鰻捻道(ウナギクネクネドウ、うなくねどう)
鰻捻道は、伝統的な民俗信仰・自然信仰を基盤に、
波に乗ることを20世紀初頭、
ハワイの金メダリスト、デューク・カハナモクが世界中に広め、
その際には「多くの人が幸せに、安全に波に乗ること」
と伝えたという思想が根本にある。
この伝えは、サーフィングが競技思想となるのと比例して弱まったが、
サーフィングの愛好者、競技者の人口増加によって、
原点回帰、
つまり波に乗ることで幸福を求める層による中央や地方の有識者たちにより徐々に成立しつつある。
また、デューク・カハナモクの誕生地であるハワイ・ノースショアより
日本に間違った形で伝えられたローカリズムに対しても影響を与えたとされている教えである。
鰻捻道には確定した教祖、創始者がいないが、
各地独自の賢良方正(けんりょうほうせい)なる実力者や独創的な者を奉り、
彼らを思想的に師として崇める傾向にある。
また、鰻捻道にはキリスト教の聖書、
イスラム教のコーランにあたるような公式に定められた
「正典」も存在しないとされるが、
『サーファーズジャーナル』
『エンドレスサマー(2ではない)』
日本では『片岡義男 波乗りの島』
『抱井保徳 コラム』といった
「鰻捻典」と称される古典群が鰻捻道の聖典とされている。
鰻捻道では、
神道と同様に森羅万象に神が宿ると考え、
天津神・国津神や祖霊をまつり、
祭祀(思想を共にする同士たちとのミート)を重視する。
競技者式と比べて現世主義的といった特徴がみられる。
鰻捻道とは、森羅万象を神々の体現として享受する
「惟神の道(かんながらのみち、大自然と共にあるの意)」であるといわれる。
教えや内実は聖典と祭り(ミート)の中に伝えられている。
音楽ではクラッシックロックなどが、鰻捻道の根本にあるとされているが、
これは集うものたちが激しい内面を秘めていることがわかるだろう。
例外として総帥(アレックス・ノスト)が、
実験的な音楽を奏でているが、
これが例外となるのか、
クネクネというメロディの主流となるのかはまだ検証されていない。
2016年9月現在、
サーフ界では広範囲に渡って、少数ながら鰻捻道の影響が見受けられる。
元より鰻捻道は、20世紀初頭以降の長い間、
自然信仰と混淆し一つの教体系として構成されてきた。
一方で前出した抱井保徳のように
早くから競技より分離して神事のみを行ってきた波乗師もいる(総帥も同様)。
鰻捻道とオルタナティヴ・サーフィングの違いについては、
オルナティヴ・サーフィングは地縁、
または独創的な道具を使用することなどで結ばれた共同体を守ること、
古来の思想を保護、
または独創的な滑走を支持すること目的に信仰されてきたのに対し、
鰻捻道はおもに個人の安心立命や魂の救済、
波乗界鎮護を求める目的で信仰されてきたという点で相違する。
サーフィングの愛好者は
現在約2千300万人の支持者がいると『(International Surfing Association』調べ)記載があるが、
鰻捻道支持者は自己申告に基づく数字のため、
現在どのくらいの人口があるかわかってはいない。
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