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【naki’sコラム】vol.10 世界におけるサーフィンの正しいルールとマナー 2006年度版

サーフィン

翻訳 佐藤大地
改訂 船木三秀

 

(9) 他のサーファーに悪態をつかない。例えばサーフボードの長さ、波乗り能力、レベル、ローカル知識や権限、そして身体的強さ等を利用して他のサーファーを罵らない。

自分に有利な点がある事を進んで理解し、複雑なこのエチケットを理解する。全てのロングボーダーではどこでもショートボーダーよりもパドルが早いのを理解して、ラインナップに加わる事。あなたが顔馴染みのローカルが多くても、プロサーファーだったとしても、喧嘩好きなマーシャルアーツの達人でもだ。

どのサーファーでも海に入れば波に乗りたい、その為に自分の持っている有利な点を使いたがるのは自然な事だ。でもこう考えます。あなたよりも大きな有利点を持っている人がいる。例えば体つきも大きく、うまいロングボーダーだったとする。その人はその場所での権限もあり、生まれつき短気で強欲で、来る波は全部乗る。あなたはこの人と同じ場所で波乗りしたいですか?私の答えはノーです。

「サーフィンは楽しむのが一番」という世界があります。その反対側には弱肉強食な競争があります。それは避け、その競争の一部にならないようにしましょう。

従って、サーフィンエチケットとして、自分の有利な点を認識し、適切な行動をしましょう。ここでその有利な点と適切な行動を紹介してみます。

a. ローカルサーファーは常に他のサーファーが波に乗る権利がある事を理解するべきでしょう。それが波への知識を高め、責任と同様、利点もある事を理解するのです。責任とは波を分かち合うリズムへと導き、他のトラブルを起こしそうなサーファーに気をつけることにもつながります。年上のサーファーが年下のサーファーに威張り散らしていたら止めさせる、そして子供のサーファーや初心者のために波を待つ位置やカレントを知らせてあげる。これらの責任を守る事により、利点がもたらされるだろう。(ピークにいる全員が初心者に邪魔されなくなる)しかし状況を無視し続け、エゴだけでローカルが波に乗り続けると、そこの雰囲気は最悪になるだろう。

b. 先にも書いたが、ロングボーダーはパドルが有利だという事を認識すること。もしそれを乱用すれば、他のサーファーから恨みや敵対心を買う事になる。ロングボーダーは波を分かち合う雰囲気により気を使わなければならない。そして全体の楽しもうとするリズムを壊さないよう注意する。ショルダーからそのパドルスピードを利用して早くテイクオフし、ショートボーダーのテイクオフポジションを巻いて(フェイド)乗って行くのは最悪のエチケットだ。

c. プロサーファーがどこでも他の誰よりも有利なのはあきらか。パドルスピードや波のチョイス、奥からテイクオフできる能力。そこでプロサーファーは常に他のサーファーたちがコンテストの経験があるのではない事を良く理解すること。またプロサーファーが周りにいると、他のサーファーは緊張したり、自分のサーフィンを恥ずかしいと思ってしまう事もある。あなたがプロサーファーやいいサーファーならば波を譲ってあげたり、礼儀正しくすることでブレイクの雰囲気はさらに良くなるだろう。

d. 体の大きい、もしくは年配のサーファーは存在だけで若いサーファーが引いてしまうことがある。従って、他のサーファーが怖がるような行動は避ける。これはCに挙げたプロと同様で、その場所での雰囲気を良い方向に持ってくためにいつも努めるべきだ。

(10) 旅先では地味な色のウエットスーツを着用する。

これは目立たないように、という意味です。もしあなたが蛍光色や単色で明るい色のウエットスーツを着ていたら、遠くからあなたがラインナップにやって来ることがわかるでしょう。あなたのマナーを見せる前に「キザな奴」というレッテルを貼られてしまうのを防ぎ、また標的にされることを避けるためです。またカリフォルニアではプロサーファーだけが色つきのウエットスーツを着ても良い、という暗黙の了解があります。

(11) 常に自分のボードには責任を持ち、他サーファーに注意する。

もしこれを無視すると、人に怪我をさせる事にまでなってしまう。それを避けるには絶対に板を離さない。リーシュコードを頼ってボードを離し、スープを避けようとするのは人がいない時のみにする。自分のすぐ後ろにいるサーファーにも気を配ること。もしリーシュが切れてしまえばそのサーファーは怪我を追う事になる。特にロングボードやガンを使う人は注意する。セットが来るたびにボードを離している、また離さなくてはいけないようなコンディションは自分には合っていないブレイクだという事を認識すること。

板の手入れをする。鋭利なフィンは紙ヤスリで丸めておく、ガラスクロスが割れたままの状態、またノーズが壊れたままというのは他サーファーを危険にさらしているのだ。その傷がリーシュコードを切れやすくし、ボードを流す原因にもつながるのだ。

(12) もし人のサーフボードを壊した場合はリペアをする、もしくはお互いが納得するまで話し合うこと。

(13) リラックスしてサーフィンを楽しむ。

世界中どこに行っても他サーファーは入ってくるのだから、それを受け止めて気持ちよく楽しむ事がキーポイントです。

全米#1サーフサイト、サーフラインコムのDrew Kampion曰く、“人生とは波で、あなたの態度があなたのサーフボードだ”
と表現しました。混雑したラインアップでは、個人それぞれのポジティブな行動で雰囲気は落ち着くし変化する。自然にポジティブな態度を取れる人も入れば、そうでない人もいる。これは真実で、海陸の上の態度は作られるのであって、勝手に生まれることはない。ここでそのポジティブ(=前向きな、高度な)ヒントをいくつか紹介する。

一つの場所にこだわらず、様々な場所でサーフィンする。そうすることにより、自動的に混雑中での読みやどう対処するかを各地のサーファーから学べる。

ラインアップの中にいる他のサーファーも自分と同じで波に乗りたいという気持ちは一緒という事を理解する。これには意識的な努力が必要とされる。どのサーファーも本能的に波に多く乗りたい。しかし「他のサーファーにも自分と同じくらい波に乗り、楽しみたい」と自分に言い聞かせる。そんな態度から自分に余裕ができ、混んでいてもその余裕を持つことによって楽しさにどれだけの違いがあるか驚くでしょう。

スマイル。特に年配のサーファーがやると良いです。駆け出しサーファーのマナーの悪さやスキルの無さに苛つき、耐えられないこともあるかもしれないが、怒鳴ったりすることでラインアップに怒りと恐怖をもたらし自分のサーフセッションも台無しどころか、ラインアップの雰囲気も悪くなる。初心者サーファーは恐がり自分の身を守る事だけでサーフィンする事になってしまう。しかし優しい言葉やアドバイスをしてくれた人の事は忘れません。そしてそれが次のサーファー達へと受け継がれていくのです。

これが私達が教えられる混み合ったラインアップの中で楽にいられる方法です。

 

サーフィンイメージ

サーファー

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