彼とネイザン・フレッチャーが2000年からテストを繰り返し、2005年の冬、ネイザンが極限のパイプラインを滑ることによって完成された究極のサーフボード・デザインが遂にベールを脱いだ。
今までの4フィンのイメージを覆すNEWセッティング。
プロトモデルから販売まで実に6年。その間にはコピーシェイプも各社からたくさん作られ、あげくの果てにはコールから盗用したシェイパーがシェイプ賞を受賞するなどの盗作劇までがあったいわくつきの、いわば世界を揺るがしたデザイン。
当初の試作時からのコードネームを「ファイアーフライ」とし、テストで乗った人の感動は伝え聞いていた。それでもコンサバティヴな俺はなかなか手にしなかった4フィンモデル。複雑なラインのバットテイルを組み合わせ、乗った今では世界一のデザインという称号を与えるにふさわしい。
付属のVECTOR/QUAD (COLE Signature Model)をセット。デッキパッドはネイザン2(Nathan Fletcher2=Nathan Bat Tail)のカモフラージュを貼り、その未来的なフォルムにゾクゾクする。
ファイアーフライは通常樹脂のポリエスター製と、最新のエポキシEPSの2タイプが存在している。そしてフューチャーフィンしか選択できない。なぜならFCSは4フィンをサポートしていないのがその理由だ。しかし、FUTUREにはコールオリジナルテンプレット・フィンが付いてくる。(バックフィンが後ろに下がっているのが特徴)今回テストしたのはポリエスター製の5’8”x19”x2-18”/ FUTURE /グラブコンケイブ。それと昨年のプロトモデルだった5’10”x19-1/8”x2-1/8”のオンフィン、FCSバック。
共に4oz.Sクロス+4oz.Eクロスをデッキに、そして4oz.Sクロスをボトムに巻いた通常仕様。計ると2.25kg/5.8、2.40kg/5.10(フィン込)だった。EPS製にしたら300g減くらいだろうか。(EPSについてはこちらを参照)
まずはボードのチェック。ノーウイングのバットテイルのフォルムにしびれた。これはウイングよりもドラスティックにテイルをカットできるコール考案の新殺法で、ボードを簡単に1インチ短くできるやり方。逆を言えば1インチ長いアウトラインを使えるので、より速い速度で安定させられるのだろう。コールに聞くとベースは1960年代のダイアモンドテイルだと言う。温故知新なデザインだ。
フラットに近いロッカーに付けられたボトムを見ると、一見シングルコンケイブと間違うほどの長いワンバレルがエントリーロッカー、ノーズから36cmのところからフロントフィンの終わりまでコンスタントに掘ってある。一番深いところで深さ3.5mm、重要な角度と面積、長さがここに凝縮してある。微かだが、波乗りには深い意味の凹凸だ。シングルバレルの終わりはテイルから29cm位置で、ここからはダブルコンケイブに移行する。接合部分もスムースで、この巧みな技術にやはりコールってすごい、と驚かされた。そのダブルコンケイブはテイルエンドから6cmの場所で、ゆるやかなVEEとなってテイルに抜ける。これで水を捉え、ボードを上部にプレーンさせる仕組みになっているのだ。
例によってコールお得意のソフトレイル、このレイルテンプレットはJRR(関連記事に)
で、こうして種別化することで、俺の好きなレイルを次回指定できるのもコールらしい配慮でうれしい限り。
そのソフトレイルは、フロントフィン先端26cmからエッジが外側、つまりレイルに開きながら立ち、フィン廻りで内側に回り込み、鋭角になっている。これは鋭いターン、そしてコントロールのために必要なのです。
4フィンの位置と角度にコールが苦心したらしく、このセッティングまで3年間をかけているんだそう。なるほどターンのねじり込みから発生するスピードはこのフィンのおかげだろう。
今回自分のボードに初めて入れたグラブコンケイブ(写真参照)。これはこの凹み部分にクロス角度が変わることによって、ボード自体の強度と剛性を高め、さらにはグラブエアやグラブレイルの時にボードを持ちやすくする利点がある。単にダックダイブ時に手が抜けないのが気に入った。
テストはオーシャンサイド・ピアの膝から頭、カウアイビーチブレイク腰から頭+、ポイントブレイクの10ftの大波、そしてバリではウルワツ(6-8ft)やスランガン(8ft)、ライテンダー(4ft)をこのファイアーフライで乗りまくりました。
本来なら細かいことをこの試乗レポートで書かなくてはなりません。しかし、このファイアーフライはそれをも越えて、別次元の感覚で直感的に操れる未来から来たサーフボードと、あえて表現させてもらいます。みなさんが乗る日までそれはお楽しみに。
信じられないほど速く、またじっとりと安定し、小波から大波まで乗れて、スタイルがかっこいい。(笑)
少しだけ難点を言えば、トライフィンに慣れきったターンだと、ボードが波のフック内側に少し切れ込みすぎて、体がついていかないことがありますが、慣れればその分体を開かなければ解消できるので、これは全く問題ないと思います。そんな時はバックフィンに指定の小さなものではなく、通常のトライフィンサイド(できればハニカムコアなどの軽量タイプ/写真)を装着すると、初期での難点解消になります。慣れてきたら小さいのに付け替えてあげて、デフォルトの切れ込みを味わいましょう。
とにかくこのファイアーフライ、全体的なフォルムとダイナミクス(動力学)に感動しきりで、これからというか未来のサーフボードって4フィンが主流?と思わせてくれるほどポテンシャルを感じています。(7/4/2006)
評価(5点満点)
総合評価 ★★★★★
スタイル ★★★★★
パワー ★★★★
速度 ★★★★★★
回転性能 ★★★★★
耐久性 ★★★(EPS★★★★★)














