陽が輝いている。
そのあふれた光が線となって、
球状に散らばっていた。
紺青が満たされたうねりが、
白砂の起伏によって持ち上がると、
光の輝きを弾けさせるように飛散した。
透明な波先が残像だけとなり、
そして澄明な紺青をまじえた豊穣のうえに気泡となって、
すこしのあいだ漂っていた。
まるでこれぞ秀逸なアートピースだが、
古今東西だれもが『波』という芸術は表現できなかった。
サーフィンにはいくつもの〈心得〉がある。
たとえば、
乗れない波のことを語ってはならないとか、
誇張しないとかそんなことだ。
けれど、
黄昏のことならばいくら書いても良い。
けれど、
どれだけその色彩だとか、
受けた心象のことを凝縮して表現したとしても現実のそれとは、
かけはなれたものがあることに気づいた。
Catch Surf® Skipper Fish 6’0″
Nakisurf Original Twin + Vektor VMK (rear)
.
後の消波ブロックからの連想で、
“X”に見えるけど違う。
ここは湾の内側なので水が温んでいる上に、
少なくとも三方向からのうねりが重なる。
まれに自分がその重なりという幸運に恵まれると、
至福の瞬間が現れる。
ウエッジを効率的に使えるように、
ピークの後ろから波に入った。
英語ではこれを『バックドア』という。
(サーフィンもそうだが、
野球でも同様の意味の言葉があります)
It looks like an “CHIBA X” but it’s a different place.
The swells from at least three directions overlap.
On rare occasions,
when I encounter good luck under that overlap,
I feel so fantastic.
The entrance called the back door.
【追記】
大みそか(巻末リンク)に
“Study to be quiet”のことを書いた。
すると、
「アイザック・ウォルトンを読んでみます」
クワイエット・ファンクの久保田さんが、
開高健さんの1976年1月の稿を抜き出してきた。
で、
私は本棚からその稿が掲載されている
『完本 私の釣魚大全』を出してきて、
しばし読み込むと、
本日の文体となったという経緯をここに残しておく。
千葉一宮の未明。
気温1度。
あれだけ吹いていた北風が止んで、
静まりかえったそらに星々が浮いていた。
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【巻末リンク:STUDY TO BE QUIETについて】
【新春フーディ】
Happy New Year!!
Happy Surfing and Happy Lifestyles!!
◎