
コールが開発した4フィン=クアッド。そのシステムを搭載したファイアーフライの爆発的な人気と性能からそれをコピーするシェイパーが増え、今では4フィンが当然のような気もしてきた。
メイヘムもその例にもれずクアッドをシャークに移植し、そして名作ラウンドノーズフィッシュに4フィンをセッティングしたのがこの『クアッド・ラウンドノーズ・フィッシュ/Q-RNF』です。「RNF、バレットフィッシュ系の恐るべき中毒性」を知る私は、今までこういったボードに乗ることを避けていたのですが、とうとう来るべき時が来たようです。
メイヘムに「時間がある時でいいからね」とオーダーしたので、待つこと4ヶ月強、それからノースハワイまで船便で発送したので手元に届くまで5ヶ月かかりました。
ちなみに対決させようとしているコールのオリジナルモデルである『バット(バレット)・フィッシュ・クアッド』はこれからシェイプする予定。これはご存じの方も多いのですが、「9月のコールショック」でコールは今、お客様優先でボードシェイプを行っているのだから仕方がない。ということで対決は12月以降となります。
さて、このQ-RNFは5'5"x19-3/8"x2-3/16"。 今話題のLokboxフィン仕様で、黒いQUADが付属します。
余談ですが、このロックボックスは友人である巨漢のプロサーファー、ケーシー・カーティスが考案したものです。http: //www.lokboxfins.com/ 発売後5年は経っていますが、今まで私が思う「Aクラスというカテゴリー」とはなぜか考えがたく、オーダーをしないでいたのです。そして前回カリフォルニアに行った時に彼と会ったのですが(参照 http://nakisurf.blog.shinobi.jp/Entry/101/)、彼の装着している新作フィンを見させてもらうと、その完成度に驚き、すぐにオーダーした次第です。ほぼ無限にサイジングされるハンドメイドフィンが魅力のロックボックスフィンの「クアッド」を4枚きちんと装着し、アストロのネイザンバットモデルを張り、いざ!とホワイトハウスへ。波のサイズは胸くらい。
一本目にいい波が来て、セクションから思い切り体重を乗せてボトムターンすると、グイーっと加速し、波のかなり前に出てしまったのです。ここは斜面が緩慢なカットバックのセクションなのですが、イメージではスラッシュさせるべく、体をたたんでいたのでそのまま波の上、しかも平らに近い場所でボードを切り返したら、グウゥゥーとボードが波の中に(リエントリー) 戻れたのです。
英語で、サーフボードの性能について「forgiving」と表現されているのですが、このボードはまさしくそのフォーギビングで、それはつまり「許容範囲が広い」という特性を持っているボードのことです。
そのまま次の波に。
今度はセクションがつながる速く長い斜面が登場しました。考えられることは
3つ。
1. 走り抜ける
2. 波の際に当て(リッピング)、抜けていく
3. 崩れるのを待って長い距離のフローターでセクションの最後へ
こんな選択があったのですが、2番を選び出し、切り立った長い斜面の始まりで軽くトップターンし、オフザリップの始まりとしました。ボードは足にぺたりと張り付き、2輪車のクリッピングポイントを通過したような動きのように「クン」と軽くノーズの向きを斜面下に向け、加速した。
そのまま深いボトムターンを長く強く切り、フルスピードで崩れかけたリップの上に乗せるように角度のあるヒッティング。ボードがリップに乗る寸前にテイルに体重を乗せ、レイルを入れ替えると、ズリンと低い姿勢のままオフザリップ。フィンが波に咬みスライドを止め、また滑降し、今度はセクションの終わりで体を前に出しながら、波のショルダー側から一気に引きつけるスラッシュでボードのノーズを一気に逆方向に引きつけます。ザオウッと派手な音をレイルから立てて戻るボード。その独特の速度感覚に魅了された。
泡から外れ、リーフ水深が深くなった波の最後で浮き立ったまま大満足。
テイクオフが通常のRNFより速い、これは4フィンのなせるプレーニング(揚力)なのかなあ、不思議なほど走り出しが速い。ノーズも通常のRNFよりチョンと上がっている。ハングファイブ、スイッチスタンス、なんとエアも思いのままだ。
ランチを食べた後、次は長いレフト波である闘牛ポイントに持ち込み、バックサイドで試すと、やはりやはり、バックサイドのターンの切れ込み感に色気があった。なんというか艶っぽいターンなのだ。ターンを重ねる毎に味がしみでてくるようで、もっとターンをもっと波を!と両手を天にかざしたくなる。
どうやらRNF、しかもクアッドRNFの妖しい乗り味に引き込まれたようだ。ファイアーフライ(FF)の時もそうだったけれど、新型4フィンというのはやはりかなりの実力派だ。このまま行くと主流は4フィンで、トライは型遅れの日がやってくるかもしれないな。
セッション後、岸近くでボードを浮かべてみるとQ-RNFはまるでオバケのQ太郎みたい。初日にすでに2回のセッションを終え、愛おしいボードに「Qちゃん」と名付けて大事に車に積み、車の後ろで一瞬放心すると、肩を開いて誇らしく構えている自分に気づいた。
エンジンをかけ、ハイウエイを走らせながら晴れ渡った空を見ると、鳥のような雲が浮いている。まるでこころに鳥が入り込んだような気持ちとなり、体が一瞬震えた。(了、11/18/2006)
追記:
11/20にノースショアに6フィートのバレル波が届き、Qちゃんを滑走させてきました。サイズがあるパワフルな波だと、最高速で滑走し、ボトムが波下面に一瞬張り付いた気がした。しかし、その張り付いたボトムを起こすようにしてボトムターンすると超加速の上がりが発生しました。なんでだろう?不思議なことが起きるのですね。切り立ったバレル壁でもツインフィンのように抜ける、滑り落ちるということはなく、安定して乗れたことも付け加えておきます。(11/21/2006)






















