【テイル形状はライディング、ターンに大きな影響を与える】
パフォーマンスモデルからワイドミニボード、オルタナティブなど、
近年ではさまざまなシェイプデザインの開発に伴い、
テイル形状もバットマンテイルやムーンテイルなど、
目的に応じて多種多様な形状が採用されています。
果たしてそれぞれはどのような効果をもたらしているのでしょうか?
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今日は一般的なテイル形状、
『スクアッシュテイル』、『スワローテイル』、『ラウンドテイル』、『ピンテイル』について、
それぞれ解説していきたいと思いますので、
今後のボード選びのご参考にどうぞ。
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【スクアッシュテイル(ラウンドスクアッシュ)】
サーフボードのテイルデザインの中で最もポピュラーなデザイン。
このデザインはテイルがより水に食いつくために、
急激なターンを可能にします。
平均的なビーチブレイクではこのテイルデザインを好むサーファーが圧倒的に多く、
多くのブランドのフラッグシップモデルに採用されているデザインです。
また、ラウンドスクアッシュというデザインもあり、
スクアッシュ=ラウンドスクアッシュテイルと考えても問題ないくらいではありますが、
少しマイルドなデザインがラウンドスクアッシュとなります。
最近人気があるダイヤモンドテイルは、
スクアッシュとラウンドピンをあわせたようなデザインで
キレをボードに与えながらも扱いやすいテイル形状となっています。
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【スワローテイル】
スワローテイルは、
一般的に小波用モデルに使われることが多く、
テイル形状の特徴として、ターンの支点となるポイントが2つになるということが挙げられる。
スワローのデザインが大きければ大きいほど
ボードのアウトラインをストレートにすることができて、
それがボードにドライブ性能を与えるという効果がある。
小さめの波ではボード自体がスピードを生み出さなければならないために
小波向けのモデルではこのデザインが採用されることが多い。
また、写真のようなスワローテイルとは別に、
『ベイビースワロー』と呼ばれる小さい目のテイル形状も存在する。
これはビックウェイブ用のボードに採用され、
大きい波だとボードのテールは絞り気味になるために
スワローをビックウェイブボードに使用する際はテイルのスワローは非常に小さいものとなる。
このデザインもターンの支点ポイントが2つとなるのが特徴だ。
大き目のスワローテイルはスクアッシュと比べてテイルの面積を多少減らすことができ、
ルース感のあるライディングを楽しむことができるとともに、
支点のポイントが2つあるので想像以上に安定したテイルデザインとなっている。
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【ラウンドテイル】
ラウンドテイルはピンテイルとスクアッシュテイルの中間のデザイン。
スムースなマニューバーを好むサーファーがが愛用するテイルデザイン。
ラウンドピンやピンテイルよりもテイル面積が広く、
よりレイル to レイルの切り替えがスムースになる。
またテイルエンドまで丸みを帯びたラインとなっているので水の抜けるポイントがなく、
ターンの際にスムースな切り替えしが行えるようになっている。
このデザインはスクアッシュよりもややボードに安定性や
洗練したターンが行えるので、
レイルの切り替えを繊細に行いたい人にはお勧めのデザインとなっている。
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乗り味はラウンドスクアッシュとは明らかに異なり、
スクアッシュに慣れた人がラウンドテイルのボードに乗れば
最初はテイルがヌルヌルとシックリこないと感じる人が多いと思います。
ただ、波にタイトに張り付いて
波のパワーゾーンをしっかりと使えるサーファーにとっては
このテイル形状は非常にマッチしていて。
サーファーのスタイルによっては最近では人気が高くなってきているテイル形状で、
多くのシェイパーが採用しているテイル形状。
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【ピンテイル(ラウンドピン)】
ピンテイルはテイルの先端を尖らせているデザイン。
このテイル形状はボードの安定性を増すことができ、
大きな波などでマニューバーを描くサーフィンをするサーファーに好まれている。
テイル側の面積を狭くすることにより、波のパワーをうまく分散し、
また丸みを帯びたテイルがスムーズなレイルの切り替えを可能とするのである。
頭オーバー〜ダブル以上の波をターゲットとしたガンボードは
ほとんどこのデザインを採用している。
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また、リーフブレイクなどではビーチとは違い
波が規則的にブレイクするのでスムースなマニューバが要求されます。
スクアッシュよりも(ラウンド)ピンを好んで使うサーファーが多く、
自身もリーフブレイクなどではラウンドピンテイルのボードを使用することが圧倒的に多いです。
スクアッシュテイルは、
掘れた波でテイクオフしようとするとサーフボードのテイルがホールドしにくくなります。
また大きめチューブの中でもスクアッシュだと波に巻き上げられるような感触がありますが、
そのようなシチュエーションでは、
ラウンドピンを使うと明らかにテイルが安定して、
テイクオフも容易になり、そしてチューブでも安定したライン取りができるようになります。
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【ダイアモンドテイル】
コールのキャノンボールでも採用されていた『ダイアモンドテイル』。
今までにあまりに見ることのなかったテイル形状が人気ですが、
はたして効果はどうなのでしょうか?
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赤のラインはダイヤモンドテイルの幅を示しています。
青い矢印はダイヤモンドテイルによって切り取られた距離となります。
スクアッシュているであれば黄色で示したラインのところにフォームがあるのですが、
ダイヤモンドテイルの場合にはこの部分にフォームを削ることにより、
ボードの全体的な長さは変わっていないが、
レイルが短くなっているこことなり、より反応しやすくなるとい理論なのです。
例えますと、
5’11のダイヤモンドテールを選ぶ理由は、
5’11″の長さながらにして、
5’9″、または5’10″の長さのような感覚でのサーフィンが可能になるのです。
ただ、実際の長さは5’11″ありますので、
5’9″や5’10よりも安定感があるといういうことですね。
いかがでしょうか?
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以上がテイルデザインの解説となりますが、
一人一人のサーファーの好みもありますので、
一概にはこのテイルデザインはこの波、このスタイルと決めつけることはできません。
いろいろなデザインを、
いろいろなコンディション、波でテストして、
初めて自分のスタイルにマッチするテイル形状が見つかるものです。
今日の内容は少しでもその手助けとなればと思います。
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Ryota
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