サーフィンでもっとも楽しい瞬間。
それは人によってそれぞれだと思います。
大波でバレルインした瞬間。
派手なトップアクションを決めた瞬間。
波に長く乗れた瞬間。
テイクオフした瞬間。
シェイパーの手作業となるサーフボード制作において、
それぞれ個々の個性を宿すサーフボード。
わたしは波が小さい日はロングボードやミッドレングス、
胸以上になればショートボードと、波のサイズによって乗り分けています。
サーフボードを常時3〜4本から選ぶ楽しさもあり、
さらには極小波でも楽しめるようなボードラインナップを揃えています。
わたしはロングボードやミッドレングスに乗るようになって、
高浮力ボードの長所と楽しさを知りました。
高浮力ボードの三拍子揃った長所とは?
・速さ
・滑走性
・安定性
多くの波にも対応できる幅の広さ(汎用性)も魅力のひとつです。
人は年齢とともに進化し続けるのであれば、
サーフィンもそれに合わせて適合させていく。
そのように柔軟に楽しんでいければ良いと思っているので、
サーフボードのラインナップを揃えることは必然なのかもしれません。
逆に高浮力ボードの欠点は、
クイックなアクションやコンペ系サーフィンなど、
技を細かく刻むようなスタイルだと劣ってしまうかもしれません。
ワールドツアー選手が極力軽いボードにして、
余分な浮力をそぎ落とし、突き詰めて低くしていくのは、
アクションの派手さや精度を限界まで高めるため、
技のみに集中したパフォーマンス性の利点を活かすためと言えそうですね。
わたしはコンペティションには出ないので、
テイクオフの速さ、滑走の楽しさなど、
それを叶えてくれるボード選びを基準にしています。
テイクオフ、滑走性、ターン性能をトータルバランスでみてサイズ等を決定します。
数値以上に大切にしているのはフィーリング。
感覚重視なので、
もちろん浮力がありすぎるボードをゲットしてしまうこともありますが、
乗り味に慣れてしまえば、それはそれで楽しめたりします。
Nation『Sonic Boom』 5’7” x 19’-3/4” x 2-3/8” 29.4CL
(わたしが考える適正:170cm/64kg 中級 5’6” x 19-1/4” x 2-3/8” 26.5CL)
https://www.nakisurf.com/brand/nation/sonic-boom/
その高浮力ボードですが、
台風のうねりが届く千葉でその真価を垣間見てしまったのです〜っ!
頭オーバーで一見良さそうなのですが、
ブレイクし始めると繋がってしまう波。
流れも強く、単純に言えば、恐怖系。
さらに師匠NAKI(ふなき)とのセッションということで、
普段の成果を見せるべき日(わたしにとっての”The Day”)。
わたしが入る前にNAKIは、
ノースタイガー名物の川の流れ渦巻く突堤脇からダイブインして、
ほぼクローズ波にバレルインしてアイランドプルアウトという、
離れ業(わざ)的なものすごライドを見せつけられ、
カメラ係をわたしと交換ののち、
突堤からカメラを身構えているという、
わたしにとっては最大級のプレッシャーセッション。
▽その日のセッションはNaki’s Blogにて
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/64561
そんな日には高浮力ソニックブームに”一日の長”がありました。
それはサイズのある波での安定感。
しっかりと確保された浮力によって、
パドルからテイクオフまでの安定性が際立っていたので、
普段なら躊躇してしまう繋がり気味の波でも、
余裕を持って波にテイクオフしていけました。
さらにソニックブームの高性能レイルワーク。
先が崩れていればそのままストレートに行ったり、
抜けられそうなチャンスがあれば波の中腹に合わせたり、
まさに、その余裕は高浮力ボードがなせる技。
不安定な波の上を滑走するサーフボードの神秘でもありますね。
ちなみに、この笑顔はすばらしき台風セッションとボードへの賛辞であって、
決して、師匠が見守るプレッシャー的波乗りからの解放…ではありません(笑)
やはり、サーフボード選びの適正とは、
身長、体重、レベルだけではなく、
自分がどのようなサーフィンを目指すかというイメージも考慮に入れて、
最高のマジックボードをオーダーするのが良いかもしれません。
一般サーファーにとって、サーフィンとは究極の遊び。
それだけにとことんまでこだわって楽しみたいものです。
そう、夏真っ盛りですからね!!
それでは今週もよろしくお願いします。
□
(じゅん、改めマンデーヤザワ)
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