「空の上をグライド(滑空)する自由」
世界に引かれた国境や州境など、
人はものごとを分ける性質があるといいます。
良くも悪くも、
その国境というラインに沿って、
独自のカルチャーが発達していき、
世界じゅうでは多様な文化が存在します。
それは自分が使うサーフボードの種類にも言えるかもしれません。
ぼくがサーフィンを始めた頃は、
「ショートボードこそサーフィン」という風潮があり、
その他のボードには目がいかない時代でした。
今思えば、
その風潮はまるで排他的なラインが引かれた、
強制国家のように固いものでした。
そのラインが一気に崩れた瞬間は、
はじめてカリフォルニアに訪れたときです。
メインストリームはトライフィン/ショートでしたが、
シングルフィン/ショートやロングボード(ログ)など、
サーファーそれぞれが楽しんでいる海をみて、
「波乗りとはこんなに多様な世界だったのか!」
と驚いたことがあります。
上は弊社主宰ふなきに借りたシングルフィンボードで、
生まれてはじめてシングルフィンのターンを味わった瞬間。
トライフィンのようにボトムターンを強く踏んだら、
テイルがスリップしそうな感覚に腰が引けていますね。
(当時のSurfer誌メインフォトグラファーに撮ってもらうという、
その緊張感から腰が引けたのかもしれませんが・・・笑)
このトレッスルズのセッションで、
シングルフィンはゆっくり軽く踏み込むことで、
力まずに美しいターンをするボードだと分からされました。
そして、ボトムを緩やかに長くターンする喜びを知りました。
今まで乗っていたトライフィン/ショートにはない感覚に、
自分の世界観が広がった瞬間でもあります。
その頃、ぼくの住んでいたエンシニータス界隈では、
サンディエゴ・フィッシュの隆盛がはじまりました。
「海の上をグライド(滑走)する自由」
簡単に海外旅行にいける今の世の中では、
国境など気にせず旅をすることで、
人は異文化を満喫することができます。
それと同じように、
多種多様なボードデザインがあふれる今、
ショートボード、
ロングボード、
オルタナティブ系、
ミニボード、
そういったサーフボードのカテゴリを超えることで、
新しいサーフィン世界の楽しさと巡り会うことができます。
それこそが「サーファーが感じる自由な世界」だと思います。
コンテストに挑むプロサーファーでない限り、
サーフィンの基準はウマイかヘタかよりも、
「いかに楽しむか」にある気がします。
(もちろん楽しめるまでの長い道のりもサーフィンの魅力ですね)
お気に入りのサーフボードひとつ、
どんな波もそれだけにこだわる人。
所有する数本のボードから、
波に合わせたものを選び楽しむ人。
鋭角なターンと激しいアクション、
ハイパフォーマンスサーフィンにこだわる人。
キャッチサーフのトイボードでひたすら遊ぶ人。
サーフィンには人それぞれのスタイル、
人それぞれの楽しみ方があります。
それこそがフリーサーフィンの楽しさであり、
波乗りの究極のエッセンスなのかもしれません。
みなさんの目指すスタイルはどのようなものですか?
サーフボードで変わるサーフィンを楽しみましょー!
(じゅん)
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