つと、
ボードは沈んでしまいますが(高浮力のロング系は別)、
同じ体重なのに滑走中は浮く原理が分かりました。
フィンについても興味深いですね。
また今度、調べてみたいと思います!!
ありがとうございます。
スタッフじゅん