「NAKIさんはミッドレングスについてどう思っていますか?」
「この状況では、必要不可欠なボードだと感じています」
先月のことだが、こんな会話に参加していた。
ミッドレングスの優れた点は、
かさばらず、つまり回転性良く、浮力を確保できること。
最初に乗ったとき、
その驚くほどの速度に感動し、
それからずっとこの世界に魅せられている。
浮力の魔力。
今まで気にもしなかったフィンの位置が輪郭を持って現れた。
つまりテイル側にステップバックしていき、
そこに乗った瞬間にボードのレイルが切り替わっていく。
逆にフロントフットの方を踏むように足を狭めていくと、
滑走世界にひたれる感覚。
イメージとしてはテイクオフは普通にし、
ひとたび波斜面にボードを這わしたらそのまま浮くような滑走をし、
少しステップバックしてボトムターン、
そしてさらに後足荷重してオフザリップ、
またはそのままの足位置でトップをなめるようなターン。
カットバックは壁際の泡に切れこんでいって、
そこからまた浮き上がってくるようなリエントリー。
最後は思い切りテイルにステップバックし、
しっかり踏んで居合いキックアウト。
この居合いキックアウトというのは例によって私の造語で、
波乗りの最後の見せ場というか、
醍醐味はその終わり方にあると思うのです。
シュタ!
そんな風に波の裏側に出る。
出た瞬間にはパドリングの姿勢で、
すでに一漕ぎしている状態。
それが理想だろう。
で、
今日はショートボードからログにまで使える居合いキックアウトの解説をします。
波の終わり。
「やや!」
サムライが刀を抜く前の感じでテイル加重をし、
フィンが波に食い込んだと感じたら、
そのまま波の後ろ側にターンするだけ。
波の後ろに向かってボードが向いたら、
両手でレイルをつかんでパドルの姿勢になる。
たったこれだけ。
まさに「居合い斬り」=『居合いキックアウト』
そうなったわけです。はい。
画像を良く見てもらうとわかるけど、
後足のみの加重なので、前足は浮いている状態ですね。
キックアウト、
つまり波乗りの終了は、
グッドサーファーであるためにとても重要なこと。
文章で使用する句点「。」と同様なのと、
あなたのサーフスタイルを完成させるものです。
ぜひ会得されてください。
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さて、大好きな映画の話題。
私が崇拝しているティム・バートンの新作が公開されたので見てきました。
Miss Peregrine’s Home for Peculiar Children
邦題は、『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』
これはランサム・リグズのベストセラー小説『ハヤブサが守る家』が原作、
ティム・バートンが手がけたもの。
その内容は、
1940年9月3日を毎日繰り返している「奇妙なこどもたち」が住む、
「ミス・ペレグリンの秘密の隠れ家」に主人公ジェイクが招かれるというか、
迷いこみ、いや誘い込まれ、
その世界的規模の真実の解明していくというもの。
ミス・ペレグリンはハヤブサ、
いやハヤブサに変身できる美女をエマ・グリーン(ダーク・シャドウ)が演じ、
彼女の屋敷には特別な能力の子どもたちが集まっていて、
(というか、世間からあぶれて収容されている感)
ユダヤ人対ナチスという図式を超えたものを鬼才天才ティム・バートンの表現です。
©2016 Twentieth Century Fox Film Corporation.
予告編はこちら。
例によって珍味みたいな映画に仕上がっていて、
私のようなティム・バートンファンには満点。
初めて見る人には、
とっても不思議な気持ちにならせてくれるであろう夢物語であります。
調べてみたら日本公開は2017年の2月ですので、
どうぞお楽しみにお待ちください。
◎