先週は沿岸に接近したサメの話題で持ちきりでした。
季節はちょうど海水浴のピークということもあり、
防護ネットが張られるなどの対策がうたれました。
波乗りを始めてからの記憶を辿りましたが、
よく行く海岸線で大きなサメが接近したという記憶がないので、
そう起こることではないようですね。
気象学者の説によると、
今年は海水温が例年より4度ほど高く、
その影響で沖縄などの暖流に生息するサメが回遊してきたそうです。
この騒動前に茨城でサーフィンをしましたが、
たしかに海水が暖かくボードショーツ一枚でじゅうぶんでした。
冬に雪が降らない地域が増えたり、
夏は猛暑日が連続して続くなど、
地球規模で変化が起きている時期なのかもしれませんね。
南半球の海水温が上がるエルニーニョ現象。
この現象が起こると日本は冷夏になると言われていましたが、
もうこの予測も当てはまらなくなりつつあるそうです。
自然は不思議なようで、
どこかで全てが繋がっているのでしょうか?
わたしたちの小さな行動が、
地球という大きなシステムの気候変動を促しているなど、
ミクロな部分で考えないと分からないものもありそうです。
バタフライ効果。
これは気象学者のエドワード・ローレンツが提唱した仮説です。
「ブラジルの一匹の蝶のはばたきが起こす撹乱が、
はるか遠いテキサスで竜巻を引き起こすか?」
もしそれが正しければ、
正確な気象の長期予測(データ予測)は根本的に困難になる、
という提言に由来するものだそうです。
繋がりのないような場所で起こるわずかな変化が、
結果として、やがて大きな影響を引き起こすという、
カオス理論(予測不可能な運動性)の寓話的な表現で使われています。
もともと自然現象は、
人間の知識が及ばない領域で起こっている現象ですが、
それを科学の力でデータ化して読み解いているものだと思います。
また人間はその危険性を排除しながら、
サバイバル能力として住みやすい都市を作ってきたのでしょう。
そんな社会の中でも、
波乗りなどの自然を舞台とするアクティビティは、
自然の変化を芯から感じられるものの一つだと思います。
はるか遠くで吹き始めた風が、
やがて大きな空気の渦を作り出し、
外洋から届くうねりの群れをもたらし、
わたしたちはサーフボードを通してそのパワーを感じることができます。
例年と比べて異常に高い海水温や、
南風で一気に水温が下がることなど、
そのような海の変化を目の当たりにできます。
うねりの予測も、
風向き予報や潮位の変化など、
気象的なデータを読んで海に向かっても、
実際には大きく異なることも多々あります。
「予想は良くなかったけど、行ってみたら無人で最高だった!」
なんていうことも実はよくあることですよね。
冒頭の話題に話を戻せば、
サーフィンは自然を舞台に行なうアクティビティです。
自然だけに予測不能なこともあります。
サーフィンを重ねることで、
自分の知識を磨くということも大切だと思います。
とても楽しい波乗りですが、
海にはさまざまな生物がいるのは当然のこと。
もともとは暖流に生息する生物も、
海水温の上昇で生息域が変わるとすれば、
それは温室効果ガスや南極など局地の気候変動と繋がっているかもしれません。
その局地の気候に影響を与えるのが、
わたしたちの小さな行動に繋がっているとすれば・・・。
“知識は我が身を助けるものであり、
知識を持つものは危うきに近寄らず、
その知識を使うことで良い流れを引き寄せることができる”
この言葉が意味するものは、
海や波の知識に長けていれば、
サーフィンの楽しみ方が格段に上がるということだと思います。
山を知る優れた登山家のように、
海のことを知るサーファーになれれば、
波乗りの価値が上がるかもしれませんね。
まだまだ夏真っ盛りの8月をどうぞお楽しみください。
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(マンデーヤザワ)
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