COSMOS サーフボード
COSMOS
Surfboards
コスモス・サーフボード(COSMOS SURFBOARDS)は、歴史的なサーフボードのレストアとレプリカ(再制作)を制作するプロダクションだ。
時代を忠実に反映した造形だけでなく、
どの波でもサーフできるイクイップメントを誕生させている。
元々のはじまりは、
博物館に飾られている歴史的なサーフボードという芸術品に(クラッシュのきがねなく)乗ってみたいということで、
当時のサーフボードを材質にいたるまで重量やタッチを考慮してレプリカ制作した。
サーフボードにこだわるメーカーは多々あるが、歴史的なボードに着目し、さらにはその完全制作を実現するというのは世界で唯一だろう。
ハンド、そしてマシンカットのシェイプ・デザインからグラッシング、サンディング、フィニッシュまでのサーフボードに精通した前田博之氏と、
30数年に渡りカリフォルニア・サンクレメンテでサーフボードのプロデュースを続けたNAKIのタッグ。
NAKIは、各サーフ・ジャーナル誌のライターであり、近代サーフの皇帝とされるハービー・フレッチャーとのリレーションで、歴史的なサーフボードに触れ、
そして制作側と乗り手たちに取材を重ねてきた。
さらには、さまざまな波に固定観念にとらわれることなく自身で乗りつづけてきた。
コスモス・サーフボードは、これまでボンザー2種(1971、1973)と、ベン・アイパのスティング(1973)、2030のフィッシュという未来形のエウレカ、
フィンレスの完成形SX数種、タイラー・ウォーレンが「究極のデザインだ」と熱弁する2+1を制作し、今後はサンディエゴ・フィッシュ数種(1967/1970/1972/1976)、ツイン・ピン(1967)、ミニ・シモンズ(2006)もリストに入れられている。
サンディエゴ・フィッシュのデザインはとても興味深く、誕生から10年間でそのデザインを大きく変えている。
例えば、ロングボードのノーズ側をぶったぎったものをリ・シェイプしたスティーブ・リズは、1967年に4’6”のオリジナルを誕生させて、
現在『サンディエゴ・フィッシュ』として広く知られるものとなった。
1970年、そのリズのオリジナルを51にスケール・アップしてより乗りやすくしたのがJeff Ching。
1976には、デヴィッド・ヌイーヴァが、ワールド・コンテストにチンのフィッシュ・デザインを持ち込み、自身が考えたデザインだと主張しつつ準優勝した問題作。
そしてリノ・アベリラがハワイアン・フィッシュとして6’2”まで長さを引き上げた。
ツインピンは、1967年にボブ・シモンズのデュアル・フィンに着想を得たニックとバリー兄弟(サンディエゴ)が描いたフォルムを入手。
ショート〜ミッドレングスの粋として、多くの人に愛されるデザインのサーフボードが展開される。
またボブ・シモンズのオリジナルを短くしたミニ・シモンズもラインナップする。
これは造船学に長けたマイク・イートン論を採用し、ハードエッジを備えたテイルエリア、シモンズ風の丸ノーズ、フォア・ミッド・セクション(前足下付近)でダブルコンケーブに流れ込むシングル・コンケイブにVEEテイルエンドのスーパー・オリジナル&ハイエンド・モデルだ。
このミニ・シモンズのデザインに際してマイク・イートンは、
「滑走速度とリリースに関して最も効率的な滑走物体だ」と公に唱えた。
[マイク・イートン論(1934 – 2021):最も効率的な滑走船体の公式は、幅に対して290%の長さ。とすると、5’7”ボードであれば、幅が23”となる。ロングボードのようにパドル可能で、ショートボードの操作性を備えたボードがミニ・シモンズのコンセプトであると結んだ]
時代年代に光を浴びたシリーズのカプセル・コレクション派へのサービスでありつつ、
サーフボードとしての機能性は、前田氏とNAKIのW監修だ。
よって、ボトム・コントゥアー(コンケイブ、VEE、ステップ等々)、レイル・フォルム、ロッカー、
アウトライン、重量&比重と剛性を解体し、それらを現在に解明されているサーフボード指標と合わせつつ、柔軟なデザイン構成を持ってサーフボードをビルドしている。
ユーザーは真の歴史を知りつつ、デイリー・サーフできるイクイップメント制作集団がこのコスモス・サーフボードなのだ。