オルタナティブボードといっても、
さまざまな形状、デザイン、種類があります。
今回はオルタナの代名詞と言われる「フィッシュ」で、
そのデザインや乗り味の違いを比較してみたいと思います。
Tyler Warren 謹製『DREAM FISH(ドリームフィッシュ)』に乗って、
すっかりハマってしまったフィッシュの世界観。
それはもう世界「観」と言えるほど、
奥が深く楽しい乗り味なのであります。
【モダンフィッシュとレトロフィッシュ】
サンディエゴで産声を上げてから、
さまざまな系譜をたどってきたフィッシュですが、
同系統でもデザインの違いで乗り味は大きく変わります。
モダンデザインか?レトロデザインか?
どのボードデザインでも言えることですが、
この2つの違いが乗り味、さらに乗り方の違いに繋がります。
左)モダンフィッシュ
(Tyler Warren’s DREAM FISH、CANVAS BLISS FISHなど)
右)レトロフィッシュ
(一般的にレイルやテイルが分厚く、モッサリとしたデザイン)
オルタナ系ボードでは、
シングルフィンボードなどでも言えることですが、
モダン系は全体的に薄くシュッとしたデザインが多く、
レトロ系は分厚いダウンレイル形状が多いですね。
【テイル形状の比較】
DREAM FISHのワイドスワロウテイル(フィッシュテイル)
テイル厚にこれだけの違いがあると、
性能や乗り味に大きな違いが出ます。
実際に乗ってみて感じたことは、
その重量感の違いが乗り味の差として出てくるようです。
テイクオフに関しては、
(他ボードと比べてどちらも早いのですが)、
走り出してしまえばレトロデザインのほうが早さを感じます。
また重量感があるので滑走に安定感を感じました。
乗り味に関しては、
断然モダンフィッシュのほうが扱いやすいです。
速くて回転性があるフィッシュの特徴に加えて、
反応の良いクイックな動き(パフォーマンス系)も可能なので、
トライフィンショートからの乗り換えも比較的イージーです。
【レイル形状の比較】
このレイル形状の違いが、
乗り味に大きな影響を与えるようです。
この分厚いダウンレイルが、
まさにレトロデザインの真骨頂でしょうか。
波面にレイルを入れてから反応するまで、
ゆっくりと行なっていくことが要求されます。
「初めてロングボードに乗った時に、
カラダだけ先走ってしまい直立体勢で倒れる・・・」
そんな経験をお持ちでしょうか?(笑)
薄いショートボードばかりに乗ってきて、
簡単にボードを動かせることに慣れていて、
重いボードが反応する前に上体だけ先行させてしまう、
という感じだと思います。
分厚いレイルのレトロボードも、
ターン動作に入ってから数拍おいて反応する感じがあるので、
同じフィッシュでも乗り方を変化させる必要があります。
一方でモダンデザインを取り入れたフィッシュボードは、
ショートボードの反応に遜色なく、
もしくはそれ以上にクイックな反応を見せてくれます。
細かいターンでハイラインを加速させるグライドも、
ダウン ザ ラインで大きなターンを意識するサーフィンも、
どちらも叶える一挙両得デザインですね。
実際にワタシの『DREAM FISH』も、
乗れば乗るほどにその性能が引き出され、
今ではかなりのマジックボードとなっています。
【レトロデザインとモダンデザインの特徴】
レトロ系ボードは、
テイクオフも速く安定性もあると思いますが、
やはりターンが難しく万人受けするとは言えないと思います。
時差のあるターンをスタイルとしてとらえ、
ゆっくりとした動きを中心にして、
引っかかりの一切ないターンを繋いでいくという、
究極的にカッコいいサーフィンを目指す方には良さそうですね!
つねに進化の過程にあるモダン系ボードは、
良いデザインを取り込んでいくことで性能は磨かれて、
どんなサーファーでも簡単に乗りこなせるという、
とても理にかなったボードデザインだと思います。
ただ無理やり足でグイグイ押し込んでしまうような、
ちょっとカッコ悪いサーフィンも簡単に出来てしまうので、
ときにはレトロ系ボードで軌道修正することで、
よりキレイなスタイルをマスターすることが出来るかもしれませんね。
自分にとってのマジックボードと出会うことで、
今までにない楽しさを味わうことが出来て、
目指すサーフィンが一気に花開くこともあります。
究極のリミテッドシェイプからソフトボードまで、
みなさんの望む世界観をご提供できるように、
NAKISURFは選りすぐりの情報をお届けしています。
いろいろなサーフボードに乗って楽しさを追求してくださいね!!
(じゅん)
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