船木(以下NAKISURFとする):
今日はフォーカラットの2008年以降の展開をどうするかを話しにきたんだ。
純城(以下JJとする):
実はいくつかアイディアがあって、年齢別にコンセプトして、ボードデザインをしてみたらどうかな?
NAKISURF:
コンセプトボードだね。じつは秘密裏に公平さんにお願いして、そのサンプルボードが完成しているんだよ。
JJ:
すごいな、それはどんなの?
NAKISURF:
飛行艇ってわかるでしょ。あの接水部分ってどれも深いダブルコンケイブなんだ。
飛行機だから着陸のときに高速で着水するでしょ。そこで超安定させられるのが、深いダブルコンケイブ・デザインなんじゃないかな?って閃いたんだ。
JJ:
いいアイディアだね。
確かに高速で海面に着水するわけだから理にかなっている。今まで誰も気づかなかったんだろうなあ。
NAKISURF:
それでね、初心者から中級者に必要とされているのは安定しているサーフボードでしょ。
カイラ(船木長女、12才)が波乗りのときうまくバランスが取れないので、子供にもいいなあ、って思ったんだ。
切り返しのための機能は、波の際どいところでズバンとするわけじゃないから関係ないでしょ。それよりも波を滑り、曲げて、波面に吸いつくように滑っていけて、転びにくいサーフボードを考案したかったんだ。
それって今までなかったよね。
JJ:
ダウンザライン用だ。
それならバックドアとかにもいいね。
NAKISURF:
そう。スープでもずっと滑っていける安定性、浮力たっぷりのボードデザインなんだ。
JJ:
それをもう公平さんが作っちゃったんだ。すごいな。
NAKISURF:
公平さんって多くを語らないけど、ものすごいシェイパーだよ。
マーケティングさえうまくいけば、軽く世界のトップになれるのだろうけど、きっと本人がそれを望んでいないのだと思う。
そんな公平さんにこのサーフボードのコンセプトを話して、スケッチをメールで送って、デザインをお任せしたんだ。
JJ:
本当にそうだよ。
公平さんは他シェイパーを軽く飛び越えている。
やはり良いサーファーというのは良いシェイパーになりうる典型だな。
NAKISURF:
純は今までアルメリックにJC、そしてアイパ親子等々、古今東西の色々なボードに乗ってきたわけでしょ。
どうして公平さんボードに惚れこんだわけ?
そういえば、純が公平さんボードに初めて乗った日は、俺もダイヤモンドヘッドで一緒にサーフしたけど、その感動というか、あれを見た俺は驚いたね。
JJ:
あんなにレスポンスとアクセルレーション(加速性能)がいいボードは生まれて初めて乗った。
ライトハウスのセカンドセクションでポーンってスピードがついて、しかもコントロールしやすかった。
あの時にボクは「すごい!」って感じたよ。
NAKISURF:
純が考える「良いサーフボードの条件」って何?
JJ:
ロッカーさ。
ロッカーに尽きるね。
トップシェイパーでないデザインはロッカーを出せないから、それを工面するためにコンケイブで調節しているんだ。
だめなシェイパーの削ったボードは持てばすぐにわかるさ。
ロッカーが美しくないんだ。
NAKISURF:
もっと具体的に言うと?
JJ:
ちょっとその手帳を貸して。(とスケッチを描き始めた)
いいサーフボードのロッカーはこういう線なんだ。
でもボードにロッカーを付けるというのは難しいはず。コンピューターシェイプでもなんでも良いロッカーというのは少ない。
というのは保管の段階でブランクスがねじれるからね。
でも公平さんのは全てこの線が完全に、しかも美しく表現されているんだ。
NAKISURF:
よくわかる。コールも「俺はロッカー精度を上げようと日夜腐心している」って昔に言っていた。
JJ:
OK、コンセプトボードに話を戻すと、ぼくの考え方だと年代別、20代のサーフィングを極めようとしている人には、現行のぼくのコンテストボードに乗ってもらい、30代はラディカルツイン。
NAKISURF:
ラディカルツイン?
JJ:
うん、その話には伏線があって、前にアラモアナで(ベン・アイパ)と会ったとき、アキラ(・アイパ)が5才の誕生日にお父さん(ベン)が削ってくれたツインフィンの話をしたよね。
そのボードがジャック(・ジョンソン)の昔の家にあったんだ。
よくみんなで集まったときにガレージにある昔のボードとかフィンが折れちゃったのとか、変なシェイプのボードを選び、パイプやバックドア、そしてププケアでチャレンジ系のオモシロ・サーフセッションをするんだけど、そのうちにみんな調子の良いボードってわかってくるんだね。でね、その中の1本がすごく調子良くて、それがアキラの5才用ボードというわけ。
ケリー(・スレーター)は、あのボードでバレルの中のアップダウンテクニックをおぼえたんだよ。結局そのツインボードをみんなで取り合うほどで、それがベースになっているのさ。
短く速い、それを普通のボードを乗り飽きた30代のサーファーたちに提案したいな。コンセプトボードというわけではないけど、ニューブリード(新種混合)ボード。そのツインフィンは速く、ルースで、少し挑戦的になるだろう。そう、(フォーカラットの)Zライダーの逆行進化版とする。
(注:ジャック・ジョンソンの前家はププケアにあり、そしてベンジ・ウエザリーが現在のボルコムハウスに住んでいて、ケリー・スレーター、アキラ・アイパ、タマヨ・ペリー、カラニ・ロブ、ロブ・マチャド、純たちが両方の家を行ったり来たりし、テーラー・スティールの処女作「モーメンタム」の素材となったという経緯がある)
NAKISURF:
そのボード、今すぐ欲しい。本当に。
JJ:
だろ?俺も欲しい。(笑)
NAKIの考えた飛行艇コンセプトを40代サーファーに向けて、これはもうすぐ完成するね。
南島に送ってもらうんだって?
俺も今月末からバリに行くからそのボードを試したいな。新しいコンセプトのサーフボードってすごいね。
どんな走りをするんだろうか?
50代はノーズ幅を少し出して、クラッシックなシングルフィンにしようよ。
ギラギラ鈍く光っていて(グロス&ポリッシュのこと)、このベイビークイーンみたいに簡単に波に乗れて、渋みがかったターンができるのを。
↓これが噂のベイビークイーンで、この美しいマスターピースに純城コンセプトのひねりを加えるのです。
![]()
50才クラスのサーファーらしいラインやマニューバーになるように最初からデザインしてシェイプしたらどうだろうか?
NAKISURF:
それかっこいいなあ。
Zライダーで大好評だった隠し浮力、そしてシングルフィンの左右に小さなFCSプラグを付けて、普通のフィンを縮小し、1/3サイズのキールスタビライザーも装着可能というのはどうだろう?
JJ:
完璧だな。
公平さんに連絡しよう。
(了、収録2-5-08ホノルル、ワードセンター於)













