「サーフ・ワーク・バランス」

「ワーク・ライフ・バランス」

という言葉が出てきてからしばらくたちます。

これは国が掲げる憲章だったのですね！

しかも2007年…今から8年も前に策定されたそうです。

内閣府のページを調べると、

「仕事と生活の調和」を官民あげて実施しよう、

という感じのものでした。

仕事と生活のバランスをうまい感じにするという、

ルールというより、ちょっと抽象的な憲章のようです。

では、なぜ働くのか？

もちろん少しでも豊かな生活を送れるために働いていますが、

それだけではないとも思います。

ぼくは病気をして働けない時期が２年ほどありました。

その時期は波乗りどころか日常生活も大変だったのですが、

その時に感じたことは、

有意義な生き方には「仕事」がとても重要だということです。

それと同時に心の拠り所になるもの、

自分らしくいられるための時間も必要だと感じました。

ぼくにとってはそれが 「波乗り」でした。

18歳で始めたサーフィンは、

（あくまで趣味の範疇ですが）今は心の拠り所になっています。

仕事も趣味（遊び）も、

そのどちらも「心を豊かにしてくれる存在」なのだと思います。

みなさんにとって波乗りとはどんな存在でしょうか？

まだ若かりし頃のことですが、

当時憧れていたプロサーファーの先輩が、

国内ツアーのシーズンを終えていった言葉が印象に残っています。

「これでやっとゆっくり遊べるよ」

ぼくにとってサーフィンは遊びだったので、

この言葉にプロフェッショナルの厳しさを感じたものです。

いくら好きなものとはいえ、

プロフェッショナルまで上り詰めた時には、

アマチュアには到底見えない世界があるのだと思います。

ぼくの周りを見渡すと、

週末や休みの日のみサーフィンをする人がほとんどで、

「ストイックにやるより楽しく波乗りができればよい」

という友人が多いです。

一方で、

「波が一番よい時期に集中して休みを入れて、海外や国内を精力的にトリップする」

という友人もいます。

台風の動向や狙ったスポットに対しての情報、

その生活を維持するためのストイックさは半端ではありません。

さらには、

「海まで５分の家に移り住み、片道１時間かけて仕事に行く」

という生活を選んだ友人もいます。

「波がよければ朝から晩まで、翌日の仕事のことも考えずサーフし続ける」

という友人も多いです。

波乗りに対する思いは人それぞれですが、

自分のライフすべてを注ぐほどの魅力があります。

そこで面白いのが、冒頭のワーク・ライフ・バランス憲章。

ワーカホリック（仕事中毒）にならずに、

仕事以外の日常生活とのバランスを取ろう、という提案です。

サーファーの友人たちはまるでその逆の発想で、

「サーフィンがしたいからこそ、仕事や生活のバランスを取る必要がある」

まずは「波」から仕事や生活を設計していくライフスタイルなのです。

憲章の想定外って感じで、なんだか面白いですよね。

サーファーはおのずと反骨精神が養われてしまうのかもしれません。

ということで、ぼくらは、

「サーフ・ワーク・バランス」を提案したいと思います。

波乗りするために、

働くときは集中して仕事し、家事もしっかりこなす。

その対価としてサーフィンに全力を注ぎ込む生活。

遊びも「仕事」と同じくらい真剣に取り組むことで、

たくさんの発見や多くの知恵を授けてくれます。

そしてサーフィンの相手は自然。

海から学べることは本当にたくさんあると思います。

そして、待ちに待った夏がやってきました！

みなさん、サーフ・サーフ・サーフの夏を謳歌しましょう！

（じゅん）