NAKI’sブログ引用【サーフィン研究所:特別号】新時代到来COSMOSサーフボード「ワンオフ」

【サーフボード関連】

ご要望もたいへん多く、

COSMOS SURFBOARDSとしても展開を望んでいた事が遂にスタートしました。

詳細は下記のNAKI’sブログをご覧いただければと思います。

COSMOS SURFBOARDSのモデル自体も追加されていきますので、

そちらもどうぞお楽しみに♪現在はMINI SIMMONSが製作されています!

 

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私は30年ほど前に、

カリフォルニア・サンクレメンテでサーフボード・ディーラーを始めた。

流れとしては、

人気のシェイパーを見つけ、

自分用ボードを数本オーダーして乗ってみる。

me, 1994

Photo by Mike Balzer

.

たいていのシェイパーは、

私と一緒にサーフしたことがあり、

どんな波乗りをするのかがわかっているというのも依頼する条件とした。

Andy Irons

.

仕上がってきたボードが合わなければ、

ロス・モリノス通りのWarehouseに委託で置く。

時間はかかるけど、

かかった経費はここで相殺できる。

けれど、

自分が合わないボードを一気に全量出すと、

そのシェイパーの評判が失墜するかもしれないから、

一本ずつ再販していた。

もちろん調子の良いものもあり、

それらはキープしていった。

そのうちに日本からサーフボードのオーダーが入るようになった。

インターネットはまだダイヤルアップIP接続だったし、

注文はファックスで届くことがほとんどだった。

オーダーが5本まとまると、

気に入ったシェイパーにオーダーする。

なぜ5本かというと、

サーフボードをまとめて送る最小単位が1箱なので、

通関手数料等を考えると、

1本で送るのと5本で送るのでは、

国際送料等の経費が全く違っていたからだ。

各地に送った数ヶ月後、

ボードの評判が良いらしく、

再び注文が入った。

リオーダーというやつで、

もうこの時点では各地のマニアだったり、

オーナー用のボードでないので、

再販する商品取引となっていった。

ご存じのように日本の品質管理はとても高いので、

少々値が張ってもいいので、

焼けていないブランクスを使い、

筋が入っていないクロスを使ってくださいと、

オーダーカードの備考欄に書き込んだ。

まれにぼったくってくるところもあったが、

そこへは二度と注文しなかった。

20本〜30本程度からはじまり、

人気となって100本以上となっていくと、

クレームが絶えずに私は工場巡りする日々が続いた。

具体的には工員や職人たちと懇意とし、

それから「こうしてほしい」という意見を述べていった。

上記したブランクスの色とか、

グラッシング内のゴミ、

不均一なクロス目を改善させようとしたが、

アメリカでは、

当時もいまもサーフボードは遊び道具。

なので、

カフェに飾って眺めたり、

有志が集まってデザインを論議するものではなかった。

また値段の違いもこの違いに大きく関係していたのだろう。

当時サンクレメンテでは、

サーフボードの新品が400〜450ドルくらい。

メーカーでなく個人ならば、

300ドルくらいだった。

(1994〜95年は1ドルが94〜100円程度だった)

つまり3〜4万円くらいで買えるボードが、

日本では14万8000円だった。

安いメーカーで13万8000円と、

わりと統一された価格だったと記憶している。

そんなこともあって、

私がここ(NAKISURF)で

サーフボードをアメリカ価格+国際送料で販売するのは当然だった。

ただ、

そうなってもどうなっても上記した「サーフボード=芸術品」とか、

「サーフボード=工芸品」というわけではないので、

完成したボードの色が違う、

長さが違う、

ブランクスに書かれた名前のスペルが違うなんてのはザラで、

たいていはラミネートと呼ばれるロゴ位置やカラー、

そして大きさが違っていた。

オーダーカード通りに仕上がると、

これは珍しいと驚くほどの確率だった。

その後私は好きが生じたのか、

運命なのかはわからぬが、

サーフボード工場に住むことになった。

日夜繰り返しやってくる職人たちと仲良くなると、

多くの不満を聞くことになる。

彼らは極めて低賃金であり、

工程あたりの歩合制だ。

よって数をこなさないと生きていくことはできず、

たいていは数軒もの工場を掛け持ちしていた。

例えば、

「早朝にサンクレメンテの工場にやってきて、

お昼までみっしりと作業し、

午後は50kmも離れたサンタアナ市の別メーカーの工場に行き、

夜はサンクレメンテの隣町の、

ダナポイントにある老舗工場に行く」

そんな慢性過労の職人ばかりだった。

そんな彼らの得意技はオーダーカードを瞬時に読み取り、

慌てるように作業をすること。

なのだから、

くだんの要望のように芸術品はおろか、

工芸品には一切ならないのだった。

数年すると、

私が彼らをリスペクトしていることがわかり、

ようやく私のオーダー品には目を入れてくれるが、

それでも失敗したり見逃すものが相当数あった。

オーダーしてからたいていは6ヶ月、

または一年かかるものも多々あった。

それが日本に送られると、

前述したように望み通りでないものばかりだ。

NAKISURFスタッフたちは、

叱咤され、

恫喝され続けて、

完全に恐れおののき、

「購入前のご注意欄」

は完成後に自分たちがアメリカとの板ばさみになって、

心を痛めないようにするような文面に変わっていった。

そんなとき、

私は前田博士と知り合った。

博士は、

サーフィン好きの青年で、

世界的なアートを描くきれいな奥さんを連れていた。

若い人には珍しくハンドシェイプを得意とし、

コンピューターによるデザインのサーフボードにも精通し、

樹脂の扱いもマニア並で、

器用なのでふわりとグラッシングしつつ、

宇宙服を着てサンディングして、

たったひとりでエンスーなサーフボードを作っていた。

前田博士はとっても勉強熱心で、

私の詰める工場に視察にやってきて、

本場の制作工程と、

一日あたりの生産本数に感銘を受けていた。

(私のいた工場は最盛期で日産50〜100本)

あるとき、

私のマジックボードが折れてしまったので、

博士にボードスペックの記録をお願いした。

王さまのミイラではないが、

またいつか復活できる時代が来たときにこのボードを復刻したいという想いがあった。

すると、

「これ、完全コピーできますよ」

こともなげにそういうのだった。

半信半疑でお願いしてみると、

まさかそのままのクローンのようなボードが仕上がった。

乗り味も寸分違わず、

「こんなことってあるのか」

味をしめた私は、

自分の夢のひとつ、

乗りたかったボードをサーフボード博物館で見つけては、

博士に復刻してもらった。

おかげで1970年代のサーフボードがどんなものかがよくわかった。

さて、

NAKISURFナカガワは、

フィッシュ人生を送るサーファーだ。

彼のフィッシュ狂いは半端ではなく、

ECのそれとTWを通過して、

前田博士版を試すと、

もうそれなしに朝を迎えられないほど溺愛してしまったのだ。

そこで私たちは、

博士にTW、

つまりタイラー・ウォーレンのボードを見せ続け、

今度はEC、

エリック・クリステンソンのフィッシュ・デザインを感得してもらった。

博士は独自にスキップ・フライやジョシュ・ホール、

クリス・クリステンソンたちのデザインを研究して

「LIBERAL FISH」が完成した。

これこそがコスモス・サーフボードの旗艦ではあるが、

フィッシュやミニを経て、

シングルフィンとなり、

究極のサーフボード「TheOne」一筋の私がフィッシュではなく、

こちらを支持する図式になって、

コスモス・サーフボード内に二つの派閥ができた。

派閥と書くと、

ネガティブな印象を受けるが、

ナカガワが低浮力の丸いアウトラインで、

双舵のマニューバリティを好み、

過浮力のステービリティで、

バランスのよい操舵性を望む私というのは、

むしろサーフボードデザインに迷うサーファーにとっていいのでは?

そんな仮説が浮かんだのだ。

しかも博士の工芸品だ。

サイズはもちろん、

デザインや仕様もすべて目を入れて、

(NAKISURFが持つ数十年にわたる膨大なデータも考慮しつつ)

渾身行程を重ねて完成へと進む。

博士は常に勉強熱心なので

日進月歩のアップデートがある。

ひとつだけ大きなネックは、

少ない生産本数だが、

こちらは「本当のカスタムオーダー」なので仕方がない。

というよりコスモス・サーフボードが掲げる

「50年間乗れるボード」が念頭にあるので、

そんなにかんたんに完成するものではない。

何よりも自分が注文したものと同等、

またはそれ以上のものが完成してくるのだ。

事実ツインピンは、

ECとTWの良いところを取り入れた万博モデルとなっている。

上記したメーカーやシェイパーでなくとも、

「もしあのシェイパーに自分がワンオフしたら?」

そんな夢ボードを前田博士が同じ日本人として、

真剣親身に渾身ボードを完成させるのです。

アメリカ人シェイパーが抱いている

「日本人のほとんどは、ちゃんと波乗りできない」

などという軽蔑や軽視すらない。

ということで、

COSMOSサーフボードは、

私たちが提唱する各モデルに加え、

「あなたのワンオフ」という項目を設けました。

サイズやスペック、

カラーから仕様まですべて安心のカスタムオーダー、

新時代の到来です!

(上記したように前田博士がたったひとりで制作するボードです。

現在納期は7〜8ヶ月くらいとなっております、ご確認ください)

Cosmos Surfboards 2023

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ワンオフのページはこちら↓

https://www.nakisurf.com/brand/cosmos/one-off/

 

ご質問等ございましたら、

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なかがわ

なかがわ

4ft台のミニボードから10ft近いログまで、 みなさまに有益な情報をお届けできるよう、 取っ替え引っ替え日々サーフィン研究中! 2020年10月には第一子が誕生し、 「オリジナルなスタイルを持ったGOODサーファーに育てるには?」 こちらも日々研究中ですw どうぞよろしくお願いいたします。◆担当業務:撮影・店舗運営・WEBサイト運営・企画・プロモーション◆栃木県出身:一宮町在住 ◆誕生日:1979年10月2日

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