世の中には人を魅了してやまない味というものがある。
その味には確固たる理由がある。
コニャックの王といわれるレミーマルタン「ルイ13世」は、
100年も熟成させた原酒を1,200種類もブレンドして作られている。
その多種多様な味を一定に保つための技法によって、最高級の「神の味」を作り出す。
一般的なコニャックが100種類程度のブレンドというから、
その製法が「ルイ13世」が20万円を超える最高級コニャックたる所以(ゆえん)である。
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今日はドリームクラッシャーのインプレッションをお届けします。
NATION『DREAM CRUSHER』の原型デザインは、
サーフボードの歴史に名を残す名作MRツインの系統です。
スモールウェイブでも極めて速いスピード性能、
ルースなターン性能でサーフィンに革命を起こしたハイパフォーマンスボード。
その歴史的系譜デザインをNATIONシェイパーのライアン・イングルが、
集積したマジックボードデータを駆使して、
スーパーチューンで生まれ変わった究極のプレミアムシェイプなのです。
NATION『DREAM CRUSHER』5’6″ x 19 3/4″ x 2 5/16″
ライアンが操るシェイプマシンは、
コンピューターによって膨大な曲線表現をもとにカットされます。
一般的には約50カ所程度の数値指定でカットされるマシンシェイプですが、
ライアンが指定する数は、なんと500カ所以上。
500カ所以上の細密な数値を合致させて、
それを”CUT”と呼ばれるマシンカットまで仕上げていくのです。
これにより、レイル角度、丸み曲線、エッジの位置、
コンケイブの場所とエリア深さ、ロッカー曲線、アウトラインと、
考えられる限りの詳細なデザインを可能としています。
そして、このもとになる数値こそが、
ライアンが何年にも渡って集積したマジックボードの数値。
さらにはカット後のシェイプブランクスに、
ライアンがさらなるディテイルを施して完成するNATION/CANVASボード。
(他ブランドでよくあるボード個体による当たり外れが全くない)
どれもがマジックボードと言える程の、
ハイスペックボード群はこうして生み出されるのです。
その最新鋭であり、フラッグシップとなるモデル、
それがNATION『ドリームクラッシャー』です。
そのファーストインプレッションは、
とにかく速く、浮遊するようなグライドに驚きました。
見た目以上にフィッシュの良さである揚力があります。
ギューンと飛ぶように走り出し、
トップスピードでダウンザラインを滑走する様は、
まさに目が醒めるような速度感覚です。
この日の波は、なかなかブレイクしないタルタル系。
魚のフライにはタルタルソースと言いますが、
こちらスーパーフィッシュだけにタルタル系波もお手のもの。
ソアリング(滑空)するような速度感からして、
ターンはかなりルースになるだろうと予測したところ、
実際にターンに入ると、良い意味で期待を裏切られました。
想像以上にタイトで高精度なターンの印象なのです。
「ツインフィンのルースさ」というよりも、
滑らかなレスポンスで、直感的な操作性をもつツインフィン。
フィン設定は「ツインフィン+FCSナブスター」
ツインフィンより少しタイトになるセッティングです。
ここがドリームクラッシャーのおすすめポイントで、
センターフィンのサイズによってターンをタイトにしていけること。
1、「ツインフィンのみ」ならルースに
2、「ツイン+ナブスターフィン」を取り付けてタイトに
3、通常のトライフィンにすることでエッジの効いたターンに
画像のようなブレイクしない厚いフェイスでも、
グーンと伸びるような速度と精緻なコントロールで、
どこまでも乗り継いでいく歓び。
・揚力を体感できるほどの加速感
・滑らかに反応するレスポンス
・伸びのある直進性と柔らかいコントロール性能
波乗りがとことん楽しくなる新時代のサーフボードです。
ドリームクラッシャーの魅力は、
その懐の広さにもある気がしています。
多くの波質にマッチする汎用性の高い優れたデザイン。
冒頭のコニャックの話ではありませんが、
500カ所以上の曲線を結ぶことで、
今までのシェイプでは表現できないほど高い精度でデザインされた、
まさにプレミアムといえる最新型ショートボード。
その乗り味は最高級のものではないでしょうか。
▽NATION『ドリームクラッシャー』モデル紹介ページ
https://www.nakisurf.com/brand/nation/dream-crusher/
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(スタッフじゅん)
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