バリサーフトリップ2004 PART6 筆降ろしはマンゴーの味がした
男は片手に白刃がむき出しの包丁を持っていた…。
片手に白刃がむき出しの包丁(!)、もう片方の手にはマンゴーを持って、ものすご不機嫌な顔をしながら、ゆらりと近づいてきて、ガタピシらファミリーが座ってるテーブルの椅子にドカ!と座って斜に構え、もっそ不機嫌な顔で一言も喋らずに無言でマンゴーをむき始めた。
4人の動きは止まったが、不意に刃物を片手に登場というシチュエーションは、4人を恐怖のどん底に突き落とすくらい恐ろしいハズなのに、蚊のケツの穴ほども恐くなかった。
しかし相変わらずまだ目すら合わさない。一言も発してない。
やっとリラックスして旅を過ごせるな、と思った矢先にこれや…、ガタ吉の中のアクタイマー(悪態時計)がチックタックと動き始めた。
なんやねんコイツぁあーうざぁいなあー、と思ってふと顔を見たら、ナイナイの岡村だった!
「げッ!」
いや、ニセ岡村だった。まるで三流芸人みたいなオーラがむんむん漂っている。なんじゃこいつわ。
しかも、ものすご汚い手で、ものすご爪アカが詰まった手でマンゴーをむいている。おいおいお手手洗ってないでしょーボクちゃんそれー。
4人は料理を食べながらも、一言も喋らず目も合わさないまま黙々とマンゴーを刻み続ける岡村から目が離せない。
しばらくしてマンゴーをむき終わると、おもむろに、
「タベル?」←(『ル』巻き舌)
ってやっと喋った声まで岡村。
「食うか!」
と激しくツッコミを入れるガタピシ。
と言うたが、相変わらず顔はめっちゃ不機嫌やねんけど、それがだんだん不機嫌つうか、悲しそうな顔に見えてきて、なにを抱えているのだと、なんだっつみわと、悩みあるんやったらおっちゃんに言うてみ、と。なんかミジメやなコイツゥうわぁあ、と思うとだんだん可哀想になってきた。
ふと横を見ると、昨日までジンマシンでダウンしていたお杉が、そのぬるいマンゴーをバクバク食べている!なんじゃお前ー!恐くないんか!?それに釣られて食べたがなマンゴー。めっさ下痢するか思て怖かったけど。ぬるいマンゴーもなぜが妙に美味かったが、なぜこんな悪魔の実のようなマンゴーを食べられたのか、ガタピシのは秘密があった。ホテルを出る前にひっそり整腸剤を飲んでいたのだった!他の3人は飲んだのか知らないが…。
んで、みんなで「うまいうまい」と思いがけず差し入れられたデザート、マンゴーを食べていたら、
「ボク、オカムラデス」
ここでやっとみんなオオオ!ってなって話したらめちゃめちゃオモロイ奴で、相変わらず顔は超暗い岡村やねんけど、殿様が庶民に背中の桜吹雪を拝ますかのように、Tシャツの背中にも漢字でドーンと書いてある『岡村』の文字を見せ付ける。
「なんやそのニタリ顔わ」
と、心の中でツッこむガタピシ。
会う日本人全員に岡村言われるらしい。確かに似ている。んでそのTシャツめっちゃ汚いし。あれ毎日着てるんや、笑い取るために。くっそぉぉおおお。俺にはあそこまでできない。そんなこと喋っていたら、いきなり、
「ジュウショオシエテ」
って言うから、
「なんでやねん!」
てツッこむと、もそもそとポケットから手帳を出しながら、将来貯金して日本に行きたいらしくて、いま勉強しているのだという。
「ソントキニイエトメテ」
って言われた。
はあぁ?本気かコイツ…、としばらく悩んだが、ほんまに可哀想に思えてきたし、
「もー書いたるわ!」、
と半ばヤケクソ気味に手帳に書こうとしたら、既に山のように日本人の住所が書いてあるのだった。
「もーええやん!」
と言うたが、
「オネガイデス、カイテクダシイ…」
「まず包丁から手を離せ!」
あまりに哀しい顔して言うさかい、かかか書いてもーたがな。
しかし、断腸の思いでリアル住所を書いたのに、岡村はまるで嬉しくなさそうだった。いや、ちょ、ォィ…、もちょっとよろこんでクダサイヨーと。
最初、コイツは何にふてくされてんねん?身内に不幸でもあったんか?と思っていたのが、この時には、完全に可哀想な奴になっていた。哀愁漂い過ぎやねん。バリにもこんな地味な男が存在したのか、していたのだ。それか魔術だ、いや精霊なのか。どっちでもええわさ。
でも店を出るとき、岡村はやっぱりどこか寂しそうだった。
そんな素敵なプリティ岡村と別れて、クタの街歩きを再開する。
うむ!お腹も満腹、素敵な出逢いもあり、バリがだんだん好きになりはじめていた夕暮れの風が心地よい。
でも、もう今夜日本に帰るのだった・・・。
ざんねんだ
旅の終わりはいつも寂しい。
だけど、だからまた旅に出たくなるんだな。
クタの街を散歩しながらお土産を買って、リーシュとニットケース、ハワイアナスのビーサンを買った。ジャンベも買ったな。このジャンベは¥300くらいで買ったのだけど、今も現役で海のお供になっている。安物だけに音はショボいけど大好きなジャンベだ。
その途中、休憩しようと寄ったカフェで、卒倒しそうになるくらい甘い飲み物(名前忘れた)を飲む。
途中、街角でダベっていた男に、「マタキタネ、オニーサンヒゲスパゲティネェー!」と言われた。
「あほか!ちゃうわ!」
最後の最後までガタピシにツッこませるバリの街だった。
俺のツッコミを受け止めた名も無き男は「フッ」っと笑った。それを見て俺も「ニヤッ」っと笑って、アツい男同士のギヴ&テイクが成立。
ずっこーん。
土壇場にして、バリで虹が掛かったのだった。
終わりよければ全てヨシ、である。
そしてその後、夕方の飛行機で帰ってきたのだった。
正味一泊二日の、特濃ミルクシロップをかけたマンゴーのように、甘くて濃いガタピシのバリ筆降ろしトリップはあっという間に終わった。
一泊二日でバリトリップ…。
それはまるで罰ゲームのように、まるで嵐のように(Like A Hurricane)過ぎていった。
『番外編』へ続く。
予告:ガタピシが特濃トリップを回想する。そしてマンゴー岡村の現在は…!?
今日の一曲:Like A Hurricane / Neil Young
コメント
とおる さんからの コメント 2008年2月12日(火) 9:28 PM
>ともりんさま
おお!それはいいですね。
友達からも「岡村元気にしてたで」と聞かされていました。
彼の手帳に「署名」しましたか?
しましたよね(笑)
ともりん さんからの コメント 2008年2月13日(水) 2:02 AM
それが、アユン河でラフティングの一緒に乗って漕いでくれる人だったんです。
同一人物だと思うんですが、10歳の女の子と5歳の男の子がいるって、かみ合わない点も。。。
写真これに添付できるのかな?
岡村もメアドくれたり手帳は卒業?
と思いきや返信ないんです(笑)
????と思ってたら、このブログ発見で
すごく楽しかったです。
お仕事お忙しそうな中、反応して下さって、
ありがとうございまーす!!
とおる さんからの コメント 2008年2月17日(日) 11:19 PM
>ともりんさま
ラフティングのガイドしてたんですか?
10歳の女の子と5歳の男の子??
手帳じゃなくてメアド???
嘘だ!(笑)
岡村も大人になったんですね。
また会いたくなりました。
ともりん さんからの コメント 2008年2月18日(月) 2:41 AM
ここに書き込んだ後、返信がきたんです。
岡村に近い方が、ご覧になってるんじゃ??
とおもってたんですが。。。
毎日、更新されててスゴイですね!!
とおる さんからの コメント 2008年3月4日(火) 10:54 PM
>ともりんさま
その後、岡村とはいかがですか?
今度対面したときは、「ゴチになります」と言ってゴチになるつもりです。
ともりん さんからの コメント 2008年3月5日(水) 12:10 AM
レス、ローマ字日本語や、
バリ語、英語いりまじってったので
そのままです。
ゴチ。。。
私が漠然と感じた贅沢してて、すいません!!!
みたいな気持ちを、とおるさんのブログで感じた
ままの岡村でしたよ(笑)
またバリ行かないんですか??
その際は、一報します^^
とおる さんからの コメント 2008年3月11日(火) 9:50 PM
>ともりんさま
返事しないと!
ぬるいマンゴーをゴチになってくださいね。
整腸剤はオプションで所持しといてください。
ぜひ。













ともりん さんからの コメント 2008年2月7日(木) 4:27 AM
初めまして
先月頭にバリに旅行した際に、この岡村に会いました。写真も撮ったので見て頂き岡村話で盛り上がれたら、と思っています。