新品・中古サーフボード販売、カスタムオーダー、ウェットスーツ、サーフィン用品など。NAKISURFは、プロサーファー、フォトグラファー、サーフライターで知られるNAKIのコンセプトサーフショップです。

naki's blog

感謝祭四連休の最終日はソフトサンドで電光空手打ち_予兆を逃すな!_カラヘオカフェのサンドイッチでゲン直し_(2748文字、短編です)

こんにちは、

月曜日をいかがお過ごしですか?

こちらは感謝祭四連休の最終日です。

上の写真は、

先日撮ったイナリーズ。

波の分厚さがここに表現できたと自負している。

ここまで厚く、重い波だからこそ、

あんなにリップが飛ぶんだなあ。

さて、

ホワイトハウス、闘牛エリア、

つまり南側がスネ?膝というサイズ報告を受けて、

“まだ腰胸くらいのサイズが残っている”

というソフトサンドに行ってきた。

この北西うねりは北海道の北付近、

5000km以上も離れた場所から届いているので、

一度上がると、それは息の長い波となる。

それだけの低気圧がアリューシャン海域に停滞していたということか。

ソフトサンドに行くには四駆で、

砂利道、砂道、泥道を進まねばならないのだが、

こんなバリバリ四駆トラックがここで果てていた。

これは改造が悪かったのか、

何かの力がかかったのかはわからぬが、

タイヤがもげてしまい、

ブレーキディスクを損傷したので

「もし前輪が付けられても自走は難しい」

と運転手は的確に判断していた。

今思うと、

これがなにかの予兆だったとわかるのだが、

この時はあまり感じないでいた。

ただ、

「保険証のコピーを忘れました」

と出発後にフレちゃんに伝えながら気づいたけど、

今まで保険証など持ったことがないので、

フレちゃんに

「お前、今日は変だな」

と言われて、

「俺は何を考えているんだ?

保険証なんか必要になるわけがない」

とそれを打ち消していた。

無事に到着し、

サイズは予想通りで、

すぐにシェーンがやってきたので、

砂浜に基地を作ってからパドルアウト。

こうして波質とか、

うねりの角度をシェーンに伝えながらセッションを進めていった。

こんなクリスタルクリアな波は見たことがないシェーンは、

「どこからどこまでが波だかわからなくナリマス」

と笑顔で言いながら、

柔らかい斜面を6’6″ピストルで滑走していた。

テイクオフのときに一瞬怯んでしまうらしく、

「けど、一度テイクオフしてしまうと、

スケートボードランプのドロップみたいで、

正しい落下の感じがしっかりとつかめマシタ」

と大喜びしていた。

レフトはパワフルなセクションで距離が短く、

ライトは緩慢だが岸までつなぐことができ、

太く短くか、

弱く長くかということで、

レフトに乗るたびに高倉健映画のコピーを思い出していた。

”稲妻のような 獅子のような、男の中の男だぜ”

”たった一人で守りぬいた任侠道  シマも捨てたぜ子分も捨てた”

”さわぐ海鳴り 刀と刀

夕日に吠える唐獅子を無言で見せる 任侠一匹”

この惹句(じゃっく=宣伝コピー)を読むだけで、

“健さんや故鶴田浩二さんの任侠映画が一世を風靡した時代”

が浮かび上がってくるようだ。

耐える鶴田さんが渋めなファンに好まれ、

筋を通し、

悪に斬り込む健さんが大衆に受けた、

ということを師匠の著書で読んだことを思い出した。

話は海に戻るが、

ライトが弱くレフトが強い波質なのは、

うねりの角度に起因していて、

要は沖に向かって右側からのうねりなんですね。

セッション中盤に岸でキックアウトして、

ボードのテイルをつかもうとしたら、

足が抜けてフィンが手のひらにゴン!と当たった。

「痛!」

とその当たった場所を見ると、

ナイフを突き刺したように穴が4cm幅で開いてしまっていた。

ガーン!

とそのまま片手パドルで上がり、

手を開くと鮮血が出るので、

手を閉じたまま車に戻る。

新しいフィンのままで、

切っ先すら丸めておかなかった自分を後悔するが、

すでに時は遅しである。

ファーストエイドを探すが何もなく、

ただ、アルコールパッドを発見したので、

それで傷口を拭くと、

夜霧に聞こえる別れの汽笛よりも浸みた。(笑)

フレちゃん、

シェーンが上がってくるのを待ち、

そのままワイメア救急病院へ向かった。

フィンさえ丸めておけば、ここにはいない俺。

ちなみに読んでいるのは北方さんの水滸伝です。

史進が二竜山に戻ったところです。

関係ないけど。

漢(おとこ)の付き添いとして、

ずっと処置室にいてくれたシェーン。

やさしい男であります。

「ゲン直しにフィッシュサンドイッチを食べに行こう!」

とイシハラマーケットに向かうが、

悪いことは続くようで、

ちょうどお客さんが切れたので、

さきほどグリルの火を落としてしまったと、

良いおばさんから聞くと、

キッチンは掃除に入っていた。

さて、

どうしましょうか?

とシェーンに尋ねると、

「おいしい野菜が食べたいのデス」

ということなので、

島では高級店のカラヘオカフェに行き、

サラダ&サンドイッチのごちそうとなりました。

そのおいしさにツキがこちら側に引き寄ってきたことを実感した。

ちょうど地元産のフレッシュアボカドがあったりと、

俺好みのまろやかな味にも感動。

悪いことあれば、良いこともあります。

BEAMS/NAKISURFの懐かしTシャツを着てくださっているシェーン。

ピンクがよくお似合いですよ。

今日一日ありがとうございました。

右手を怪我して気づいたことは、

何をするのもむずかしいということ。

例を挙げると、

車の運転はもちろん、

コーヒーを淹れること

歯磨き

お箸&フォーク

筆記

このタイピング&マウス操作

ボタン

Tシャツを着る

ベルト

水を飲む

洗髪洗顔

ドアを開け閉め

冷蔵庫

パッケージの開封

電話

その他その他。

なんだかとっても不便ですが、

縫合したので、

すぐに治して、海に戻る日を夢見ている。

もうひとつ思い出したのが、

海に入る前にいつもしている小さなお祈りをし忘れていたこと。

こんな日に怪我をしたこともあって、

昭和37年の高倉健さんの主演映画

『裏切者は地獄だぜ』

というタイトルが思い出された。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/15023

そういえば、前回額を切ったときもこのお祈りを忘れていて、

海は裏切れないと再々確認した次第である。

http://www.youtube.com/watch?v=dXcZgkIgh3Q

GA潤ちゃんのブログを見ると、

奄美大島で撮っていただいたBD3動画がポストされていた。

オンショアで小さい波だが、

だからこそ見えるものがありますね。

ただ、これが最後の奄美動画となるようで、

とするとブルース・リー主演の

『死亡遊戯』(Game of Death)

というタイトルを思い出し、

さらには黄色のトラックスーツまでもがフラッシュバックした。

記憶というのは不思議であります。

今日もNAKISURFに来てくださってありがとうございます。

義理や人情を大事にし、

祈りと感謝も同じだけ自分に纏(まと)うのが幸せなのだなあ、

と気づきました。

健さん映画が今見たくなったんですよ。

それではまた明日!

いい日 唐獅子牡丹

感謝と仁義なる日にしましょうね。(笑)