ECサーフボード
EC SURFBOARDS
EC SURFBOARDSのサーフボードデザイン、シェイパーを務める、ECことエリック・クリステンソン。
カリフォルニア・コスタメサに住まい、サンタアナにシェイプベイを構える。
ここにはブライアン・ミラーもよく訪れ、エリックとサーフボード談議をすることで知られている。
— エリック、あなたが考える究極のサーフボードというのを教えてください。
速く、より速く。それだけでなく、速くなれば、操作性が損なわれるのが常だが、速く、そして操作しやすい。それが私のサーフボードの究極です。
私と兄(クリス・クリステンソン)は同様なアプローチをしているんだ。
それはスキップ・フライの後継だと常に感じている。
なので全てのボード、そして私が好きだったショートボードをラインナップに据えているんだ。
私のサーフ人生で1番感銘を受けたのが、『ザ・サーチ(The Search)』というムービー内で、トム・カレンがスキップのフィッシュでJベイを滑ったラインなんだ。
あれは衝撃と言ってもいい。
当時はVHSテープだったので、そのシーンを少なくとも1000回は見ました。
VHSテープのその箇所がすり減って切れてしまって、もう1本買ったほどなんだよ。
あのまろやかで速いライン、さらにクラシックというのは、当時のサーファーの理想だったんだ。
ナットヤングが、ジョージ・グリーノウのフィンでターンの概念を覆したように、トム・カレンがスキップのフィッシュでサーフィン界に新時代の扉を開けたんだよ。
温故知新というように伝統的なマニューバーを磨き上げるように。
それで、私と兄はたまらなくなって、スキップのところまで行き、そのトム・カレン・フィッシュをオーダーしたのさ。
なぜなら、当時兄(クリス・クリステンソン)は、サンディエゴのシーワールドドライブにサーフボード工場があり、スキップのシェイプベイとは近く、先に兄のフィッシュが完成し、その後で私のボードだというので、
スキップにお願いして、シェイプの一部始終を見せてもらったんだ。
当時の私はまだ駆け出しのシェイパーで、兄のシェイプを見続けて、自分流で、しかも兄を越えようと努力していたときだから当然のことだよ。
スキップは、サーフボードに対して真剣に向きあって、さらにはそのラインを出すのに、ゆっくりと、そして一回一回の動作をゆっくりとやっていたんだ。
これが自分にとって欲しかった答えで、それからは、時間をかけてシェイプすることに歓びすら感じられるようになったんだよ。
それまでは、兄や他の有名シェイパーのように1日に何本も削り、それをプロダクションにしないと、ビジネスは成立しないと信じこんでいた。
けれど、スキップのように自分のペースで、サーフボードに真摯に向きあえばいいのだと、確認したんだ。
自分でもスキップのコピーを作ってみたり、そんなことから私のフィッシュに対しては、より深い思い入れがあるのかもしれないね。
魂を持ってサーフボードに向きあうことをしっかり学ばせていただいたよ。
— NAKISURF、日本のファンに伝えたいことはありますか?
私が真剣に20年間向きあってきたサーフボード。
(エリックは1977年生まれ)
ただ販売するだけではなく、思想はもちろんのこと、サーファーのレベルや要求を受けてシェイプできる事に歓びを感じているよ。
それまでは、乗り手が見えない中での手探りだったけど、NAKISURFチームの考えるサーフボード。
重さや強度、浮力、回転性、フィンのセットアップにいたるまで、細かく設定して、サーファーの体型やレベル、そして要求を汲み取り、そこに向けて究極のサーフボードを完成させることができるのが、本当にうれしいことさ。
“NAKI×ECのインタビューより抜粋”